フラットアーサーのトンデモはこちら、詐欺師エリック・デュベイについてはこちら
この記事の三行要約
- エリック・デュベイの南半球の星の説明は、150年前のロウボサムの主張をほぼそのまま繰り返しただけであり、南半球で観測される星の日周運動をまるで説明できていない。
- ロウボサム自身も南半球で観測したことはなく、伝聞を根拠に「南極星も南天の周極星座も存在しない」と断言し、自説に反する観測は証拠として認めないと宣言している。
- 「自分で観察しろ」というゼーテティック(経験主義)を掲げながら、彼らは観測事実を否定しており、その方法論と主張は完全に矛盾している。
平面説においては、南半球の星空を説明することはできません。何をどうしようが観測事実と合致することは絶対にないのです。この件は、フラットアーサーの愚かさ(15):平面説が成立しえない最大の観測事実(たぶん)に書いていますが、あまりに明らかであって、平面信者がどんな言い訳を持ち出そうが無理です。
簡単に言えば、平面地球では南の方向が場所ごとにまったく違っており、例えば、オーストラリアと南アメリカの人では「真南」がまるで真逆です。しかし、観測事実として、彼らはそれぞれ真南の空の一点を中心に星がぐるぐる回転するのを見ているのです。
もちろん、これはこの二つの場所に限りません。ほんの少しでも東西方向がずれれば、真南の方向が異なるのに、やはりどこでも「真南の空の一点を中心に星がぐるぐる回る」ことが観察できるわけです。物理的にありえません。
つまり、南半球ではどこでも同じ星空を見ているはずなのに、方向がまったく違います。しかし、なぜかどの場所でも真南の空の一点を中心に星がぐるぐる回っているのです。
それではここで、大御所の方にご登場願いましょう!絶対にこの疑問を解消してくれるはずですよね!?
詐欺師デュベイの説明
いつも通り、平面詐欺師エリック・デュベイ(Eric Dubay)によるツッコミどころ満載の馬鹿げた書籍『Flat Earth FAQ』から、第26章『 How Do the Southern Stars Work on Flat Earth?(平面説での南の星々の仕組み)』です。
あまりのデタラメさを笑っていただけるよう本当は全文を引用したいのですが、著作権の関係で無関係な戯言はカットします。実際、この章の前半は北極星、北半球、自転する球体ではないという説明です。
(省略)
but conversely cannot see the so-called South Pole Star -Sigma Octantis, the Southern Cross or
other outer constellations simultaneously from every point South of the equator, because they all sweep over a great southern arc from their rise in the evening to their setting in the morning. Facing North, the stars turn counter-clockwise, from right to left, facing South they turn clock-wise, from
left to right, facing East they rise in front and set behind, while facing West they rise behind and set in front. So their apparent motion, angle and inclination changes depending where you are on Earth and what direction you are facing, but their actual movement is always East to West.しかし逆に、いわゆる南極星(シグマ・オクタンティス)や南十字星、その他南天の外側の星座は、赤道より南のすべての地点から同時に見えるわけではありません。なぜなら、それらは夕方に昇り、明け方に沈むまで、南の大きな弧を描いて移動するからです。
- 北を向けば、星は右から左へ反時計回りに動きます。
- 南を向けば、左から右へ時計回りに動きます。
- 東を向けば、前方から昇り、後方へ沈みます。
- 西を向けば、後方から昇り、前方へ沈みます。
つまり、星の見かけ上の運動や角度、傾きは、観測者が地球上のどこにいて、どちらを向いているかによって変化しますが、実際の運動は常に東から西です。
“Another thing is certain, that from and within the equator the north pole star, and the constellations Ursa Major, Ursa Minor, and many others, can be seen from every meridian simultaneously; whereas in the south, from the equator, neither the so-called south pole star, nor the remarkable constellation of the Southern Cross, can be seen simultaneously from every meridian, showing that all the constellations of the south–pole star included–sweep over a great southern arc and across the meridian, from their rise in the evening to their setting in the morning. But if the earth is a globe, Sigma Octantis a south pole star, and the Southern Cross a southern circumpolar constellation, they would all be visible at the same time from every longitude on the same latitude, as is the case with the northern pole star and the northern circumpolar constellations. Such, however, is strangely not the case; ”
「もう一つ確実なことがある。赤道より北では、北極星や、おおぐま座・こぐま座など多くの星座は、すべての経線上から同時に見ることができる。しかし南半球では、赤道以南において、いわゆる南極星や、著名な南十字星座は、すべての経線上から同時に見ることはできない。これは、南半球のすべての星座――南極星を含め――が、夕方に昇ってから朝に沈むまで、南の大きな弧を描きながら子午線を横切ることを示している。しかし、もし地球が球体であるならば、シグマ・オクタンティス(南極星)や、南天の周極星座である南十字星は、北極星や北天の周極星座と同様に、同じ緯度であれば、すべての経度から同時に見えるはずである。しかし実際には、そのようにはなっていない。」―― サミュエル・ロウボサム『Zetetic Astronomy: Earth Not a Globe!』286ページ
これで終わりなのです、本当です。まるで説明になってませんね。説明の後半はなげやりに、またもロウボサムの引用です。そして、このロウボサムの主張は観察事実とまるで一致しません。
特に、「周極星座」の意味なのですが、これは星座それ自体のことではなく、観測者から見て一年中沈まない星座のことです。例えば、同じおおぐま座であっても、英国、日本では周極星座、赤道付近では沈んでしまうため、周極星座ではありません。
その後ロウボサムは何と書いていたのか?
まず、デュベイが引用しているロウボサムの著作は次のようなものです。
- 著者:Samuel Birley Rowbotham(筆名 Parallax)
- 書名:Zetetic Astronomy: Earth Not a Globe
- 版:Third Edition, Revised and Enlarged(第3版・改訂増補版)
- 出版年:1881年
- 出版地:ロンドン
- 出版社:Simpkin, Marshall, and Co.
以下で全文が読めます。

以下では、デュベイが引用した後の、この書籍の288ページ終わりからの部分を引用してみましょう。適宜つっこみを入れてみます。
The points of certainty are the following:–
確実に言えることは、次のとおりである。1st.–Wherever the experiment is made the stars in the zenith do not rise, culminate, and set in the same straight line, or plane of latitude, as they would if the earth is a globe.
第一。どこで観測を行っても、天頂付近の星は、もし地球が球体であるならばそうなるはずのように、同じ一直線上、あるいは同一の緯度面に沿って昇り、南中し、沈むことはない。※この部分の意味はよくわかりません。
2nd.–The Southern Cross is not at all times visible from every point of the southern hemisphere, as the “Great Bear” is from every point in the northern, and as both must necessarily and equally be visible if the earth is globular.
第二。南十字星は、北半球のどこからでもおおぐま座(Great Bear)が見えるのとは異なり、南半球のあらゆる地点から常に見えるわけではない。しかし、もし地球が球体であるならば、両者は必然的に、そして同じように、どこからでも見えるはずである。※これは大嘘。おおぐま座は英国では一年中見えるが、赤道付近では常に空にあるわけではありません。南十字星もまったく同じ状況です。
In reference to the several cases adduced of the Southern Cross not being visible until the observers had arrived in latitudes 8°, 14°, and 16° south, it cannot be said that they might not have cared to look for it, because we are assured that they “had long wished for it,” and therefore must have been strictly on the look out as they advanced southwards. And when the traveller Humboldt saw it “the first time” it was “strongly inclined,” and therefore low down on the eastern horizon, and therefore previously invisible, simply because it had not yet risen.
また、南十字星について、観測者が南緯8度、14度、16度に達するまで見ることができなかったという複数の事例について、「彼らは探そうとしなかっただけだ」と言うことはできない。なぜなら、彼ら自身が「以前から長い間、その星を見たいと願っていた」と述べているのであり、南へ進むにつれて注意深く探していたに違いないからである。さらに、旅行家フンボルトが南十字星を「初めて見た」とき、それは「大きく傾いていた」と記録している。つまり、それは東の地平線近くという低い位置にあったのであり、それ以前には単純にまだ昇っていなかったため見えなかったのである。※完全な伝聞ですね。
3rd.–The earth is a plane, with a northern centre, over which the stars (whether fixed in some peculiar substance or floating in some subtle medium is not yet known) move in concentric courses at different radial distances from the northern centre as far south as and wherever observations have been made.
第三。地球は北を中心とする平面であり、その上空を星々が(ある種の特殊な物質に固定されているのか、あるいは微細な媒質の中を浮遊しているのかは、まだ分かっていないが)北の中心から異なる半径をもつ同心円軌道に沿って運動している。このことは、南方で観測が行われたあらゆる地域においても成り立つ。※観測事実と一致しません。もしロウボサムの言う通りであれば、南半球のどこに行っても、その真南の空の一点を中心に星が回ることはできません。常に東から西に星が流れていくはずです。
The evidence is the author’s own experiments in Great Britain, Ireland, Isle of Man, Isle of Wight, and many other places; the statements of several unbiassed and truthful friends, who have resided in New Zealand, Australia, South Africa, Rio Janeiro, Valparaiso, and other southern localities, and the several incidental statements already quoted.
その証拠としては、著者自身がイギリス、アイルランド、マン島、ワイト島その他多くの場所で行った実験、さらにニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、リオデジャネイロ、バルパライソその他南半球各地に居住した、偏見のない誠実な友人たちの証言、ならびに前述したさまざまな付随的証言がある。※ここで言う「著者自身の実験」とは、すべてイギリス諸島各地でのものです。つまり、彼は「自分の目」で南半球の星を見たことがないのです。伝聞でしかありません。ここがとても重要で、ロウボサムのインチキぶりの証明でもあります。
4th–The southern region of the earth is not central, but circumferential; and therefore there is no southern pole, no south pole star, and no southern circumpolar constellations; all statements to the contrary are doubtful, inconsistent with known facts, and therefore not admissible as evidence.
第四。地球の南方地域は中心ではなく外周部である。したがって、南極というものは存在せず、南極星も存在せず、南天の周極星座も存在しない。これに反するすべての主張は疑わしく、既知の事実とも矛盾しているため、証拠として採用することはできない。※「南極星と南天の周極星座が存在しない」は、観測事実とまるで一致しません。さらに「この結論に反する主張は証拠として採用しない」と宣言しています。要するに、都合の悪いことは見ないと言っているだけです。
自説に不都合な観察は認めない「経験主義」
そもそも、書名が『Zetetic Astronomy: Earth Not a Globe(ゼーテティック天文学:地球は球体ではない)』となっていますが、Zetetic(ゼーテティック)とは何でしょうか?
「理論や権威ではなく、自分自身の観察と実験から結論を導く方法」です。つまり、 学者(権威)が数学や理論から球体と主張するに対し、「私自身が観察し、実験して結論を導く方法である」というわけです。つまり、経験主義です。
これは現代の平面信者にも通じる考え方ですね。「NASAや権威は球体だと言うけれども、それは信じない。私自身の経験から平面としか思えないし、私の考えとしては、球体の裏に人が住んでいるわけがない!」というわけです。
ところが、この本でのロウボサムの主張は真逆です。「観察第一」と言いながら、「自分では見たことない」と認めており、さらに「自説に反する観察は認めない」と言うのです。ということは、反証するには、実際にこの男を連れていって自分の目で見せるしかないということなのです。しかし、もう故人なのでそれもできませんか。。。
いくら平面信者でも「南極星も存在せず、南天の周極星座も存在しない」という主張が誤りであることはわかりますよね?
ロウボサムをパクってばかりいるデュベイもよくこの言葉を使うようです。Zetetic Astronomy、Zetetic Method、Zetetic Experiment です。「NASAや教科書を信じるな。自分で観察しろ。」というわけです。
まるで説明になっていない
ところで、最初に私が提示した「南半球の星座についての疑問」への答えは一切得られません。
それどころか、ロウボサムの主張(つまり、デュベイの主張でもある)は、次のようなものであり、観測事実とはまるで一致していないのです。
- すべての星は北極を中心として回っている
- この意味としては、「南半球では、星々は常に東から西に流れていく」
- 南極星や南天の周極星座は存在しない
- この意味としては、「南半球では、星々がその周りを回るような特定の星はないし、常に見えているような星座も存在しない」
すごいですね。「地球は平面である!」を守るために、自分で観察したことでもないのに断言しています。「自分での観察が大事だ、権威を信じるな」と主張しているのに真逆をやっています。
この状況を一体何と表現したら良いのでしょう?あまりにめちゃくちゃで言葉もありません。




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