ダイレクト出版さんが、またまた安く出していたので買ってみました。タイトルは長いです。
「謀略・洗脳・支配」世界的企業のテロ対策のプロがあかす 知ってはいけない「世界の裏側」
丸谷元人
ダイレクト出版さんからは一銭ももらってません。まぁ、前回の藤井厳喜さんについては「全然だめー」という評価をしましたし。そもそもこちらの本は41ページという短さのPDFのダウンロード販売で100円位なので、アフィリエイトとかはありえないです。
何にしても、ダイレクト出版さんは(批判する人もいますが)、最初は安く売ってくれるので、お得です。前回の本と一緒に入ってる藤井厳喜さんのセミナーだかなんだかの数万円だか十数万円だかのチラシは「ふざけんなよ」と思いましたが。
丸谷元人さんの方は総じて悪くないです。この値段なら読んでみる価値はありますし、字幕大王には無い情報もたくさんあり、「そうだったのか!」と膝を叩くこともありました。まぁ、本家「そうだったのか!」に比べれば、はるかにマシでしょう、彼には何も無いですから。しかし、総じて字幕大王の動画を見た方が世界のことはわかります、手前味噌ですみませんが。
「国がそんなひどいことをするわけがない」
丸谷氏が序文で述べていることです。彼の知っている話をすると、「国がそんなひどいことをするわけがない」と言われるんだそうです。
極論を言えば、どの国も結局のところ”自国の国益が全て”であり、そのためならどんなことでもやるのが国際社会というもの。これが世界の現実なのです。
というんですが、ここのところの洞察がありません。これは多くのウヨクの方々も全く同様なんですが、
国益とは何かの定義がありません。そこで思考停止しているんです。
これは宗教だからです。教祖様の言うことをオウムのように繰り返すのが宗教の特徴です。この宗教の信者を見破るのは簡単です、やたらに国益という言葉を使うからです。そして、その定義はありません。
これは国民の利益ではないんですね。彼はここを明確にしていませんし、むしろ曖昧にしてます。読んでいけばわかるんですが、彼の言う国益というのは、一部の企業の利益に過ぎず、国民の利益、国民の幸せではないんですがね。
帝国主義的なといいますか、戦後のアメリカの世界支配というのはこういうものであって、もし日本が仮に第2次大戦で負けずに巨大な帝国を築いていたとしたら、もしかしたら、自分の国益もしくは利益を守るために、他国に対して似たようなことをやったかもしれないですよね。
ここ推測にすぎません。彼らのモチベーションがまるでわかってないので、「どちらも同じことをやる可能性がある」にとどまってしまっています。
おしい!もう一歩です、丸谷さん
もう一歩なんですよ。そこをもっとつっこんで行けば、あなたにもわかるはずです。
そしてもう一つ、この世を支配するのは何なのかという話です。
….
私自身は、これは武器でも政治力でも、それから平和でも正義でも何でもなく「通貨」だと思っております。
そこまで気がついたのであれば、もう少し勉強してください。いくらでも、素材は転がっております。
米ドル基軸を崩そうとすると、こういう悲惨な最期が待っているというのが現実なのかも知れないなと思っております。
「知れないな」ではなく、どうもそうらしいですよ。非常におしいです。
いまや、ネット上であちこちの陰謀論者が銀行制度やらロスチャイルドやら何やら、はてはそのトップ近くにいたロナルド・バーナード氏が告白したり、米国影の政府をケビン・シップ氏が告発したりしております。検索すればいくらでもありますので、お調べください。
「国境なき医師団」創設者とテロリストの黒い関係
これはなるほどと思いました。興味がある方は読んでみてください。なるほどー、そういうわけだったのか。やはり、いかがわしい団体なんですね。素直に関心しました。もちろん、「国境なき記者団」なんてのもいかがわしいんですけどね。それと遺骨収集部隊の話も興味深いです。
考えてみてください。戦没者の遺骨を探し出してご遺族に返還しようとする動きは、非常に人道的なものですから、誰も反対、ノーと言えないんです。~それによって、彼らは世界各地に入っていけるわけです。
まぁ、慈善団体というのは、どれもこれもいかがわしいものであることが、やっと最近、私にもわかってきました。最近では、シリアのホワイトヘルメットとかシリア人権監視団とかいう似非慈善団体ですね。
彼らはシリア内で人道援助をしていると称していますが、ここ最近の活動としては「アサドが住民に塩素ガスを使って殺害した!」と報告する役割です。お気楽なニュースメディアが、「ホワイトヘルメットによりますと」とか「シリア人権監視団によりますと」などと、米帝国のプロパガンダを何の疑問も持たず垂れ流してるんです。確認のしようがありませんが、おそらくはウソでしょうね。確認のしようが無いところがミソなんです。そもそも「人道的団体」と称されるところが騙しの手口なんですから。
これは身近でもよくある詐欺の手口を国際的に大規模にしただけなんです。
「9.11同時多発テロ」とそれを暗示していた映画
丸谷さんは、ちゃんとウェスリー・クラーク将軍による米国が侵略する予定の7つの国の話しも書いてます。ここポイント高いです。しかし、9/11については、
アメリカの場合、防衛体制をしっかりするためには、新しい真珠湾のような事件がもう1回必要だと言っているわけなのです。でも、真珠湾は自分で作るものではないですよね、本来、こっちから先に手を出すんじゃなくて、誰かが来てくれなければ困るわけなんですよ。日本の真珠湾も日本が来てくれたおかげで、向こうは手ぐすねを引いて待っていたという真相があると思いますけれども、つまり、常に誰かに先に手を出させてやらなければいけないと。
すごく大雑把な書き方ですね。何か奥歯に物がはさまってるみたいです。そして、9/11の真相については言及してません。トンキン湾事件にも言及していますが、これはもう明確に「米国自身のやらせ」とわかっているのですが、言いません。
何かしら曖昧にごまかしてますね。そして、「防衛体制をしっかりするため」なんだそうです。その前にクラーク将軍の話しを出しながら、それとのつながりは無いんですね。そしてなぜか、ラーメン屋で9/11事件のビルを見ていたなどという話をしてます。このあたり核心にせまるような情報は何もありません。一般の皆様の知らないような話しを散りばめてみただけです。
例えば戦争をしている国々があるとしたら、そこのある国に対して、武器を売っている会社と、それから別の国、もしくは組織に対して資源を与えている、もしくは武器を与えている会社の株主が両方同じ銀行であるとかですね。そうなると、儲かってしまうという話なんですね。
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こういう話をすると、みんな「じゃあ、あの会社は悪い会社だ。こっいはいい会社だ。」というようなことをみんな言うんですが、これはいい悪いの話ではもはやないということなんです。世界では国益のために、企業の利益のために、当たり前のようにこういうことを行うものなんだよ。という事実を直視しないといけないというわけなんです。
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これは善悪の問題ではありません。これが現実なんだということなんです
ね。こういうことがあるどうかは、どの程度あるかどうかは別にして、国益という視点から見ればあり得るんだということを考えていただきたいということです。
出ました、ここです。戦争から銀行が儲けていることを指摘し、国益のため、企業の利益のために当然やっているという事実がある、というんですが、その先の考察はありません。自分の見た範囲のものを自分なりに解釈されてるだけで、知らないことを調べて点と点をつなげようという姿勢がこの人には無いんです。
個人がどうやっても見れない部分というものは出てきます。すべてを自ら確認することはできません。それをするためには広い範囲の情報をあさることが必要です。ここが無いので、いつまでもその先に進めないんです。
しかも、「善悪の問題ではない」んだそうです。ということは、彼には当然善悪の判断規準があるはずなのですが、それはどういうものなのでしょう?彼の話で一貫していることは、企業の金儲けのためということです。そのために紛争起こしたり、戦争起こしたり、侵略したりということですよね?これって悪じゃないんでしょうか?
日本国内で何らかの企業が儲けのために、ウソをついたり不正をしたりすれば、マスコミに叩かれますが、世界ではそうではない。それを善悪の問題では無いというんです。なぜ国内基準と国際基準とが異なるのでしょう?
基本的に日本人には法律になど言われなくとも、「これはやってはいけないことだ」とわかっていることがあります。国内ではそうですね。しかし、国際的なことになると、国益のためとか、善悪の問題ではないと思考停止するんです。これは一体どういうことなのでしょう?
私の大胆な仮説としては、こういう方々が日本人のモラルを堕落させてると思いますね。「国際的には通用しない、国際的には善悪の話にはならないんだ」と言うわけです。これって堕落では無いんでしょうか?
総評
あちこちには、私の知らなかった興味深いお話もありますし、普通の人が知らないようなことがたくさん書いてあります。しかし、それらの点と点を結び付ける作業をされていないがため、筋の通らない散漫な印象です。
ただ、「こんなことがある」「あんなことがある」と言うだけで、そういった事件の理由は、一言だけ「その国の国益」で「善悪ではない」んですね。再度言いますが、こういう方々はそこで思考停止してしまっているんです、そこから踏み出そうとしません。
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