A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers
Published online 2015 Apr 22
という論文の概要だけです。
目的
この研究の目的としては、病院医療従事者(HCW)における布マスクの医療マスクに対する有効性を比較することである。帰無仮説としては、医療マスクと布マスクには何の違いもないことである。
設定
ベトナム、ハノイにおける第二レベル及び第三レベルの14の病院
参加者
1607人の医療従事者であり、18歳以上、選択されたハイリスクの病棟でフルタイム従事する者。
介入行為
病棟は無作為にされた。つまり、医療マスク、布マスク、あるいはコントロールグループ(マスク着用を含む通常の行為)を無作為にである。参加者は、すべてのシフトにおいてマスク着用し、これを連続4週間続ける。
主な結果と計測
臨床呼吸器疾患(CRI)、インフルエンザ様疾患(ILI)、及び研究所確認された呼吸器ウイルス感染症。
結果
すべての感染結果の発生率は布マスク群で最も高く、ILIの率は、医療マスク群に比較すると布マスクで統計的に有意に高かった(相対リスク(RR)= 13.00、95%CI 1.69〜100.07)。それとまた、布マスクは対照群と比較して有意に高いILI率を示した。マスク使用の分析では、ILI(RR = 6.64、95%CI 1.45から28.65)を示し、研究室確認ウイルス(RR = 1.72、95%CI 1.01から2.94)を示した。医療マスクグループと比較すると、布マスクグループで非常に高い。 粒子による布マスクの浸透はほぼ97%であり、医療マスクは44%だった。
(強調訳者)
結論
この研究は、布マスクの最初のRCT(無作為臨床試験)であり、その結果は布マスクの使用に注意を喚起するものである。これは、職業上の健康と安全についての情報を知らせる重要な発見である。湿気の保持、布マスク再利用および濾過不良は感染のリスクを高めるかもしれない。世界的な布マスクの使用について知らしめるには、さらなる研究が必要である。ただし、予防策として、特にリスクの高い状況においては、医療従事者に布マスクを推奨すべきではない。ガイドラインを更新する必要がある。
(強調訳者)
本研究の長所と限界
布マスクは世界中に広がっており、特に感染症のリスクが高い国で使用されているが、その使用を裏付ける有効な研究は存在しない。
本研究は大規模であり、前向き無作為化臨床試験(RCT)であり、布マスクに対して実施された最初のRCTである。
(強調訳者)
医療従事者向けのほとんどガイドラインでは、布マスクの使用については触れられていない。本研究では、ガイドラインを更新するためのデータを提供している。
コントロール(対照)群は「標準的な方法」であり、参加者の大部分がマスクを使用していた。このように(マスク無しコントロールの無い状態で)、布マスク群ではるかに高い感染率が検出された場合には、布マスクによる害、医療マスクの有効性、あるいは最もありそうなものは両方のコンビネーションであるとの解釈が可能かもしれない。
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