シリアを諦めない米国の執着とデタラメぶり

シリアを侵略することは、ウェスリー・クラーク将軍が告白していたように、米国の長年の悲願であり、紛争が落ち着き、ロシアが退いてからも一向に諦めようとしませんね。

今回は、アサドが自国民に塩素ガスを使ったといって非難しているんですが、その情報ソースというのが、例によってシリア人権監視団とホワイトヘルメットのみ。さらに、攻撃が起こった一日後には早々と「アサド政権によるもの」と結論付けたそうです。

さらには、ティラーソンは、これまでのシリア内での殺戮はすべてロシアに責任があると言い出し、国連安全保障委ではニッキ・ヘイリーがいつもの通り、ロシア側と激突。偏りの無い調査というロシア側提案は絶対に受け入れないとつっぱねているそうです。

2017年4月の化学兵器攻撃については、昨年秋に「アサドのしわざ」との結論が出たのですが、これにしても、調査団は現場にもいっておらず、同じく、たしかシリア人権監視団だかホワイトヘルメットだかにサンプルを送ってもらってそれを「調査」したのだそうです。

もちろん、これもはなから結論ありきなんですね、この化学兵器攻撃なるものの2,3日後には早々とトマホークを50,60発シリアの空軍基地に向かって発射してますからね。アサドの仕業でないと非常に困ったことになります。結論は最初から決まってます。

その一方で、米国と連合軍はラッカ陥落前に、ラッカを徹底的に破壊。多数の死傷者を出したほか未だに国連が「市の8割は使い物にならない」と言っているそうな。

こちらでは、ハードコアな戦士と戦うためといって、多数の市民を巻き添えにし、あちらでは、もう正体バレバレ団体からの情報だけで「アサドが自国民を殺した」などと大げさに宣伝するデタラメぶりです。

いや、これはかなりテキトーに見ていっても、米国の目論見というのは馬鹿にでもわかることなんですが、脳死状態のプロパガンダ拡散マシンでしかない米国メディア、日本メディアでは一切報道しません。

ごくたまーに、奴隷日報、もとい読売新聞などでもアサドのことが書かれてたりするんですが、悪の化身金正恩と同列に語られていたりするのには閉口です。しかし、米国の悪どいやり口の現実を知れば知る程、彼が悪の化身には見えなくなってきましたけどね。

この件を唯一報道しているテレビあるいは動画としては、私の知る限りではRTしかないですね。米国のオルタナメディアもめったに取り上げません。日本のウェブサイトとしては櫻井ジャーナルくらいですかね。ここは、かなりの部分でRTの報道と一致するので、信頼できるサイトかと思います。しかし、文字ばかりで、しかも全く知らない話がいきなり出てきたり、歴史的背景が長々と説明されてたりするので、読むのが若干苦痛になったりするんですけどね。

しかし、まー、これをいつまで続けられると思ってるんですかね。私のようなジャーナリストでも無く、報道にも関わったことの無い人間がここまで見抜いているんですけどね。一体この先どうするつもりなんでしょう?そして、その「崩壊」が起こったとき、日本の御用メディアはどう報道するつもりなのでしょう?

コメント