またもトランプがベネズエラに嫌がらせ

この記事の三行要約

トランプ政権は「麻薬阻止・民主主義擁護」を名目に軍艦派遣や制裁を行い、ベネズエラに圧力をかけている。
実際の目的は石油利権・中南米支配・ドル体制防衛など、米国覇権の維持にある。
2017年の危機時も、主流派メディアは普段は反トランプでありながら、この覇権行動に限っては政府の主張をなぞる報道をした。 

こういうニュースが飛び込んできました。

Q: 「アメリカ軍艦がベネズエラに派遣されています。艦内には4,000人の海兵隊員が乗っています。現地での地上部隊の展開を検討しているのでしょうか?」
報道官: 「トランプ大統領は一貫して明確な立場を示しており、アメリカが持つあらゆる手段を駆使して、麻薬が我が国に流入するのを阻止する用意があります。」
「マドゥロは正当な大統領ではありません。」

https://x.com/Breaking911/status/1957866766354592175

米国がベネズエラを敵視する理由

米国がベネズエラを敵視する理由は何ですか?表向きの理由ではなく、本当の目的を教えてください


米国がベネズエラを敵視する「表向きの理由」は、しばしば「人権侵害」「民主主義の抑圧」「独裁政権への批判」といったものです。しかし、裏の「本当の目的」には以下の要素が絡んでいます。

1. 石油資源の支配

  • ベネズエラは世界最大級の原油埋蔵量(特にオリノコ重質油帯)を持っています。
  • 米国のエネルギー戦略において、この資源をコントロールできるかどうかは極めて重要です。

かつて米国石油企業はベネズエラで大きな利権を持っていましたが、チャベス政権以降「国有化・再分配」で追い出されました。これ以降、米国は強く反発し始めています。

2. 反米・自立路線への制裁

チャベス、マドゥロ両政権は米国の影響下から離れ、キューバ、ロシア、中国、イランなどと結びつきを強めました

  • これは米国の「裏庭」とされる中南米において、モンロー主義的な支配構造に対する挑戦とみなされます。
  • 特に中国やロシアの資金・軍事協力が入り込むことを米国は脅威と捉えています。

3. ドル支配と金融システムへの挑戦

  • ベネズエラは原油取引において米ドル依存を減らし、人民元やルーブルでの決済を模索しました
  • これは米国の基軸通貨体制に対する直接的な挑戦です。
  • イラクやリビアも石油をドル以外で取引しようとして米国の標的になったと言われますが、ベネズエラも同じ文脈に入ります。

4. 「見せしめ」としての意味

  • 中南米で反米・社会主義的な政権が台頭することを防ぐため、「従わなければこうなる」という制裁の見本にする狙いがあります。
  • 実際、キューバ、ニカラグア、ボリビアなどと並び「不良国家」として扱われ、孤立させられています。

まとめ

つまり、米国がベネズエラを敵視する本当の目的は、

  • 巨大な石油利権の再獲得
  • 中南米における米国支配秩序の維持
  • ドル体制を守るための金融戦略
  • 反米政権への見せしめ効果

にあります。

反イスラエルは理由になっているか?

話によれば、ベネズエラが反イスラエルであるというのも理由の一つと言われていますが、その点はどうですか?


良い着眼点です。ベネズエラの「反イスラエル」姿勢は確かに米国との対立要因の一つになっていますが、それは「主因」ではなく「副次的な摩擦要因」と位置づけられます。詳しく整理すると次の通りです。

1. チャベス以降の反イスラエル外交

ウゴ・チャベス政権(1999–2013)の時代から、ベネズエラは一貫してパレスチナ寄りの立場を取ってきました。

  • 2006年、イスラエルがレバノン侵攻を行った際にチャベスはイスラエル大使を国外追放。
  • 2009年のガザ攻撃でも外交関係を断絶し、ベネズエラは中南米で最も強い反イスラエル的な立場を鮮明にしました。
  • 代わりにイラン・シリア・パレスチナ自治政府などと緊密化しました。

2. 米国の「イスラエル保護」との衝突

米国においてイスラエルは戦略的パートナーであり、国内政治でも強いロビー(AIPACなど)が存在します。

中南米で公然と反イスラエルを掲げ、イランと結びつく国は、米国政治では「二重に危険視」されやすい。

  • ① イランとの連携 → 核・テロ支援国家の文脈
  • ② イスラエル否定 → 米国政治エリート層に受け入れられない

3. 実際の影響度

ただし、米国がベネズエラに経済制裁や「政権転覆」圧力を加えている主要因は、やはり 石油利権・地政学的覇権・ドル体制です。

反イスラエル姿勢は「対立を深める要素」であっても、それ単独で制裁や敵視政策の根拠にはなっていません。

言い換えれば「イラン・シリアと結んで反イスラエルを掲げる」ことで、米国にとっての「不良国家リスト」に載る確度が一層高まった、という補強的要因です。

まとめ

  • ベネズエラの反イスラエル姿勢は、米国が敵視する理由の一部であることは間違いない。
  • しかし、それは 石油・覇権・ドル防衛といった主要要因に“付随する”形で強調されている。
  • 「イランと組み、反イスラエル・反米連合を作ろうとした」という構図が、米国の対ベネズエラ強硬路線をさらに正当化している。

前トランプ政権におけるベネズエラへの嫌がらせ(2017)

数年前でしたが、ベネズエラ人民に食べるものもないと報道されたことがありました、米国はこれをベネズエラ政府の政策のせいと非難しました。この概要をお願いします

はい、その件は「ベネズエラの人道危機」として国際的に大きく報道されました。概要を整理します。

1. 危機の背景

  • 経済構造の偏り
    ベネズエラは石油収入に国家財政の約9割を依存しており、輸入品で国民生活を賄っていました。
  • 原油価格の暴落(2014年以降)
    国際的な原油価格の下落により国家収入が急減。輸入に必要な外貨不足が発生しました。
  • 政府の政策
    為替管理によるドル不足
    価格統制(食料や必需品を安値で固定)
    → 生産意欲が落ち、闇市場が拡大。
  • インフレ・ハイパーインフレ
    紙幣が急速に価値を失い、食料や医薬品の購入が困難に。

2. 米国の制裁と影響

  • 制裁強化(2017年以降)
    トランプ政権下で石油取引や国際金融へのアクセスを制限。
  • 結果
    輸入がさらに困難に
    食料・医薬品の供給が急減
    国民生活に深刻な打撃
    米国は「マドゥロ政権の腐敗・失政が原因」と主張。

一方、マドゥロ政権や支援国(ロシア・中国・国連の一部)は「制裁による経済封鎖が人道危機の主因」と反論しました。

3. 国民生活への影響

  • 飢餓と栄養不足
    国連報告では、人口の3分の1以上が十分な食料を得られない状態に。
  • 医療崩壊
    薬品・機材不足で病院が機能不全。
  • 難民化
    500万人以上の国民が国外(コロンビア、ブラジル、チリなど)に脱出。

4. 国際社会の対応

  • 米国・一部欧州諸国 → マドゥロ政権打倒を狙い、制裁継続。グアイド暫定大統領を支持。
  • 国連・赤十字・一部NGO → 食料援助を試みるが、政権側が「軍事介入の口実」と警戒し拒否する場面も。
  • ロシア・中国 → マドゥロ支援を継続し、対米対立の一環として利用。

まとめ

  • 食糧不足・人道危機は事実。
  • 原因は二重構造:
    政府の価格統制・通貨管理・石油依存政策の失敗
    米国の経済制裁による外貨封鎖と輸入困難化
    双方が「相手のせい」と主張し合い、国民が最大の被害者となった。

ということで、トランプもまた歴代大統領と同じく米国の伝統に則って正しく「米国に気に入らない国」に対する嫌がらせを継続しているというわけです。

で、特に2017年の危機の際には、ふだんはトランプが嫌いな主流派メディアも「ベネズエラ政府の失策」として報道していたと思います。

要するにですね、トランプは嫌いだけど、その米国覇権維持行動になると、途端に「サポート報道」するのが主流派メディアということですね。

かなり削除されていますが、前回危機のあたりのベネズエラに関する字幕付き動画がこちらにあります。

 

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