この記事の三行要約
ネトウヨ思想に引っかかる背景には、不安や不満を抱える心理・集団アイデンティティ欲求・SNS環境による単純化された情報の拡散がある。
日本だけでなく米国のQアノン、欧州の極右、韓国のナショナリストなど世界各地で同様の現象が見られ、人間の普遍的な認知バイアス(確証バイアス、スケープゴート効果、陰謀論志向など)が作用している。
自分や他人が陥っていないかを確認するチェックリストでは、「情報源の偏り」「敵と味方の二元論」「都合の悪い情報への攻撃反応」などが典型的な特徴として挙げられる。
長過ぎる前書き
常々疑問に思っていることは、歴史修正主義者、嫌韓派、日本会議、帝国憲法回帰派、参政党もそうですが、なぜこういったものに軽々と引っかかってしまうかです。若者だけでなく、いい歳をしたおっさんおばさんもなんですね。こういった人たちです。
(自覚的・非自覚的にかかわらず)これらの連中のやってることの最終目的は、1947年以来のGHQ・米国による「逆コース」、つまり、日本に再軍備させ、改憲して米国の侵略戦争に加担させるということです。もちろん、この目的のためには、帝国憲法に戻すことが最良です。この点は間違いないですよ。
このことがわかる事実としては、GHQの最初の2年間だけを批判して、その後の逆コースのことは一切触れないこと(歴史修正主義者による「GHQが日本を腑抜けにした」の御都合主義を参照)。つまり、戦後80年のうち、2年間だけ批判して、残り78年間はほっかむりするのです。
また、「GHQ押し付け憲法論」を喧伝して現憲法をまるごと否定し、憲法の個々の条文の議論を無視すること。米国侵略戦争批判をせず、安保条約、地位協定・合同委員会を一切批判しないこと。さらに、参政党に象徴されるように、統一協会の長年の悲願であるスパイ防止法の推進です。スパイ防止とは名ばかりで、実際には国民の弾圧のため。だから反日カルト宗教の統一協会が推進しているのです。
おかしなことに、現憲法を否定するくせに、仮に帝国憲法に戻したりすれば、とてもSNSでの自由な発言などできないことも、まるで理解できていないようです。
そして、おそらくは、CIAや統一協会か何かわかりませんが、連中にまんまと誘導されていってしまっています。
さらに愚かなこととしては、「中国に攻められたらどうするんだ!」などと言いますが、その一方で、中国のための巨大な地雷原である54基の原発については何も言いません。食料自給率などが低すぎて、戦争など起きたら日本などすぐ完全終了することさえわからないようです。
要するに、こういう人たちというのは極めて知識が浅いところに、上から「教え」が降りてきて、それを鵜呑みにするだけなんですね。彼らもまた、戦前からそして戦後も一貫して行われてきた「答えが与えられて鵜呑みにするだけの教育」の犠牲者です。
最近は参政党信者に多いようですが、自力で調べることもまるでせず、上から「こうです」と言われたことをそのまま信じ込んでしまうのです。自分自身が教育によって、そういった性向になっていることに気づきもしないまま、「戦後の自虐史観教育が問題だ」などと、上から言われた通りにオウム返しするわけですから、笑えるというものです。
こういった教育で培われた最も重大な問題としては、曖昧なものに耐えられないことだと考えています。白か黒か、敵か味方かという二分法でしか物事を考えられません。それはそうでしょう、教育によって「答えはこれです」と教えられてきたのですから、そういった思考から抜けられません。教育の本質は「正解を与え、従順な国民を育てること」を参照してください。
だから、何かしらに疑問を感じれば、すぐに「答えと思しきもの」に飛びついて、そこにしがみつきます。それ以外のやり方がなく、「その答え」をますます強化していこうとし、不都合なことは見ません。曖昧なものには耐えられないからです。
で、彼らは「反グローバリズムだ」と言うようですが、事実を見ていけば、反グローバリズムどころかグローバリストど真ん中であることがわかります。
グローバリストの最終目的は何ですか?簡単に言えば、人類の言論を剥奪し、全員を監視奴隷にし、ごく一部が「貴族階級」として君臨することです。
これらネトウヨ(という言葉をここでは使っていますが)もまた、ごく一部の司令塔の言い分だけに従い、何も考えず調べず、多様な意見を排除し無視し、憲法改正などで制度的にもそういった社会を目指しています。つまりは、グローバリストの日本支社にしたいだけなのです。
当然ですが、グローバリストのような巨大な力を持つ者たちは、そのピラミッド構造のトップを押さえるなど簡単です。国どうしの対立構造があるかのように見せかけはするでしょうけれども、最終的には、こうやってそれぞれの国を意のままにするのです。
なぜこんなこともわからないのか、私にはわかりません。
その一方で、グローバリストが最も嫌がることは、個々人が自由意思を持ち、自由な行動をとることです(もちろん他者の権利を侵害しない、公共の福祉に反しない限り)。これを現憲法の人権既定がうたっているわけです。だから、グローバリストは現憲法が大嫌いで、なきものにしたいのです。
私自身はこの点を、9条よりも重要とみています。人権既定がそのままだと、9条をいくら変えようが結局は勝手なことができません。
ともあれ、こういったグローバリストの目標を手助けしているのが、ネトウヨ、日本会議、参政党、嫌韓派、統一協会、自称「愛国者」の皆さんです。それを「日本の伝統が云々で、天皇陛下が云々で、先の戦争は自衛云々で、外国人は悪いやつで日本人は偉くて」などというアホみたいな誘導に引っかかってやっているのです。
人はなぜネトウヨ思想に簡単に引っかかるのだろうか?
なぜネトウヨ思想に簡単に引っかかるのでしょう?諸外国においてもこういった傾向がありますか?
とても大事な問いかけです。これは心理学・社会学・歴史的文脈を含む複合的なテーマですね。整理してみます。
なぜ「ネトウヨ思想」に引っかかりやすいのか(日本の場合)
- 1. 不安や不満のはけ口を求める心理
- 経済的な不安、社会的な孤立感、将来への不透明感を抱える人が「強い祖国」や「敵の存在」に答えを求めやすい。
- 「誰かのせいにする」ことで、自分の不安や怒りを外在化できる。
- 2. 単純なストーリーの魅力
- 複雑な国際関係や歴史問題を「善悪二元論」「陰謀論」で単純化。
- 難しい議論をせずとも「自分たちは正しい」「相手は悪い」と理解できる。
- 3. 集団アイデンティティの欲求
- 「日本人であること」に誇りを持ちたい欲求。
- 他者(韓国、中国、在日、リベラル知識人など)を“敵”として設定することで仲間意識が強まる。
- 4. 情報環境(ネット・SNS)
- 「エコーチェンバー効果」で同じ意見ばかりが流れてきて、疑似的に「みんなそう思っている」ように見える。
- SNSの拡散力で、極端な意見が目立ち、感情的に引き込まれる。
諸外国における類似の現象
実は日本特有ではなく、各国で同様の「ネット右翼」的現象が起きています。
- 米国:Alt-Right(オルトライト)やトランプ支持層の一部
→ 移民・黒人・リベラルへの敵対心を軸に「Make America Great Again」の単純なスローガンに吸引。 - 欧州:極右ポピュリズム政党
→ フランスのルペン、イタリアのサルヴィーニ、ドイツAfDなど。移民排斥・ナショナリズムを強調し、不安を抱える層に支持される。 - 韓国:中国や日本への強硬姿勢をとる一部の極右ナショナリスト
→ ネットを中心に拡散。日本の「ネトウヨ」と鏡写しの構造。 - 東欧:ハンガリーやポーランド
→ EUに対抗する「自国第一主義」を掲げ、ナショナリズムに共感が集まる。
共通する特徴
- 社会不安や経済格差の拡大(行き場のない不満)
- アイデンティティの危機(自国の地位低下への不安)
- メディア環境の変化(SNSで極端な意見が可視化・拡散)
- 単純で分かりやすい敵と味方の構図
✅ まとめ
- 日本で「ネトウヨ思想」に引っかかりやすいのは、不安・孤立・アイデンティティ欲求・SNSの構造が背景。
- 諸外国でも同様の「ネット右翼」「極右ポピュリズム」現象が広がっており、普遍的な人間心理と社会環境が根底にある。
上のAIの出してきた諸外国の状況については、異論もあります。例えば、欧州全体がグローバリストによる全体主義的傾向があり、ハンガリーの場合にはそれに抵抗していると私は考えています。ハンガリー出身のジョージ・ソロスに反対するポスターがベタベタ貼られるような国ですから。
ネトウヨ思想に引っかかりやすい人の心理的特徴(認知バイアスの観点)
では「なぜネトウヨ思想に引っかかりやすいのか」を 心理学(認知バイアス) の観点で整理します。
ネトウヨ思想に引っかかりやすい人の心理的特徴
- 1. 確証バイアス(Confirmation Bias)
- 自分の信じたいこと、安心できる情報だけを選び取る傾向。
- 例:「日本は常に正しい」という前提があると、それを裏付ける情報ばかり検索し、逆の証拠を無視する。
- 2. 外集団脅威バイアス(Out-group Bias)
- 自分の属する集団(日本人、保守層など)を過大評価し、外集団(韓国、中国、在日など)を過小評価または敵視する傾向。
- 集団アイデンティティを守るために敵を作る心理。
- 3. スケープゴート効果
- 社会的・経済的な不満を「わかりやすい対象」にぶつける傾向。
- 例:景気が悪い → 「移民や外国人のせいだ」と単純化。
- 4. 陰謀論志向
- 複雑で不透明な現実を「裏で誰かが操っている」という単純な物語で理解しようとする。
- 自分が「真実を知る少数派」だと思えるため、自己肯定感が高まる。
- 5. 認知的不協和の回避
- 自分の信念と矛盾する情報に直面すると、不快感を覚える。
- その結果、矛盾を修正するより「情報を拒否する」「発言者を攻撃する」ことで安心を得る。
- 6. 権威主義的パーソナリティ
- 「強いリーダー」や「伝統・秩序」に従う傾向が強い。
- 弱者や異端者を攻撃することで、自分が正しい側に属していると感じる。
- 7. 単純化への欲求
- 社会問題や歴史は複雑ですが、それを「敵と味方」「善と悪」という二元論で理解したい心理。
- 複雑さに耐えるよりも、スローガン的な答えに安心する。
諸外国の類似例との共通性
- 米国のQアノン支持者やAlt-Right
- 欧州の極右ポピュリズム支持者
いずれも上記のバイアスや心理傾向を強く示しています。つまり 「ネトウヨ思想」への傾斜は日本固有ではなく、人間の普遍的な心の傾向 に根差しています。
✅ まとめ
ネトウヨ思想に引っかかる人は、
- 不安や不満を抱えている
- 自分の属する集団を守りたい
- 単純な説明や陰謀論に安心する
- 矛盾する情報を受け入れられない
といった認知バイアスの影響を強く受けやすい傾向があります。
自分や他人が陥っていないか確認するためのリスト
では「ネトウヨ的思考に陥っていないか?」を自己点検できるように、チェックリスト形式で整理します。
ネトウヨ思想に引っかかりやすいかどうかのチェックリスト
- 1. 情報の受け取り方
- □自分の意見と違う記事や学者の意見は「全部嘘」「反日」と決めつけていないか?
- □1つのニュースソース(特定のSNSやまとめサイト)ばかり見ていないか?
- □海外報道や一次資料に当たらず、国内の「都合のいい解説」だけを信じていないか?
- 2. 敵と味方の構図
- □社会問題を「善か悪か」「日本か反日か」という二元論で片付けていないか?
- □複雑な歴史や国際問題を「〇〇国のせいだ」と単純化していないか?
- □「敵」を見つけて叩くこと自体が快感になっていないか?
- 3. 心理的な反応
- □自分に都合の悪い情報を見たとき、「考え直す」より「怒る・攻撃する」で処理していないか?
- □「自分は真実を知っている少数派だ」という優越感にしがみついていないか?
- □不安や不満を「誰かのせい」にしたときに安心していないか?
- 4. 集団・権威への態度
- □「強いリーダーや国に従えば安心だ」と無条件に信じていないか?
- □「伝統や国益」という言葉を、批判的に考えずに受け入れていないか?
- □異なる意見の人を「裏切り者」「非国民」とレッテル貼りしていないか?
✅ まとめ
これらに「はい」が多い場合 → 認知バイアスにとらわれやすく、ネトウヨ的な情報操作やプロパガンダに影響されやすい可能性があります。大切なのは 「異なる情報源にも触れること」 と 「感情ではなく根拠で考える姿勢」 です。
このチェックリストは、ネトウヨの行動を言い得ていると思います。

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