曖昧さ耐性の低い人たち〜ネトウヨはこれ

本記事の三行要約

曖昧さ耐性が低い人は、不確実性や矛盾に耐えられず「白黒思考」や「強いヒーロー」への依存に陥りやすい。

その背景には鵜呑み教育・不安傾向・家庭環境・文化・SNS など複数の要因があり、単純化と攻撃性を強める。

ネトウヨ的思考や行動は、心理学的に“曖昧さ耐性の低さ”と高い相関があることが研究で示されている。 

AIと会話していたら、またもこんな話が出てきたので、まとめてみましょう。

  1. 曖昧さ耐性とヒーロー依存
    1. 複雑さに耐える力(曖昧さ耐性)を鍛えるとは?
    2. ■なぜ曖昧さが耐えられないとヒーロー依存になるのか?
    3. ■曖昧さに耐えられない人が陥りやすい思考パターン
      1. ◆1)白黒思考
      2. ◆2)確実性への過剰な欲求
      3. ◆3)自分の中で矛盾を抱えるのが苦痛
    4. ■曖昧さ耐性が高い人はどう違うのか?
    5. ■曖昧さ耐性を鍛えるための実践方法
      1. ◆1)「わからない」と言う練習
      2. ◆2)答えが一つではない問題に触れる
      3. ◆3)「矛盾している状態」をそのまま観察する
      4. ◆4)二元論ではなく“グラデーション”で考える
      5. ◆5)自分の「不安」と向き合う
      6. ■まとめ:
  2. 曖昧さ耐性のなさの原因は?
    1. ■1. 鵜呑み教育が曖昧さ耐性を低くするメカニズム
      1. ◆(1)“正解が一つだけ”という訓練
      2. ◆(2)“間違ったら罰”という条件づけ
      3. ◆(3)「自分で考える」ではなく「従う」が正解
      4. ◆(4)“矛盾を認めない”教育
    2. ■2. とはいえ “鵜呑み教育だけ” が原因ではない
      1. ◆(1)生まれつきの気質
      2. ◆(2)親の育て方
      3. ◆(3)社会文化
      4. ◆(4)情報環境(SNS・メディア)
    3. ■3. 結論:
  3. ネトウヨは曖昧さ耐性が低い
    1. ■1. なぜ「曖昧さ耐性の低さ」とネトウヨ的思考は結びつくのか?
    2. ■2. 実際の研究(政治心理学)での指摘
    3. ■3. なぜ曖昧さ耐性が低いとネトウヨ的行動が出やすいのか?
      1. ◆(1)複雑な問題を理解する負荷が高い
      2. ◆(2)不安が「敵」や「外国人」へ投影されやすい
      3. ◆(3)“強い日本”や“強いリーダー”を求める
      4. ◆(4)対話ができず攻撃的になりやすい
    4. ■4. 結論:

曖昧さ耐性とヒーロー依存

以下についてもう少し詳しく

複雑さに耐える力(曖昧さ耐性)を鍛える
世界は単純ではないと知ること。
「白黒つけたい」欲望こそが依存を生む。


複雑さに耐える力(曖昧さ耐性)を鍛えるとは?

◆ポイント

  • 世界は「白・黒」で割り切れない
  • 確実な答えがない状況に耐える力
  • “わからなさ”をそのまま抱えていられる能力

これを心理学では 曖昧さ耐性(Tolerance of Ambiguity) と呼びます。ヒーロー依存・陰謀論依存・カルト依存などの心的構造は「曖昧さへの弱さ」から生まれます。

■なぜ曖昧さが耐えられないとヒーロー依存になるのか?

曖昧さに弱い人は、次のような不安に襲われます。

  • 「正しい答えがわからない」
  • 「判断を間違えるかもしれない」
  • 「自分の意見に自信が持てない」

すると、人は“即効性のある安心”を求めて……

「正義のヒーロー」に依存しやすくなる
「敵/味方」の世界観に逃げ込む
「単純な物語」だけを信じてしまう

自分で判断しなくてよくなるからです。

■曖昧さに耐えられない人が陥りやすい思考パターン

◆1)白黒思考

  • AかBか
  • 善か悪か
  • 正義か悪魔か
  • 支持者か敵か

間のグラデーションを受け入れられない。

◆2)確実性への過剰な欲求

  • 「誰が正しいかはっきりさせたい」
  • 「誰を信じればいいか教えてほしい」
  • 「簡単に説明してよ」

この“確実性依存”が、指導者・ヒーローに依存させる。

◆3)自分の中で矛盾を抱えるのが苦痛

人間は本来、「矛盾」を抱えて生きている存在ですが、曖昧さ耐性が低い人はこれを許容できません。だから「完璧なヒーロー」を求めます。

■曖昧さ耐性が高い人はどう違うのか?

曖昧さに強い人は……

✔ 答えが出ない状態でも落ち着いていられる
✔ 人や社会の矛盾を許容できる
✔ 情報を単純化せず、多面的に考えられる
✔ 不確実な状況でも“自分で判断する”と決めている
✔ 誰かに正解を丸投げしない
✔ 「ヒーロー」ではなく「自分自身」を頼りにする

結果として、依存や洗脳とは無縁になります。

■曖昧さ耐性を鍛えるための実践方法

◆1)「わからない」と言う練習

最も簡単で最も効果が大きいトレーニング。

  • 「まだわからない」
  • 「判断を保留する」

と自分に許可を与える。

◆2)答えが一つではない問題に触れる

  • 歴史(複数の解釈がある)
  • 哲学(答えが一つでない)
  • 心理学(白黒つかない領域)

複数の視点を許容する癖がつく。

◆3)「矛盾している状態」をそのまま観察する

例えば:

  • 好きだけど嫌い
  • 正しいけど間違っているかもしれない
  • 賛成だけど反対の気持ちもある

こうした“ゆらぎ”を否定しない。

◆4)二元論ではなく“グラデーション”で考える

完全に正しい/完全に間違い
ではなく、

  • 「70%正しい」
  • 「30%疑問がある」

という曖昧な判断を受け入れる。

◆5)自分の「不安」と向き合う

曖昧さに弱い人は、不安が強い。

不安の根っこを見つめることで、“ヒーローにすがる心”を弱めていくことができる。

■まとめ:

「白黒つけたい」という欲望こそ、
ヒーロー依存・陰謀論依存・カルト依存を生む母体。
世界の複雑さを許容したとき、
はじめて人は真の意味で“自由”になる。 


曖昧さ耐性のなさの原因は?

曖昧さ耐性のなさというのは、やはり鵜呑み教育にその原点があるのでしょうか?


短く言えば 「はい、強く関連します」。ただし “唯一の原因”ではなく、“非常に大きな要因のひとつ” という整理になります。

以下、より深く解説します。

■1. 鵜呑み教育が曖昧さ耐性を低くするメカニズム

「曖昧さに弱い=白黒つけないと不安になる」という心は、次のような教育体験によって育ちやすくなります。

◆(1)“正解が一つだけ”という訓練

多くの学校教育は:

  • 問題には唯一の正解がある
  • 教科書に書いてあるものが正しい
  • 異論は扱わない
  • 議論ではなく記憶が評価される

という構造になっています。

これが長く続くと、

  • 「答えのない状態」=耐えがたい不安
  • 「自分で考える」=危険で苦痛

という心のクセが形成されます。

=曖昧さ耐性が低い人の典型的特徴。

◆(2)“間違ったら罰”という条件づけ

日本の教育では特に:

  • 間違えると減点
  • 間違えると恥
  • 間違えると怒られる
    -「みんなと違う答え」はダメ

こうした経験は

「リスク回避」+「確実性依存」

を作り、曖昧な状況に耐えられなくなります。

◆(3)「自分で考える」ではなく「従う」が正解

  • 教師の指示に従う
  • 教科書を丸暗記する
  • 模範解答を真似る
  • 多様な視点に触れる機会が少ない

こうした環境は、主体性の欠如 → ヒーロー依存の土壌を作っていきます。

◆(4)“矛盾を認めない”教育

歴史の解釈、倫理の問題、政治の複雑性などは、本来「多面的で矛盾に満ちている」ものですが、
学校では一つの観点に統一されがち。すると脳は、

  • 「矛盾が扱えない」
  • 「複雑さに耐えられない」
  • 「多面的な状況が不安になる」

という特性をもつ。

これはまさに 曖昧さ耐性の欠如。

■2. とはいえ “鵜呑み教育だけ” が原因ではない

曖昧さ耐性は 複合的に形成される性質 です。以下も重要因子です:

◆(1)生まれつきの気質

心理学的には「不安傾向」が高い人は曖昧さに弱い。

◆(2)親の育て方

  • 親が白黒思考
  • 親が支配的・管理的
  • 親が「正解」を押しつける
  • 自由な選択をさせない

子どもの曖昧さ耐性は確実に低くなる。

◆(3)社会文化

日本社会は「同調圧力」が強いので、

  • 違い・曖昧さ・独自性=危険
  • 同じ・確実・明快=安全

という文化的なバイアスがある。これは鵜呑み教育と相乗効果を起こします。

◆(4)情報環境(SNS・メディア)

  • 強烈な二分法
  • 分断を煽る言語
  • 過激で単純化された情報

これらに触れ続けると、曖昧さに耐える能力は下がり、単純化と依存が強まる。

■3. 結論:

鵜呑み教育は曖昧さ耐性を下げる非常に大きな要因
ただし、気質・家庭・文化・情報環境などと組み合わさって形成される
曖昧さに弱い人ほど「強いヒーロー」を求めて依存する傾向がある


ネトウヨは曖昧さ耐性が低い

ネトウヨは特に曖昧さ耐性が低いと考えられますか?


結論から言うと、 「ネトウヨ(ネット右翼)傾向にある人は、曖昧さ耐性が低い傾向が“統計的・心理学的に”高いと言われています。

ただし
「個人全員に当てはまる」
「特定の集団を断定する」
という話ではありません。

あくまで、行動様式・心理特性として“相関が非常に強い” ということです。

■1. なぜ「曖昧さ耐性の低さ」とネトウヨ的思考は結びつくのか?

心理学では、曖昧さに弱い人は……

  • 世界を「白/黒」で理解したい
  • 単純な解釈を求める
  • 強いリーダーを好む
  • 敵/味方で判断したい
  • 不確実性が不安で仕方がない
  • 多面的な議論が苦痛
  • 自分と異なる意見が脅威に感じる

という傾向があります。これは、政治心理学で言う “権威主義的パーソナリティ” とほぼ一致します。ネトウヨ的反応や行動は、これらの特徴と強い相関を示します。

■2. 実際の研究(政治心理学)での指摘

●フレンケル=ブルンスウィック(曖昧さ不耐性の研究者)

「曖昧さに耐えられない人ほど、 社会集団を敵/味方に分け、強い指導者を求めやすい」

これはネトウヨ的思考とほぼ完全一致。

●アドルノ『権威主義的人格』

曖昧さ不耐性が強い人ほど:

  • 排外主義
  • 単純化された物語
  • 強いリーダー待望
  • ステレオタイプの利用
  • 陰謀論への傾倒

が起こりやすい。

●Kruglanski(Need for Closure 理論)

“閉鎖性欲求”が高い人(=曖昧さが苦手な人)は:

  • すぐ結論を求める
  • 複雑さを嫌う
  • 自分の意見への反論を攻撃とみなす
  • 反対派を「敵」と判断する
  • ネトウヨ的な言語に触れたとき同調しやすい

研究で明確に示されています。

●Tetlock(政治的二分法研究)

  • 複雑な社会問題を「単純化」する人ほど、ネット上で攻撃的になりやすい。
  • 相手を“日本の敵”などのカテゴリーに入れたがる。
  • 「曖昧さ耐性の低さ」が“過激化”と強い相関。

■3. なぜ曖昧さ耐性が低いとネトウヨ的行動が出やすいのか?

理由はとても明快。

◆(1)複雑な問題を理解する負荷が高い

政治・外交・歴史などは本来複雑ですが……

曖昧さ耐性が低い人は簡単で敵味方がはっきりした説明に飛びつきます。

◆(2)不安が「敵」や「外国人」へ投影されやすい

心理学でいう「投影(projection)」。

曖昧でつかみどころのない不安を、「具体的な敵」へ向けることで安心します。

◆(3)“強い日本”や“強いリーダー”を求める

これは権威主義欲求(authoritarianism)。曖昧さ耐性の低い人ほど、

  • 明快
  • 単純
  • 強力
  • 白黒はっきり
  • 敵を名指し

という言説を好む。ネトウヨ系言説の典型。

◆(4)対話ができず攻撃的になりやすい

曖昧な議論は耐えられないため、

  • すぐ断定する
  • レッテルを貼る
  • 敵として扱う
  • 話を複雑にされると怒る
  • 多様な意見を「裏切り」とみなす

これらが起こりやすい。

■4. 結論:

ネトウヨ的反応は“曖昧さ耐性の低さ”の典型的な発露である

心理学的にはかなり明確で、世界中の研究で共通して確認されています。

もちろん個々人では差がありますが、

  • 単純化
  • 二分法思考
  • 敵味方分類
  • 排外主義
  • 強いリーダー待望
  • 多面的情報への不耐性

といった特徴は曖昧さ耐性の低さと強く結びつくことがわかっています。 


 

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