ニューズウィークがまた売られた

ニューズウィーク日本版に注目!でニューズウィーク日本版の素晴らしさについて語ってみたのですが、グッドタイミングでCorbettReportにニューズウィークの記事が出ていました。こちらは本国の方ですが、「2010年に続いて、またも売られた」というものです。もともとニューズウィークはワシントン・ポストが所有していて、2010年にそれを1ドルで売ったそうな。そのワシントン・ポストも2013年にジェフ・ベゾスに買収されてしまいました。こういった経緯は知りませんでしたが、これならなるほど、先に投稿したニューズウィークのいかんともしがたい記事も納得というわけです。ワシントン・ポストというのはCIAの出先機関ですから。ケビン・シップの話をお聞きになった方ならご存知でしょうけれども。

さらに、CorbettReportでは、ニューズウィークが広告インチキをやってることや、一つの記事に修正が五ヶ所もあることに言及してます。前者はどうも、ボットによってアクセスを増やす手口らしい。

その一方で、CorbettReportが言うには、この財政困難の混乱状況の裂け目から出てしまったのか、(ニューズウィークにふさわしくない)信じがたい記事も出しているといいます。Now Mattis Admits There Was No Evidence Assad Used Poison Gas on His Peopleという記事です。

この元になってる記事はAP通信のUS has no evidence of Syrian use of sarin gas, Mattis saysなんですが、要するに今月2日にマティスが「アサドが自身の国民にサリンガスを使った証拠は無い」と言ったというんです。ところが、FISAメモ騒動の影に隠れてほとんど誰も気が付かなかったと。

更に重要なこととして、マティスは「援助団体からの報告を裏付ける証拠を米国は持ってない」と言ってることです。ここのところ、ホワイトヘルメットやらシリア人権監視団やらの、アサドが虐殺したとかいう(おそらくは)偽報告が新聞紙面を賑わしていたわけですが、マティス自身が「そんな証拠は無い」と言い切ってることです。さらには昨年4月のトマホーク攻撃の件についても、暗に間違いをほのめかしているようです。

ニューズウィークの記事Now Mattis Admits There Was No Evidence Assad Used Poison Gas on His Peopleに戻ると、たしかにこれは有り得ない記事です。以下要点です。

化学兵器エキスパートが言うには、米国の描くストーリーはおかしい。

例えば、2013年の事件では、ホワイトハウスはホワイトヘルメットの証言に依存していたのだが、彼らはサリンガス被害者とコンタクトしているにもかかわらず、何の症状も起こしていない。

その同じ人達が、化学兵器防護服を着て攻撃地点で訓練しているのだが、この証言とサンプルは非常に怪しい。トレーニング用スーツは何の防護もできないし、もし本物の軍事グレードのサリンであれば、死んでるはずだ。

2017/4に、国連の調査団がシリア内にいるときに、アサドがサリンを使ったというのは奇妙だ。常識的にみて、アサドがそれを使うなら別の時に使っただろう。彼はそれを廃棄し、二度と配備しないことに同意しているのだから。

元軍人の私(筆者)としては、ホワイトヘルメットの言うように、市民や子供を意図的にターゲットにすることには戦術的に意味がない。

コリン・パウウェルが2003年にサダム・フセインを移動炭疽菌施設を持っていると偽の非難をしたときに米国の信頼性は傷つけられたが、2017年にもニッキ・ヘイリーが国連で同じことをしている、国でも無い者による弱く立証されてない証拠を使ってだ。

(以上かなり大幅にカットしてます)

さて、これは日本版ニューズウィークに出るのでしょうか?直近のシリア関連の記事としては以下ですね。

アサド政権に続いて化学兵器を使用したのはアメリカが支援するクルド人勢力?

ここでは、アサド政権の化学兵器使用が事実ということになっているようです。こういった記事で問題なのは「報告がなされた」としてますが、いくらでもでっちあげられるんですよね、シリアのような混乱の地では。特に「敵が攻撃してきた」なんてのは、最も注意すべきものでしょうけど。

 

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