トランプはシリア撤退について一年間将軍達と戦った

Russia Insiderの記事です。

Trump Fought the Generals for His Syria Withdrawal for a Year

彼の国家安全保障チームは彼を箱に閉じ込めようとしていた、他大統領と同じように。しかし、彼は連中のはったりを見抜いた。

彼は、この50年間で最初の大統領だ、戦争国家に閉じ込められることを拒否した。

主流派メディアは、シリア撤退というトランプの決断を攻撃した。衝動的で不意打ちを食らわす彼の国家安全保障チームと共に。

しかし、詳細な政治過程の説明が公開されたが、それが語ることは一年のあいだの全く別のストーリーである。これが示すことは、シニア国家安全当局者と自己本位の組織が非常に複雑な政治ゲームを数ヶ月にわたり繰り広げたことである。我々のシリアの地での無制限の駐留について揺れ動くトランプを狙ったものであった。

この全体の話としては、おなじみのベトナム戦争でのパターンの新たなバリエーションである。そこでは、国家安全保障チームがこの気乗りしない大統領に圧力をかけ、戦争地域での既存あるいは提案される軍配備を継続させるというものだ。

トランプと彼の国家安全保障チームの関係は、政権当初から緊張状態にあった。2017年夏までには、国防長官ジェームズ・マティスと統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォードは、米軍の世界規模での展開を正当化するブリーフィングに対するトランプの否定的な反応を非常に警戒していたので、ペンタゴンでの会議に共同で使用していた「タンク」で正式なブリーフィングを行うことにした。

マティスとダンフォードは、「70年の平和を維持」してきた「ルールに基づく国際的民主主義秩序」を称賛したが、トランプは単純に首をふり信じなかった。

しかし、マティス、ダンフォード、国務長官マイク・ポンペオは信じていた、年末までにはトランプを納得させられると。つまり、米軍をイスラム国打倒のためだけではなく、シリア北東地域を「安定化」させるために使い、ロシアとイランによる軍隊とバランスさせられると。しかし、彼らは無視していたのである、トランプの継続的な不満のサインを。彼らの事実上の永久のシリア駐留というビジョンに対するものだ。

三月のことだ、オハイオのラリーにおいて、表向きはヘルスケア改革であったが、トランプはうっかり口走ってしまった、「我々はシリアから出る、つまり、非常にすぐだ。他の連中にやらせればいい。非常にすぐにだ、非常にすぐだ。我々は出るのだ」

そして、2018年4月の上旬だが、トランプのアドバイザに対する堪忍袋の尾が切れたのである。国家安全委員会ミーティングにおいて、大きな対立になった。そこで彼は、彼らに明確に命じたのである、シリア駐留ポリシーとは根本的に異なるものを受け入れるようにと。

トランプはミーティングを開いたが、これは米国はシリアあるいはより広く中東への介入を終了させねばならないという、彼の公のスタンスに基づくものだった。彼は何度も意見した、米国はその努力の見返りに何も得ていないと。これはAP通信によるインタビューでの説明によるものだ、そのミーティングでブリーフィグを受けた政権内部の人間の話である。ダンフォードが正確に何を求めるのかを聞いたところ、トランプは答えた、シリアにおける米軍の即時撤退と「安定化」プログラムの終了だと。

マティスはシリア即時撤退要望に応答したのだが、それは責任をもって実行するのは不可能だというものであった。イスラム国の復活のリスクがあり、ロシア、イラン、トルコの思う壺であると。彼らの利益は米国と真反対であると。

報道によればトランプは折れてこう言った、5,6ヶ月以内にイスラム国を破壊せよと。しかしまた明らかにしたことは、彼らがこれまでISISを打倒できず、それでもシリアにとどまっていたことだ。アドバイザ達が、無責任にシリア撤退はできないと繰り返し述べたとき、トランプはこう言った「そうするのだ」と。

トランプの国家安全保障チームは注意深くミーティングを準備した、彼を明確な撤退のタイムテーブルから離しておくようにである。彼らは、いかなる具体的な撤退タイムテーブルも無い文書を持ち込んだ。詳細なAP通信の説明が示すには、彼らは二者択一をでっち上げたのである。つまり、即時撤退か無制限の駐留である、これはイスラム国の完全で永久的な打倒を確実にするためのものだ。撤退の選択肢はISISの復帰のリスクを持つと説明され、ロシアとイランのための真空状態を作るとされた。

政権ソースによれば、このような二者択一戦略は、過去にはうまくいった。これが2018年始めの月の間のシリアに関するトランプの沈黙を説明するだろう。その間に、前国務長官レックス・ティラーソンとマティスは、長期間の軍のコミットの詳細を積み重ねたのである。

しかし、このアプローチが大きく成功した別の理由としては、トランプがオバマからの大きな問題を抱えていたからである、アフガンからのペンタゴン撤退のタイムテーブルである。結果として、シリアのタイムテーブルについて同様の要求を公にすることを彼は躊躇した。CNNが報道するように、国防省当局者が言うには、ミーティングでは「いかなるタイムラインの議論も拒否された」と。さらには、その当局者がマティスについて言うには「マティスは撤退の選択肢を策定せよと言われなかった」と。ケネス・マッケンジー中将もレポーターに言った、「大統領が実際に我々に具体的なタイムラインを指示しなかったことは良かった」と。

にも関わらず、タイムラインへの言及無しでホワイトハウスは短い声明を出した、米国のシリアでの役割は「急速な終了」となりつつあると。

マティスとダンフォードは、トランプが公にそれを表明しない限り、トランプ自身の戦略を進めるためのタイムラインについてのトランプの防御を意識的に悪用していた。これが最終的に起こったのは、トランプの半年のデッドラインが経過してからだった。トランプの(発表を受けて)アドバイザ達が驚いたという話は、実に不誠実だったのだ。先週起こったことは、彼が4月に命じた明らかなポリシーに従ったものなのである。

シリア撤退事件というのは、トランプ大統領の基本的な苦境のドラマチックな実例と言えるだろう、前政権が作り出した恒久的な戦争状態を終了させることについての。確実に大多数の米国民は、中東やアフリカの軍配備を辞めさせたいと思っているものの、トランプの国家安全保障チームは逆にコミットしているのだ。

トランプは今や、十分に気づいている、彼の望む外交ポリシーを実現するには、同じ目的にコミットするアドバイザと共にでなければ実質上不可能であると。この意味としては、彼はシステムの外の人間を探さねばならないということだ、恒久的戦争期間に外だった者であり、その全体的イデオロギーや文化に極めて批判的だった者だ。キーポジションとして真に反対の人物を得ることができれば、このチームの残りの二年間は断固として官僚や将軍たちの羽を刈り取ることができるだろう、彼らが我々の今日の恒久的戦争状態を作り出したのである。

 

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