彼女はレイプについての日本の沈黙を破った

4つをまとめました。翻訳してから、他の方の翻訳が既にあるのに気がついたのですが(おそらくプロの方)、こちらもご笑覧ください。

She Broke Japan’s Silence on Rapeの適当な訳です。これは、2017/12/29のニューヨーク・タイムズ、リッチ素子さんの記事です。彼女は「Japan’s Secret Shame」にも出演してます。


春の金曜の夜であった、日本の良く知られるテレビジャーナリストの一人が、伊藤詩織を酒を招待した。東京での彼女のインターンシップが切れようとしていたため、彼女は彼のテレビ局でのインターンを問い合わせていたのだ。

彼らは東京中心部の焼鳥酒場で会った後、夕食に行く。彼女が最後に覚えていることは、警察に言ったことだが、目がまわり、トイレに行ったことだった。そこで気を失ったのだ。

その夜の終わりまでに、彼女が主張したことは、彼が彼のホテルまで彼女を連れて帰り、彼女が無意識の間にレイプしたことだった。

ジャーナリストである山口敬之は東京のテレビ局の当時のワシントン支局長であり、安倍晋三首相の伝記作家でもあるが、この罪を否定した。二ヶ月の捜査の後、検察官はこの事件を不起訴とした。

そして、伊藤さんは決断した、かつて日本の女性の誰もがしなかったことを。カミングアウトしたのだ。

5月のニュースカンファレンスにて、また10月に出版した書籍において、彼女は言った。警察はホテル監視カメラの映像を取得しており、そこでは、山口氏が気を失った彼女を支えながら歩き、ホテルのロビーに入る映像があった。警察はまた、タクシー運転手をつきとめ、証言を得た。彼の話では、彼女は気を失っていたとのことである。捜査員は山口氏を逮捕すると彼女に言った。しかし、彼女が言うには、それが突然取りやめになったのである。

その一方で彼女の主張は大騒ぎを起こしかねないものだった。しかし、ここ日本では表面的な注意を引いただけだった。

米国では性的不法行為事件での強い感情が考慮されて、議会やハリウッド、シリコン・バレー、ニュースメディアを揺るがすものだが、伊藤さんの話は、いかに性的暴力が日本において避けられているかというまさにその例であった。そこでは、警察に報告する女性は数少なく、行っても逮捕や起訴にいたることは稀である。

統計上、日本はいかに性的暴力が少ないかを自慢している。2014年の内閣府による調査では、15人の女性のうちの一人が、その生涯において、何らかのレイプを経験しているという。これに対して、米国におけるレイプ報告は5人に一人である。

しかし、学者によれば、日本の女性は合意無しの性行為をレイプを表現する度合いがはるかに低いのだという、西洋の女性よりも。日本のレイプ法は、合意については何も言及していない。デートレイプは基本的に、異国の概念であり、性暴力についての教育は最小限である。

にも関わらず、レイプはたびたびマンガやポルノでで描写される、性的な満足としてだ。この文化では、このような素材が度々重要なセックス教育のチャンネルなのだ。

警察と裁判所はレイプの定義を狭くしている。一般的に事件性を追求するのに必要な要件としては、物理的力と自己防御の両者が必要とされる。そして、攻撃者と犠牲者が双方とも酒を飲んでいないことが必要だ。

先月、横浜の検察官が、六人の大学生についての起訴を断念した。彼らは、女子大学生に酒を強制した後、性的暴力を行ったと主張されているものである。

さらには、仮にレイプ犯が起訴され判決を受けたとしても、収監されることも無いことが度々ある。10人に一人が執行猶予になるのだ、これは法務省の統計による。

例えば、本年では、千葉大学の二人の生徒が、酩酊状態の女性に対するギャングレイプで判決を受けたが、執行猶予で釈放された。他の被告は統合されたにも関わらず。昨年秋には、他のグループの東京大学の学生が判決を受けたが、やはり執行猶予だった。

みうら・まりは言う、「ごく最近になって活動家が始めたのです、『イヤはイヤの意味だ』活動を」。上智大学の政治科学教授である。「ですから、私が思うに、日本の男性はこの合意の意味についての意識の欠如からメリットを受けているのです」。

内閣府の調査において、レイプの経験ありと答えた女性のうち、誰にも言わなかったと答えた女性は2/3以上にのぼった、友人や家族にさえもである。警察に行った者は、わずか4%である。その一方で米国の場合、被害者の1/3が警察に届けている。これは司法統計局による。

「女性への偏見は根深く、深刻です。人々は、性犯罪によるダメージを全く深刻にとらえないのです」、やたがわ・ともえは言う。早稲田大学ジェンダー法講師である。

28歳の伊藤さんは、山口氏に対する民事訴訟を起こしたが、彼女の事件を詳細にわたって議論することに同意してくれた。特に日本で性暴力に苦しむ女性達が直面する挑戦にハイライトするものである。

「わかっています、私が話さなければ、この性的攻撃のひどい環境は変わることが無いでしょう」と彼女は言う。

51歳の山口氏もまた、本記事のために話すことに同意してくれた。かれは、レイプ行為を否定する。「性的攻撃などありません」と彼は言う。「その夜は何の犯罪行為も無かったのです」。

望みはない

伊藤さんと山口氏は、(彼女が)ニューヨークでジャーナリズムを学ぶ間に二回会ったが、出くわしたのは2015/4/3のことだ(?)。

東京において、彼女が再度コンタクトをとると、彼は、彼の部署で彼女が仕事を見つけられるように助けられるかもしれないと言ったという。彼は彼女を飲みに誘い、その後できいちという寿司屋での食事に言った。ここは、人気のある恵比寿界隈である。

彼女は驚いたのだが、そこは彼らの貸し切り状態で、引き続きビールに酒を飲んだ。いつの時点か、彼女は目がまわってきて、トイレにかけこんだが、水タンクに頭を乗せた後意識を失ったと彼女は言う。

伊藤さんが言うには、彼女が起きてみると、山口氏の下にいた、彼のホテルの部屋でである。裸で痛みがあった。

日本の法律には「意識の喪失や抵抗できないことを利用した」性行為としての「疑似強姦」が記述されている。米国では、州ごとに異なり、そのいくつかでは、同じ犯罪を第二度のレイプあるいは性暴力とみなされている。

警察が後にタクシードライバーをつきとめたが、彼は伊藤さんと山口氏を乗せたこと、シェラトン都ホテルの近くまで行ったことを覚えている。ここは山口氏が滞在したところだ。

ドライバーが言うには、伊藤さんは最初意識がなかったが、しかし地下鉄の駅で降ろしてくれるよう頼んだという、これはドライバーの尋問調書による。しかし、山口氏は、彼にホテルまで行くよう命じた。

ドライバーが覚えていることとして、山口氏が言ったという、より話し合わねばならないと。ドライバーが言うには、山口氏が「何もしないから」と言ったかもしれないという。

ドライバーが言うには、ホテルに到着したとき、伊藤さんは5分程度「沈黙していた」という。そして、彼女が後部座席に吐いているのを発見した。

「男性は、彼女をドアの方に動かそうとしましたが、彼女は動きません」と言う、これも調書によるものだ。「ですから、彼は先に降り、カバンを地面に置き、彼女の腕の下に自分の肩を入れ、車から引っ張り出そうとしました。私には、彼女は自分で歩けないように見えました」。

警察が得たホテルの監視カメラのビデオでは、伊藤さんが歩行能力を失っているように見える。ニューヨーク・タイムズのビデオからの画像では、山口氏は彼女を支え、ホテルのロビーに向かったのが午後11:20である。

伊藤さんは言う、彼女は午前5時ころに目が覚めたと。彼女は山口氏の下で身体をくねらせ、トイレにかけこんだという。彼女が出てくると、「彼は私をベッドに押し倒しました。男性ですし、極めて強かったんです。彼に押し倒され、私は大声をあげました」

彼女が言うには、何をしたのか、またコンドームを使ったのか教えてくれと要求したという。彼は落ち着けと言い、事後ピルを買ってやると言ったそうだ。

しかし、彼女は衣類をつけてホテルから逃げた。

伊藤さんが信じるところでは、彼女は薬を盛られたと。しかし、この疑惑を支持する何の証拠も存在しない。

山口氏が言うには、彼女は単純に飲み過ぎたのだと。「寿司屋で彼女はピッチを上げました、事実私は聞いたんです。『大丈夫かい?』と。しかし、彼女は言ったんです。『お酒には強いんです。喉かわいてるし』と」。

彼は言います。「子供ではないんだから、もし自分で制御できたのであれば、何も起こらなかったでしょうね」。

山口氏が言うには、ホテルにつれてきた理由は心配だったからだ、家まで帰れるかどうか。そして、彼は部屋に急いでいた、ワシントンの締切に間に合わせるために。

山口氏が認めるには「不適切だった」と、伊藤さんを部屋につれてきたことが。しかし、「駅やホテルのロビーに置いておくのは不適切だったでしょう」。

彼は次に起こったことを説明するのを拒否した、弁護士の忠告に従ってのことだ。が、伊藤さんによる民事訴訟に対する返答の裁判所記録によれば、彼はこう言っている。彼が伊藤さんの服を脱がし、身体を拭いてやり、彼の部屋のベッドに寝かしたのだと。後に付け加えたところでは、彼女は起き上がるとひざまづいて謝罪したのだそうだ。

山口氏が文書中で言うことには、ベッドに戻るよう強く促した。そして、彼女のベッドに座り性交渉を開始したと。彼女には意識があり、抗議や抵抗はなかったとのこととだ。

しかし、その後で、彼が伊藤さんとやりとりしたメールの中では、彼は少々異なる説明をしている。彼女が、彼のベッドに入ってきたことになっているのだ。

「ですから、全く真実ではありません。あなたが無意識のうちに、私が性行為を行ったというのは」、彼は2015/4/18のメールの中でそう言っている。「私は非常に酔っており、あなたのような魅力的な女性が私のベッドに半裸で入ってきたからそうなってしまったのです。両者とも反省しなければなりません」

他のメールでは、山口氏は伊藤さんによるレイプの主張を否定しており、互いの弁護士への相談を示唆している。「あなたが準強姦だと強行に主張されても、あなたが勝つ見込みはありません」と書いている。

メールについて山口氏に問うたところ、彼はこう言った。彼の会話と伊藤さんとの往復書簡の完全な記録によって示されるでしょうと。彼に自身の位置を利用して彼女を誘惑するような「何の意図も無かった」と。

「私は彼女に迷惑をかけられているんです」と付け加えた。

恥とためらい

伊藤さんは言う、ホテルを出た後、洗うために急いで家に帰ったと。今はそれが間違いとみなしている。「私はすぐに警察に行くべきだったんです」。

彼女のためらいは典型的だ・多くの日本人女性は暴行を受けた場合、「自身を責めて、こう言うのです『たぶん私が悪いんだわ』」と、かいの・たみえは言う、御茶ノ水大学のジェンダー論名誉教授である。

たなべ・ひさこ、東京の性暴力救援センターカウンセラーは言う、たとえ彼らのホットラインに女性が電話し、警察に行くよう勧めても拒否されることがあるという。なぜなら、彼らは、警察が信じてくれることを期待していないからだ。

「何か悪いことをやったのだろうと言われると思っているのです」

伊藤さんは言う、彼女も恥を感じ、沈黙していることを考慮したという。日本の男性支配されたメディア業界の中で成功するには、このような扱いを耐え忍ぶことが必要なのかと思いながら。しかし、彼女はその5日後に警察に行くことを決意した。

「真実に向き合わなければ」と、彼女は思い出す、「ジャーナリストとしては働けないと思ったんです」

彼女の話した警察官達は、当初申し立てをやめるように勧めた。そして、彼女の話に疑問を表明した。彼女が話す間に泣いていなかったからだと彼女は言う。何人かはこう付け加えた、山口氏は地位のある人間だから、この事件を彼女が追求するのは難しいと。

しかし、最終的に警察は彼女の話を深刻に受け止めたという。彼女がホテルのセキュリティカメラを見るように急かした後で。

その後、二ヶ月の捜査があり、その後で刑事長がベルリンにいた彼女を呼び出した。彼女はそこのフリーランスプロジェクトで働いていたのだ。彼が言うことには、山口氏の逮捕を準備しているという。その強い根拠として、タクシードライバーの証言、ホテル監視カメラのビデオ、それと彼女のブラジャーについていた山口氏のDNAである。刑事が言うには、山口氏を空港で捕らえると、2015/6/8にである。ワシントンから日本に到着した時にである。そして、彼女に日本に戻って尋問を継続するよう言ったという。

しかし、その日が来て、捜査官が電話をしてきて言うことには、彼は空港内にいるが、上司が彼に電話をかけてきて、逮捕をやめるよう命令されたという。

「私は聞きました、『どうしてそんなことが?』」と彼女は言う、「しかし、私の質問に答えませんでした」

伊藤さんは、捜査官の名前を言うことを断った、彼を守りたいのだという。警視庁は山口氏の逮捕を断念したのかどうかをコメントしない。「我々は、法に照らして必要な捜査を行い、すべての文書と証拠を検察庁に送りました」とスポークスマンは言う。

「私が強くならなければ」

2016年、直近の政府統計の年についてだが、警察が認めるのは日本でのレイプ事件が989であり、10万人の女性に1.5人である。比較すると、FBI統計によれば、米国では114,730件であり、男女含めて10万人に41人である。

学者によれば、実際の犯罪率については、被害者の過小報告や、日本の警察検察の態度を反映したものよりも格差が小さいとしている(?)。

夏の間に国会は、110年ぶりに日本の性犯罪法の修正を議決した。ここでは、レイプの定義にオーラルセックスやアナルセックスも含め、男性をも犠牲者に含めるものだ。議員たちは、また最短刑期を延ばした。しかし、この法律では未だに合意については言及されていないし、裁判官は執行猶予を言い渡すことができる。

そして、最近の事件にも関わらず、大学では未だに性暴力についてわずかな教育しかしない。千葉では、新入生に対するコースが行われたが、そこでは最近のレイプ事件について「不運な事件」と言及している。そして、生徒には漠然と犯罪に手を染めないよう警告するのみだ。

伊藤さんの事件では、山口氏が便宜を受けたのではないかという疑問がある。彼の首相とのつながりのためだ。

伊藤さんの主張が公になってから間もなく、日本のジャーナリスト、たなか・あつしさんが、警察庁長官にこの事件について問いただした。