翻訳誓約書(草案)

草案です。

 


 

「What really makes you ill?(病気の真の原因)」日本語翻訳作業について、以下誓約します。

本書は、文学作品とはほど遠い、いわば技術文書に近いものです。つまり、原著の文章は、「読む者により様々な解釈が可能」ではなく、「誰が読んでも同じ意味にしかとれない」、または「そうでなくてはならない」性質のものです。

この種の書物の翻訳では、その翻訳者の人生観や世界観その他にその日本語訳が左右される部分は基本的に存在しません。その翻訳に依存して読者に伝達される意味が異なることはないはずです。このような文章の翻訳は、単純に、英語としての意味を汲み取れるか、それを的確にわかりやすい日本語に変換できるかとの問題に過ぎません。

また、当然ですが、言葉を発した者の人生観・世界観までも掘り下げる必要も一切ありません。もし、仮に原著文章にそうした部分まで切り込まねば本当の理解に至らない点があるとすれば、それは原著者の責任に帰すべきものであり、訳者の責任では一切ありません。それが技術的文章というものです。このような点について、訳者は労力を使うべきではありません。

したがって、この書籍の翻訳者としての私は、その個人的な好みや人生観・世界観に左右されることなく、いわば、機械的な翻訳に徹することになります。

もし仮に、原著の文章に文学的表現傾向が見られるなど、それに対する多彩な日本語表現が考えられる場合、あるいは、他翻訳者であれば、異なる文意になると予想される場合には、他関係者に必ず相談するものとします。

なぜなら私は、そもそも文学作品翻訳者では無く、そのような訓練も経ていないからです。勝手な翻訳は行わないものとします。

原著は著者が10年の歳月をかけた労作であり、その労力を尊重する意味でも、日本語訳にあたっては、著者の意図を一切捻じ曲げることなく、そのまま日本語に変換することが理想です。これに沿えない可能性のある場合は、やはりその旨関係者に相談することになります。

翻訳者は黒子に徹しなくてはならないのであり、訳書は翻訳者の「もの」ではありません。この種の書籍の場合、翻訳者は機械的な翻訳マシンの役割でしかないのです。

以上を確認し、誓約いたします。

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