フラットアーサーの愚かさ(12):平面説オリオン座は存在しえない

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この記事の三行要約

  • オリオン座は北半球では南の空に正立、南半球では北の空に倒立して見えるという観測事実がある。
  • 平面説でこれを説明するには、オリオン座を地球近くの有限距離・赤道上空に置く必要があるが、世界各地で観測事実を再現する配置は難しい。
  • さらに、有限距離にしてしまうと、観測地点ごとにオリオン座が上下に伸縮して形が変わるはずだが、実際にはそのような変形の観測はなく、平面説の説明は成立するはずもない。 

オリオン座の見え方でもフラットアース理論は一発アウトです。

北半球と南半球でのオリオン座の見え方

まず、この理解が必要なのですが、オリオン座は北半球からも南半球からも見えます。ギリシャ神話の狩人「オリオン」に見立てたものです。古代日本では鼓(つづみ)の形に似ているため、鼓星と呼ばれたそうです。

Pegasus constellation in night sky. Hunter Orion from ancient Greek mythology

もちろん、上のイメージは北半球における「オリオン」のイメージで「正立」していますが、南半球からは倒立して見えます。見る角度が逆さまになってしまうからです。

これだけではわかりにくいと思うので、イメージ図を作ってみます。北半球からは南の空に正立で見えますが、南半球からは北の空(逆向き)に見るので、倒立に見えます。

もちろん、地球の自転のためにオリオン座は空を移動していくので、このイメージは南中(北中)時のものです。また、赤道付近では、オリオン座は頭の上に来るので、正立も倒立もないわけです。

この図ではオリオン座が地球のすぐ近くであるかのようですが、実際には、地球から数百〜数千光年の距離があります。

平面説はオリオン座をどこに配置しているのか?

「北半球からは南の空に正立で、南半球からは北の空に倒立」は動かせない観測事実です。では、平面説においては、オリオン座をどこにどう配置すれば良いのでしょうか?

ここで、球体説と同様の「オリオン座はほぼ無限の遠方にある」ことにはできません。そうしてしまうと、世界中すべての場所で、同じ方向に同じ向きでオリオン座が見えることになってしまいます。特に、北半球と南半球で見え方が同じです。これは致命的です。

したがって、オリオン座は有限の距離、というよりも、地球平面上のすぐ近くにあるはずです。そして、当然ですが、オリオン座は赤道付近に配置されねばなりません。日本から南の空に正立で見え、オーストラリアからは北の空に倒立で見えるためには、これ以外の配置方法は存在しません。

ところが、ここで若干の問題が生じます。

日本とオーストラリアの間の赤道上にオリオン座を配置してしまうと、他の南半球の国からは、北の空には見えないし、倒立でもありません。

もちろん、南半球すべての国が同時に夜になるわけではありませんね。南半球すべての国の夜において、北の空に倒立に見えるためにはオリオン座が赤道上を移動することが必要になります。

これでうまく行くのかわかりませんが、この方法しかないことは明らかでしょう。興味のある方は検証してみてください。この件はややこしいので後回しにしました。

オリオン座の構成星の仰角

さて、ここまでで以下の想定しかありえないことがわかります。

  • オリオン座は、地球平面から有限距離の場所にある。
  • 北半球から正立、南半球から倒立に見えるためには、地球平面と平行に並び、赤道上空付近の必要がある。
  • 当然ながら、オリオン座のすべての星は同一の高さに存在する。球体説のように、異なる距離の星々から構成されているわけではない。

ここまで間違いないはずです。

すると、次の問題が発生します。

  • (北半球の場合)各地におけるオリオン座の(南中時の)仰角は計算で出せるし、実測もできる(これらの値は観測場所で異なる)。
  • その仰角で(平面説の)オリオン座を見た場合、オリオン座には見えない事態が発生してしまう。

仰角とは再度、これです。

これ以降では、オリオン座を構成するベテルギウスとリゲルの2つの星に注目し、この2つの星の仰角を使います。

アンカレジにおける「平面説オリオン座」を東京で見ると引き伸ばされてしまう

くどいようですが、平面説では、オリオン座は赤道上空にあり、それを構成するすべての星は地球平面から同じ距離を保っています。この想定の上では、

見る場所によってオリオン座の姿が変わってしまう。上下に引き伸ばされるか、縮んでしまう

という事態が発生します。

球体説では、オリオン座は世界中どこでも同じ形状です(南半球では逆さまですが)。というよりも、それが観測事実です。しかし、平面説のオリオン座は有限距離にあるために、場所によって姿が変わらざるをえないのです。歪んでしまいます。

例えば、アンカレジで正しく見えるようにオリオン座を調整してみましょう。アンカレジにおける2つの星の仰角から、オリオン座がどの場所にどの程度の広がりであるかがわかります。

※この部分は、アンカレジにおける2つの星の仰角からAIが逆算した値です。高度をもっと高くして星の間隔を広げることもできますが、そうすると全体が赤道より南に出てしまい、南半球から倒立に見えなくなります。逆に値を小さくすると、仰角が合わなくなります。

しかし、当然ですが、これを東京で見ると、2つの星の距離が2.08倍も引き伸ばされた形で見えてしまいます。もちろんですが、東京での2つの星の仰角もデタラメになってしまいます。

もちろん、赤道よりの場所では、もっと引き伸ばされます。マニラで見ると、2.53倍になります。

つまり、平面説では、何をどうやっても観測事実と合致するオリオン座を想定できません。「平面説オリオン座」は、どうやっても成立しえないのです。

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