フラットアーサーの愚かさ(82):詐欺師デュベイによる「南半球で北極星が見えない理由」

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この記事の三行要約

  • デュベイは「遠近法で北極星は低くなって見えなくなる」と主張しながらも具体的な数値を示さない。札幌を基準にした平面地球モデルの計算では各地の北極星仰角が実測値と大きく一致しない。
  • 特に赤道付近では、平面地球モデルは北極星の仰角を約23.4°と予測する一方、現実には約0°で観測されることから、この「遠近法による説明」は成立しない。
  • さらに、デュベイによる星座の可視範囲を根拠とした平面地球論は、球体地球の仕組みへの理解不足と論理破綻に基づくプロパガンダである。 

平面詐欺師エリック・デュベイ(Eric Dubay)によるツッコミどころ満載の馬鹿げた書籍『Flat Earth FAQ』から、第8章『Why isn’t Polaris Visible from Australia?(オーストラリアから北極星が見えない理由)』です。

この詐欺師の議論で致命的なことは、具体的な数字が一切ないことです。常にぼやっとした議論でごまかします。そして、頭の弱い平面信者はすぐに騙されてしまうようです。

北極星が南半球で見えなくなる理由〜遠近法

こう説明しています。

The fact of the matter is that all stars positioned North of a southbound traveler gradually decline overhead the farther the observer travels southwards, just as all stars positioned South of a northbound traveler gradually decline overhead the farther the observer travels northwards.

しかし実際には、南へ向かって移動する観測者に対して北側にある星々は、南へ進めば進むほど次第に低く見えるようになる。同様に、北へ向かう観測者に対して南側にある星々も、北へ進むほど次第に低く見える。

This phenomenon has absolutely nothing to do with the supposed curvature of a globe and everything to do with the Law of Perspective which dictates that the angle and height at which an object is seen diminishes the farther one recedes from the object, until at a certain point the line of sight and the seemingly uprising surface of the Earth converges to a vanishing point (in this case the horizon line) beyond which the object becomes invisible.

この現象は、球体地球の曲率とはまったく関係がなく、すべては遠近法の法則によるものである。これによれば、物体から遠ざかるほど、その物体の見える高さと角度は小さくなり、やがて視線と一見して盛り上がって見える地表とが消失点(この場合は地平線)で一致し、それより先では物体は見えなくなる。 

もはや古典的な嘘です。

こんなものは既に、日本では江戸時代に伊能忠敬によって論破済みです。伊能忠敬『仏教宇宙観の誤り』(3)を参照のこと。ここで登場する円通もまた、いわゆるフラットアーサーで、仏教的宇宙観(須弥山説)という愚にもつかない平面説を流布しようとしていた人物です。

詐欺師デュベイや円通に共通するのは、「離れるほどに低く見えるのだ」という定性的な議論でごまかすだけなのですが、それは「おっしゃる通り!」です。しかし、彼らの詐欺手法としては、数字が一切出てこないことです。数字を出すとすぐさま嘘が発覚するからなんです。

北極星の場合を考えてみれば、実際の北極星の仰角は、北極星高度と観測地点の北極からの距離から予測される(平面地球を仮定した場合の)角度とはまったく一致しません。つまり、遠近法は成立しません。「遠近法(Law of Perspective )」という言葉を出していること自体が大嘘です(厳密には「遠近法」よりも「透視投影(perspective projection)による幾何学」)。

この嘘の発覚を恐れて、デュベイは一切の数字を出せないのです。

北極星については、フラットアーサーの愚かさ(10):北極星を例とする論理破綻など、何度も書いてきましたが、再度、AIに計算させてみましょう。

地球が平面だとして、札幌での北極星仰角をもとに北極星高度を算出してください。 

平面地球モデルでは、札幌で観測される北極星の仰角(43.06°)を用いると、北極星の高度は約4,890 kmとなります。

北極・札幌間の距離と、札幌での北極星仰角値(理論値だが、観測すれば間違いなくこの値)から単純な三角関数で「平面地球での」北極星高度は求められます。ということで、仮に北極星高度を4890kmとしておきましょう。

では、平面地球において、北極星高度を4890kmとし、アンカレジ、札幌、那覇、マニラで期待される北極星高度を計算してください。これらの値は、遠近法から当然導かれる値ですね?

地点 緯度 北極までの距離 (km) 平面地球で期待される北極星仰角
アンカレジ 61.2°N 約3,203 km 56.8°
札幌 43.1°N 約5,224 km 43.1°
那覇 26.2°N 約7,101 km 34.6°
マニラ 14.6°N 約8,394 km 30.2°

札幌を基準として北極星高度を決めると、各地における北極星の仰角は上のようになるはずです。図示するとこんな感じです。たしかに遠ざかるほど、低く見えるはずですね!

ところが!

次に、平面地球において期待される値と現実世界での実測値(理論値)の比較表を作ってください。

地点 緯度=実測値(理論値) 平面地球で期待される仰角(H=4890 km)
アンカレジ 約61.2° 約56.8° −4.4°
札幌 約43.1° 約43.1° 0.0°
那覇 約26.2° 約34.6° +8.4°
マニラ 約14.6° 約30.2° +15.6°

ご覧の通りまるで一致しません。実測値は理論値ですが、実際に観測すれば、間違いなくこの値になるはずです。つまり、

現実世界では遠近法は成立しない!

のです。これは動かしようのない観測事実です。そもそも、観測地での北極星仰角から北極星高度を求められはしないのです。実際に各地での仰角から高度を求めようとすると、次になります。

そして、極めつけは赤道付近です。現実には、赤道付近で北極星を仰角0°程度で観測できますが、「詐欺師による平面説の遠近法」なるものではどうなるでしょうか?

先の平面地球での北極星高度を前提とし、赤道付近での仰角を求めてください。

答え:26.0°

まるで一致しませんね。デュベイの説明「すべては遠近法の法則によるものである。これによれば、物体から遠ざかるほど、その物体の見える高さと角度は小さくなり、やがて視線と一見して盛り上がって見える地表とが消失点(この場合は地平線)で一致し、それより先では物体は見えなくなる 」は、まったくの嘘であることがわかります。

遠近法が成立するなら、北極星は赤道付近から仰角26.0°で観測できなければなりませんが、現実にはそうなりません。これらは

少なくとも平面説が誤りであることの決定的証拠である

のです。詐欺師デュベイは、「ふわっとした」議論で読者を騙そうとしているだけなのです。

北極星が低くなり見えなくなる現象は平面地球の証明???

さらに先の説明を見てみましょう。こんなことが書いてあります。

Furthermore, globe earthers always mention visibility issues specifically with Polaris because it can only be seen by observers North of the equator which could seemingly fit their narrative of disappearing due to curvature. Many other stars and constellations, however, are visible for a much wider spectrum of observers, far beyond what would be possible on a globe. For instance, Ursa Major, very close to Polaris, can be seen from 90 degrees North latitude (the North Pole) all the way down to 30 degrees South latitude.

さらに、球体地球説の支持者は、北極星は赤道より北でしか見えないため、曲率によって隠れるという説明に都合が良い例として、いつも北極星ばかりを取り上げる。しかし実際には、多くの恒星や星座は、それよりはるかに広い範囲から観測でき、球体地球では説明できないほど広い可視範囲を持っている。例えば、おおぐま座は北極星のすぐ近くにあるが、北緯90度(北極)から南緯30度まで見ることができる。

The constellation Vulpecula can be seen from 90 degrees North latitude, all the way to 55 degrees South latitude. Taurus, Pisces and Leo can be seen from 90 degrees North all the way to 65 degrees South. Aquarius and Libra can be seen from 65 degrees North to 90 degrees South. The constellation Virgo is visible from 80 degrees North down to 80 degrees South, and Orion can be seen from 85 degrees North all the way to 75 degrees South latitude! Observers on a ball Earth, regardless of any supposed tilt or inclination, should not logically be able to see this far, and once again rather than the declination of the Pole Star proving the globe, it provides yet more evidence that Earth is a stationary level plane. 

こぎつね座は北緯90度から南緯55度まで観測できる。おうし座、うお座、しし座は北緯90度から南緯65度まで見える。みずがめ座とてんびん座は北緯65度から南緯90度まで観測できる。おとめ座は北緯80度から南緯80度まで見え、オリオン座に至っては北緯85度から南緯75度まで見ることができる。球体地球の上では、地球の傾きや傾斜をどのように仮定したとしても、これほど広い範囲から同じ星座が見えることは論理的にあり得ないはずである。したがって、北極星が低くなって見えなくなる現象は、球体地球を証明するどころか、地球が水平で静止した平面であることを示す、さらなる証拠なのである。

訳のわからないことを言っていますね。この詐欺師の頭の中がどうなっているのか、私には想像がつきません。

「球体地球の上では、地球の傾きや傾斜をどのように仮定したとしても、これほど広い範囲から同じ星座が見えることは論理的にあり得ないはずである。」は意味不明です。「敵である球体説」を、まるで理解できていないとしか思えません。

仮に球体説が誤りだったとしても、その理屈くらいはちゃんとお勉強しておきましょうね。

「したがって、北極星が低くなって見えなくなる現象は、球体地球を証明するどころか、地球が水平で静止した平面であることを示す、さらなる証拠なのである。」も意味不明です。というより論理破綻しています。

  • 北極星が低くなって見えなくなる→地球は水平で静止した平面である

さきほど見たように、この「水平で静止した平面」なるものの上において遠近法は一切成立していません。

詐欺師デュベイの詐欺手法

総じて、デュベイの議論というのは、具体性がなく、ふわっとしており、馬鹿なのか故意なのかわかりませんが「敵である球体説」も理解できておらず、結局何の意味もなしていないのです。頭の弱い人向けのプロパガンダでしかありません。

 

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