「本当は何があなたを病気にするのか?」上巻内容紹介

「本当は何があなたを病気にするのか?」上巻の内容紹介です。

原著まえがき・目次・第一章の一部

目次と原著の「Amazonサンプル」に相当する部分です。

PDFバージョン(wrmyi-upper)

■原著まえがき「現代医療は根本から狂っている」

□「医師とは、その知識があまり無い薬を、それ以上にわからない病気を治すために、何一つわからない人間というものに処方する者である」

ヴォルテール

▼病気の本質を誤認する現代医療

人間の身体の自然な状態とは良い健康である。

しかし、一生を通じて良い健康を維持することは、むしろ難しいと思われる。

病気は人間の共通経験のようだが、これはあらゆる形態として現れ、深刻度も異なるようだ。例えば良くある風邪などは、自然治癒し、短期間だが、関節リウマチなど多くの慢性的状態は不治とされる。そういった病気がおおよそ逃れられない、もしくは不可避であることが人生の一側面と見なされるかもしれない。 しかし、本書が示すように、これは誤った思い込みである。

とは言っても、多くの人がその人生において、何らかの形の病気を経験する事実が、根本的な疑問をもたらす。中でもとりわけ、なぜ起こるかだ。言い換えれば、本当は何があなたを病気にするのだろう?

このような疑問に対する一般的回答としては、二つの相互に関連する考えであり、その二つともが、基本的真実として広く信じられている。第一は、その人が何らかの病気の種類にかかったというものである。第二は、それぞれの病気には、固有の実体があり、特有の症状で識別しうるというものだ。本書では、この考えが真実ではないことも示そう。

事実上、すべての「ヘルスケア」システムで採用されている病気に対する従来のアプローチとしては、患者の症状を和らげたり、終わらせるとされるレメディまたは「薬」を用いるものである。このアプローチの元になる考えとしては、症状の停止が病気の克服を示し、その成功の結果は完全に「薬」で達成されるというものだ。しかし、同様のアプローチではあるが、異なる医療制度では、人間の病気の治療に様々な種類の「薬」が使用される。「薬」には、天然物質や天然物質から派生した製品の形をとるものと、合成化学化合物から製造された製品の形のものがある。

人間の病気治療のための「薬」という言葉の使用を、François-Marie Arouet(1694-1778)、つまりヴォルテールが要約している。彼の言葉が、このイントロダクションを飾った。しかし、こんな18世紀の考えは、21世紀では無関係と、ほとんどの人が思うに違いない。薬、病気、人間の身体についての医師達の知識が、ほんのわずかか、あるいはまったく無いなどとは。こういった視点が基づくのは、おおよそ次の考えだろう。過去三世紀の間に「医療科学」が飛躍的進歩を遂げ、21世紀の医師たちは、極めて完璧ではなくとも、薬、病気、そして人間の身体に対して徹底的な知識があるというものだ。そうではないことを本書では示す。

「医療科学」分野での前進が、「現代医学」として知られる医療制度に組み込まれてきた。これは、唯一の証拠に基づく(evidence-based)医療であり、固い科学的基盤があるとされる。「現代医学」はヘルスケアとして最も進んだ科学的形態との考えが、推進正当化に使われてきた、世界中の政府がオフィシャルに採用する唯一のシステムとしてである。

「現代医療」こそが本物のヘルスケアを提供する唯一のシステムとの主張があるがため、本書ではこの点にフォーカスする。しかし、後の議論で示すことだが、この主張には根拠がない。さらに見ていくことは、医学界が流布する病気情報は、実質上ほぼすべて誤りであることだ。その理由は、基盤となる考えや理論の根本的な欠陥にある。これらの考えや理論の欠陥性により、ヴォルテールの言葉が、「現代医療」として知られる21世紀の医療システムにも適用できる。これは、薬、病気、人間の身体についての貧弱なレベルの知識に基づき運営され続けるシステムである。

本書では、「医学界(medical establishment)」という言葉を、現代医学のシステムを実践、研究、指導、促進などの形で支えるすべての人々、組織、産業、学術・研究機関を指す言葉として使う。

言うまでもなく、問題の解決には、その根本原因の完全な理解と正しい識別がされねばならない。これらの原因が排除された時にのみ、問題が終了するからだ。極めて当然だが、これは病気の問題にも適用される。しかし、多くの人々において、病気は継続するのみならず、悪化するのである。「現代医療」によって、治療と予防が施されたにも関わらずだ。

ここから導かれる論理的で正しい結論としては、「現代医療」は問題の本質の把握に失敗し、すべての根本原因の正しい識別にも失敗していることだ。この失敗の結果としては、病気問題の解決として完全に不適切な手段を医学界が導入していることである。通常は製薬企業の製品を含むこれらの手段によって、病気を治療し、予防するとは主張するものの、その原因排除はしないゆえ、問題解決はできない。しかし、より心配なことに、これらの製品は常に問題を悪化させるのである。

「病気」に関する現代医療の失敗は、その実践が依拠する理論の欠陥的本質に完全に起因している。

この宣言は疑いなく、大部分の方には、大きな物議を醸すものとみなされるだろう。しかし、これはその真実性を損ないはしない。本書を読む場合には、心に留めて欲しい、以下のドイツ哲学者アルトゥール・ショーペンハウアー(1788-1860)の言である。

□「すべての真実は三つの段階を経る。最初は馬鹿にされ、次に激しく反対され、最後には自明と受け入れられる」

現代医療の考えと理論の本質的欠陥を明らかにすると共に、本書の議論では、病気の真の性質と原因を説明し、読者には情報を与えよう。情報を得た上での決断を行い、自らの健康に益となる適切な行動を取るための情報である。

▼各章の概要について

医師たちは、医学部でこう教わる、患者の症状で病気を特定し、その治療薬を処方せよと。第1章では、製薬企業の薬が患者の健康を回復せず、益よりも害になる理由を明らかにする。

ワクチンについて広く信じられていることは、「感染源」によって起こる病気を防ぐための、最も安全であり、最も効果的な方法である。第2章では、ワクチンがいかに効果がなく、危険であり、かつ何の科学にも立脚しないことを暴露する。

ある病気については、感染性であり、「病原性微生物」により起こるとの考えがあるが、これは「細菌論」に基づいている。第3章では、この理論が決定的に証明済ではないことを示す。そしてまた、「細菌」と呼ばれる微生物について流布される、ほぼすべての情報が完全に誤りであることを示す。

第3章での「細菌論」への反論から疑問を抱くだろう。つまり、「感染性」とされる病気の原因の本質である。第4章では、多くの「伝染性」とされる主な病気について、医学界の説明に内在する問題を明らかにする。そしてまた、これらの発生について、より信頼できる、いくつかの説明を提供することにしよう。

多くの病気が人間と動物の間で伝染するとされる。第5章では、多くの動物の病気を検証し、これらの主張の欠陥を示し、より信頼できる説明を提供する。この章ではまた、生体解剖の基本的問題も説明する。病気研究目的の生きた動物実験で行われるものだ。

「有害物質とその影響」による環境汚染は、医学界も含む科学コミュニティが認めるより、はるかに人間の健康にとって深刻な脅威である。第6章では、主な毒物の原因である実際の化学物質と電気を見ていく。これらが環境を汚染しているのだが、その毒の主な利用例を示す。 また、この章では、日常使用される様々な製品の成分として有害化学物質が使われる点についても触れる。例えば、家庭用品、コスメチック、パーソナルケア、食品、ドリンク、そして、あまり知られていない利用例である。

医学界は、ほとんどの慢性的健康問題について、その「正確な」原因は不明と認めている、より広く呼ばれる名称としては、非伝染性疾患である。第7章では、多くの非伝染性の病気について論じ、これらの「知識欠落」の存在と程度を明らかにする。それに加え、いくつかの既知の原因要素を検証し、実質的にすべてに共通する根本的メカニズムがあることを説明する。

健康問題は単独で考えることはできず、必ず他の状況と関連しており、そのほとんどが世界中のかなりの割合の人々に影響を与えている、特に「発展途上」と言われる国々においてだ。国際組織、特に国連配下のものは主張する、人類の直面するこれらの問題すべてが21世紀に解決できると。しかし、この主張には根拠が無い。第8章で検証することは、これらの問題を解決するという直近の試みである。特に、直接的、間接的に人間の健康に影響を与える問題に重点を置き、これらの対策が解決策として不適切であると明らかにする。なぜなら、これらの対策は、問題の真の原因に対処できず、その排除ができないからだ。

薬やワクチンの開発に想像を絶する巨額の資金が投入されるのに、「現代医学」が「病気」問題に不適切な解決策を採用する理由は、「既得権益」の影響が大きい。医学界の運営する医療制度を含む人間生活の主要領域に及ぶ、これら既得権益者の存在と影響力は、第9章で議論する。

以上の章で、医学界の提示する説明の問題点を明らかにしていく。最終章では、「病気」の本当の姿を説明する。また、ほとんどの場合に病気が複数の原因の結果であることを述べ、その共通メカニズムを明らかにする。この第10章では、問題点の説明に加え、人々がこれらの原因要素への曝露を減らし、自身の健康に責任を持ち、コントロールする方法についても説明する。

◆◆◆

それぞれの「病気」については「医学界による定義」を使うが、これは2007年版『オックスフォード・コンサイス・メディカル辞典(Oxford Concise Medical Dictionary)』による。そうでない場合は注釈を入れる。

すべての引用された記事あるいはウェブページは、最後のリファレンスセクションにまとめる。ウェブページやウェブサイトが削除されていない限りである。

インターネットの動的な本質から、ウェブページやファクトシートは度々更新される。本書で使われる情報は、執筆時にのみ正確なものである。

文献目録中にリストされた出版物からのすべての引用は、公正利用とみなされる。

■第1章 病気への処方箋:健康のために死ぬ

□「薬漬けを惜しまない医師は、副作用の処置に忙殺され続ける」

ハーバート・シェルトン(Herbert Shelton)

▼真実からはほど遠い医薬品の現状

「Medicine」という言葉には二つの意味がある。その医学界の定義としては、「病気の診断、処置、回避のための科学、あるいは実施」、そして「病気の処置あるいは回避の目的で使う薬あるいは製剤」である。

「薬」と呼ばれる様々な医薬品や製剤は、医療従事者が患者に提供する「医療」の中核を成す不可欠なものと考えられている。定義に「科学」を含むことから、医学の実践は、科学的に確立した証拠に基づき、完全に裏付けられた強固な基盤を持つとの印象を受ける。また、この定義は、医薬品や製剤の使用も同様に科学的根拠に基づき、「医薬品」はその目的に適切かつ効果的との印象を与える。

しかし、残念ながら、真実からはほど遠い。病気の治療や回避に「薬や製剤」を用いる、いかなる医療実践においても、「科学」的基盤は無いし、患者の健康を取り戻せるものは無い。

この宣言は、確実に多くの人がとんでもないと思うだろうが、真実であることを否定はできない。本章では、病気治療目的の薬の使用について説明する。病気予防のためのワクチン接種については、次の章で説明する。

数百の異なる病気があると医学界は主張し、それぞれ認識可能なユニークな一連の症状があり、適切な「医療」により治療可能だという。「医療」の目的は症状の停止である。その結果、治療により病気を成功裏に乗り越えたと解釈される。

少なくともこういった理論である。しかし、実際に現実世界では、同じ病気と診断され、同じ医療を受けても、各患者の経験としては広範囲の異なる結果であることが稀ではない。このように大きく異なる結果になることは、理論に対する直接的な異議申し立てである。患者の中には、症状の完全な停止を経験する者もいる。しかし、この成功の結果は医療のおかげではありえないし、健康回復を意味してもいない。この理由は後の章で説明する。

▼「処置」はあっても「回復」なき医学

Medicineの定義の興味深い点としては、これが「処置(treatment)」を指すことであり、病気の「回復」では無いことだ。なぜなら、医学界は多くの病気について「不治」と宣言しているからである。こうした病気について彼らの言うことは、適切な処置で患者の状態を「管理」することだ。つまり、その症状は緩和されるだけで、除去されるわけではない。

広く認められることとして、すべての医療は「副作用」を生じる。これは、事実上その治療から直接的に生ずる新たな症状である。この事実の重大性が十分には言われないため、ほとんどの人は理解不足である。しかし、新たな症状の発生とは、本質的には新たな健康問題の発生を意味するのだから、これは現行医療システムの中核的問題である。

病気の処置に使われる薬の効力には大きなばらつきがあり、薬により起こる症状の存在も明らかだ。これが重大な疑問を投げかける。「医療」システムの基本的目的と機能であるはずの、患者の健康状態を回復する能力に対する疑問である。

WHO(世界保健機関)のウェブサイトでは、健康の定義[R1.1]を次とする。

□「健康とは、完全な物理的、精神的、そして社会的な幸福状態であり、単に病気や欠陥の不存在ではない」

この定義は、1948年のWHO設立時の憲章で初めて宣言されて以来変更されていない。WHOは、UN(国連)の機関であり、WHO憲章を批准するすべての国の全国民の健康に関する「権威」と指定されている。言い換えれば、WHOは実質的に全世界の健康政策を指示する。しかし、病気治療に関するWHOの推奨政策としては、ほぼ例外なく「薬」の使用が指定される。症状緩和のみで、病気治療効果が無いと認められているものをだ。

WHOの政策は、WHOの目的「あらゆる場所で、すべての人のために、よりよい健康を実現する」とは明らかに矛盾する。特に、WHO自身の「健康」の定義と照らし合わせれば明らかだ。

訳者あとがき一部

▼証拠なき「医療科学」

本書「本当は何があなたを病気にするのか? あなたが病気について知っていると思ってきたことすべてが間違いの理由」は、著者の二人、ドーン・レスターとデビッド・パーカーが10年をかけた徹底的な調査の後に結論づけた「現代医学のほとんどすべてが間違い」という、あまりにも大胆な主張を展開する。しかし、提示されるその証拠は豊富で、あらゆる論文・記事・文献・ウェブサイト等に言及しており、専門家でも反論は難しいと思われる。もっとも、彼らは医者でも学者でもなく、会計士と電気エンジニアである(現在は引退)。いずれの職業も論理性、細部へのこだわり、証拠を追う能力を必要とし、さらにこれらの権威とは無縁の立場だからこそ偏見なく事実を見出し、声を上げることができたのである。

彼らは、この2,3年、英国内の講演会ツアーを行っているが、その最も重要な主張「ウイルスは存在しない。病気の原因ではない」には、当然ながら反対する人もいる。たいていは「専門家として良くわかってる」を自認する者だという。彼らは常にこう返すそうだ、「では、ウイルスが分離され、精製され、遺伝子解析され、そのウイルスがその病気の原因と証明された科学的証拠を送ってください」と。しかし、送ってきた者はいない。誰も彼らの主張に対し、証拠をもって異を唱えられない。本書をお読みになった方には、私からもお願いする。彼らの主張が間違いと証明できると思われるなら、その証拠を是非送ってほしい。英語で書けるなら、彼らに直接送ってほしい。彼らのウェブサイトは「https://whatreallymakesyouill.com/」で、ここからコンタクトできる。

これまで現代医学に真っ向から反対した者は、彼らだけではなかった。私は様々な人のインタビュー動画を見て、日本語字幕をつけてきたが、その主張に「証拠をもって反論される」ことは無く、たいていは不適格だとか、その研究は「ナンセンス」、あるいは単なる人格攻撃がされる。双方の主張をぶつけるオンライン討論でさえ、行われることは極めて稀だ。このことは、「医療科学」というものが、証拠にもとづく学問ではなく、単なる宗教であり、その「信者」も根拠となる科学的証拠など持ち合わせていないことを物語る。公正で誠実な公開討論などは決して行われない。本書でも、そのさきがけの一人と言えるロバート・メンデルソン医学博士の言葉が引用される(第3章)。

現代医学は我々の信仰なしには成立しない。なぜなら、現代医学は技術でも科学でもなく、宗教だからだ。単に『なぜ(why)』と何度も問えば、遅かれ早かれ信仰の裂け目に到達するだろう。

医者でも学者でもない二人が、本書を出すに至った経緯が、また興味深いものである。私が日本語字幕付けを行ったインタビュー動画でこれが語られている(https://odysee.com/@wrmyi:d)。

▼HIV/エイズも同じ手口

デビッド・パーカーは、10代の頃から、この現実は何なのか、人生の目的は何か、なぜここにいるのか、死んだらどうなるのかとの疑問を絶えず持ち続けてきた。共感してくれる者は周りにおらず、かなりの「変わり者」だったようだ。クリスチャンとして育った彼だったが、あらゆる宗教を調べるなどして答えを見出そうとした。その後、研究成果を発表するセミナーなどを開催していたらしい。そこで出会ったのが、同じ思いを持つドーン・レスターだった。

二人は、その本来の疑問を解き明かそうとする本「The Nature of Reality: Exploding the Mind Body Spirit Myth(現実の本質:心・身体・魂の神話を打破する)」(103ページ)を2010年に出版する。当時、デビッド・パーカーは国際的企業に雇われており、職業上から身元を明かせないとの理由で、著者名はNoR(Nature of Realityの略)となっている。この本は、病気について若干の記述があるものの、基本的には「この現実は何か」を追求するものだった。

しかし、この本の著述過程でウイルスの知識が必要となり、これを調べることになる。そこで最初に出くわしたものが、1980年代に始まったHIV/エイズ騒動の異常性だった。HIVウイルスがエイズという病気を起こすと主張する、メディアも含めて多勢の一方で、「この病気はウイルスには無関係であり、(治療薬とされた)AZTという薬をはじめとする様々な毒物によるもの」とするわずかな人たちがいた。これが、本書で語られるピーター・デュースバーグ博士、デビッド・ラスニック博士、キャリー・マリス博士、エレニ・パパドプーロス-エレオプーロス博士等である(第4章)。

このHIV/エイズ騒ぎが全くの嘘であることは、何の知識もなくとも、現在なら「直感」のみでわかるだろう。1980年代には、同性愛者のみならず、異性愛者でも感染するこの「死の病」によって人類が10分の1になるとさえ言われ、恐れられた。しかし、こんなことは全く起こっていない。

「権威」は、故意のでっちあげにより人々を恐れさせ、行動を制限し、検査や治療と称して巨大な利益を得た。偽の検査でHIV「陽性」とし、その治療薬と称して毒物を投与し、「患者」が死亡するとエイズ死とされる。この悪循環、「彼ら」にとっては好循環を、製薬業界のみならず、メディアや、その上の者が率先して煽ってきたのだ。これは、ここ2,3年の状況に非常に良く似ており、同じパターンの繰り返しである。

二人は、2010年の本「現実の本質」と前後し、病気についての「Why Germs Don’t Make You Ill and Drugs Can’t Cure You(細菌で病気にはならず、薬では治癒しない理由)」という本(70ページ)もNoR名義で出している。本書とおおよそ同様のテーマだが、ページ数も少なく小冊子的なものだった。この小さな本をいわば「助走」として、二人は現代医学の嘘と欠陥を徹底して追求する10年間の旅に出る。

その過程で、デビッドの家族や知人の数人が、がんになり、「標準治療」を受けた後に全員が亡くなった。その一方で、やはりデビッドの知人の高齢女性は、「どんな治療も受けない」と宣言して生き残り、がんが消えさえしたという。このことも医学にさらに疑問を持った理由だとインタビューで発言している。

彼らが本来追求するはずだったテーマから外れ、これほどまでに「現代医学の間違い」に彼らを駆り立てたものは何だったのだろう。エイズについて調べてみると、これまで細菌や病気について教えられてきたことの「あまりの間違い」に驚愕することになった。さらに調べれば調べるほど、まさに「病気について知っていると思ってきたことすべてが間違い」の状況に彼ら自身が置かれ、「その理由」を追求し始めたのである。

このように、本書は二人が10年間を費やし、一から現代医学を調べあげた結果である。個人的にますます思うことだが、医者・学者では、ここまでの調査と発言はほぼ不可能だろう。二人がそれに無関係であり、そのドグマから自由であり、調べ上げようとする情熱、誤りを他者に知らしめんとする熱意があったからこそ、この包括的研究を達成できたのである。

▼人道に対する罪

彼らの言い分「現代医学のほとんどすべてが間違い」を是とすれば、医者・学者の地位というのは、まるで非科学的で無意味なハリボテの土台の上にある。当人たちは、自らの地位と自らの生活の糧を破壊しかねないような疑問を持ったり、それを追求するなど夢にも思いつかない。その地位を得た後に個人的に精進する人も確かにいる。しかし、ほとんどは教わったことを信じ続け、教わった通りに行い、教わった通りに解釈するだけである。まさに本書導入部で引用されたヴォルテールの言葉があてはまる。

医師とは、その知識があまり無い薬を、それ以上にわからない病気を治すために、何一つわからない人間というものに処方する者である。

本書下巻では、病気と医学の誤りを越え、病気の恐怖や環境問題を言い訳にして「世界支配」を企む者たち、プロパガンダによって人類を言いなりにさせようとする組織が語られる。この問題について何年もの研究などしたことのない人には、「ただの愚かな陰謀論」に聞こえるかもしれないが、これもまた二人があらゆる資料を駆使して説明しているので、認識をあらためてもらいたいと切に願う。それこそが、2023年の今日、最も必要とされていることなのだ。

先に言及した字幕付き動画集の中に、彼らと同じ情熱を持つ医師夫婦であるマーク&サム・ベイリー(Mark & Sam Bailey)が行った彼らのインタビューがある(サム・ベイリーは、ヒカルランドから出版予定の「ウイルス・マニア(Virus Mania)」の共著者でもある)。デビッドはこう語る

我々の本では、既得権益について書いています。人々は単に『既得権益とは単に製薬会社の金儲け』と考えるかもしれませんが、そうではないんです。もちろん、巨大で不愉快な儲けですが、しかし、その裏にはアジェンダがあるんです。隠してもいませんが、世界人類の支配です。

続いてこう述べる。

ピラミッドのトップの連中が、この人道に対する罪を犯しているんです。まさに、そう呼べるものです。連中は、自分たちが何をしてるのか十分わかってます。人々の支配を握ろうとしてるんです。我々を支配するのは難しいからです。連中は既に世界の資源を支配していますよね。しかし、人々の支配は非常に難しいんです。特定の人々、我々や他の方は本当に難しいんです。連中の嘘を見通してしまう人たちです。我々は(連中の言い分を)一切信じてないですね、そういった人が増えてきています。このコロナ『神話』全体において良いことの一つがそれです。今や、以前に比べてより多くの人が、権威の嘘に目覚めたんです。これは単に医療への誤解のみならず、その背景にある実際の嘘、政治的アジェンダにです。これ(コロナ騒ぎ)は政治的なものであり、それが背後で進行してるんです。より多くの人がそれに目覚めています。そして、政治システム全体に疑問を持ち始めています。銀行システムにも、これがいかに詐欺であるか。法システムにもです。ですから、これは良いことです。

▼強固な医学界の洗脳

2019年から2020年にかけてのコロナ騒ぎが起こった頃、私は、「本業」のIT技術者として多忙で、仕事・飯・トイレ・風呂・寝る以外は何もできず、ほぼ自宅に閉じこもり、何の情報収集も動画字幕付けもしていなかった。自宅では家族と、人の顔(私)を見れば吠えまくる犬、抱っこが大嫌いな猫と暮らしていた。この当時は完全に騙されており、「ウイルスによって病気になる」と信じ込み、ダイヤモンド・プリンセス号他の騒ぎを横目に見ながら、マスクや消毒アルコールを求めて品切れと言われたり、たまの打ち合わせの上京時にも会議室テーブルを消毒などしていた。

2020年4月6日に仕事が一段落して解放され、「さて、この騒ぎはどうなっているのか?」と、以前に動画字幕付けをした英国の「陰謀論者」デーヴィッド・アイクのインタビューを見る。すると、「この騒ぎは全くのインチキだ。何も無い」という驚くべきものだ。そこを追求することにしたのである。なお、デーヴィッド・アイクの著書はヒカルランドから十数冊が発売されている

それ以前、私が様々な動画の日本語字幕付けを開始したのは、2016年のこと。その中で特筆したいのは、いわゆる「反ワクチン」のスザンヌ・ハンフリーズである。彼女の講演動画における、歴史的事情や統計資料、その成分や被害状況の説明から、昔も今もワクチンという代物が完全なインチキで、毒物でしかないことを、その当時には確信していた。彼女の共著『Dissolving Illusions』も、ヒカルランドから『ワクチン神話 捏造の歴史』として2023年5月に出版されているので参照されたい。私が字幕付けをした彼女の動画は「https://odysee.com/@sh:7」にある。

話を戻して、2020年の4月6日以降、デーヴィッド・アイクが「彼らの言うことを聞いてくれ」と言及する人たちの動画を見ることにする。特にアンドリュー・カウフマン(Andrew Kaufman)医師他が、本書著者二人をインタビューしており、原著「What really makes you ill?」が紹介されていた。これは、コロナ騒ぎが始まると同時の2019年12月24日という絶妙なタイミングで発売されており、当面のコロナの嘘のみならず、現代医学全体を考え直すきっかけとして、英語圏の方には大きな情報源だったことだろう。

ワクチンの無意味さについては納得していたものの、コロナウイルスで病気になると信じ込んでいた私だったが、彼らのおかげで「ウイルスなど存在しない。ウイルスによる病気など存在しない」を数日で理解するに至る。もちろん、コロナウイルスのみならず、すべてのウイルスと言われる物の存在証明などなく、バクテリアと呼ばれる物も、存在はするが、病気の原因ではないこともである。さらには、コロナ感染を示すPCR検査もインチキ極まりないこと。世界的なこの騒動が何らかの意思、主には製薬会社に乗っ取られたWHOや他が画策していることも確信できるようになる。

先述のように、著者二人は医者でも学者でも無い。先のスザンヌ・ハンフリーズは腎臓専門医だったが、自身の患者が勝手にインフルエンザワクチンを打たれて傷害を受けたり死亡したことで、ワクチンを徹底的に調べ上げ、医師としての裕福な生活も地位も捨ててしまった。彼女が言うには「自分の頭が狂ってしまったのかと思った」と。こういう人物は極めて稀である。本書著者紹介(下巻)でもアインシュタインの言葉が引用されている。

問題は、それを生み出したと同じ考え方では解決できない。

医学界の嘘を見破り、声を上げることができるのは、門外漢か、当事者であれば「狂ってしまった」者以外にはいない。それほど医学界の洗脳は強固で深刻だ。それら権威の言い分を素直に信じてしまうごく普通の人にはなおさら無理だろう。

私は、彼らを知った翌月の2020年5月に原著を入手したが、800ページ近くという大著であり、翻訳など不可能とはなから諦めていた。その後、ナカムラクリニック院長中村篤史医師と知り合いになり、彼の提案で翻訳を始めることになる。時間が空けば作業を継続するという形で、ほぼ一年を費やしてしまった。

この翻訳書については以前から触れ回ってきており、期待してきた人からは「まだなのか」とたびたび言われてきた。私自身も、字幕付き動画やブログ記事などではなく、書物の形で情報を伝えたいとも常々思ってきた。出版にこぎつけられたことは大きな喜びである。原著者も日本語版発売に期待し、インタビューでもこれを発言してきた。この本の出版は自分の責任だと常々感じてきたし、果たすことができたと胸をなでおろす次第でもある。

本邦訳書出版に期待し、応援し、協力してくれたすべての方に感謝申し上げる。

2023年10月 字幕大王