奴隷日報のシリア報道

昨日の13ロシア人起訴の記事と共に、奴隷日報、もとい読売新聞にはシリア関連の記事があったのですが、これがずっと心に引っかかっておりました。一体これはどういう意味だろうと。

この中で、日本政府がシリアに人道支援しているという図が以下です。

はて、日本の人道支援の矢印は一体どこに向いているのでしょう?本文を見てみるとこうです。

その前段で米ロやトルコの思惑交錯しており、背景は油田の権益争いと書いてあるのに、そんな中で日本がどこに肩入れしているのか、全く書いてありません。

まぁ、奴隷日報の読者など、何の疑問も持たないような人ばかりでしょうから、これでも良いのでしょうけど、こちらとしては気になります。

「シリア 人道支援」で検索してみたのですが、政府のウェブサイトには曖昧なことしか書いてありません。一つ見つけたのは、西日本新聞の人道支援 使途に危うさ 日本が整備費、シリアの発電所 空爆拠点に給電かという記事です。これは、2017/4の記事ですが、

シリアのアサド政権軍が今月、化学兵器による空爆の拠点にしたとされる中部ホムス県のシャイラト空軍基地に、日本政府が整備資金を提供中の火力発電所が電力を供給していた可能性があることが、西日本新聞の取材で分かった。

この西日本新聞も、何の根拠も無しに化学兵器攻撃をアサドのしわざと決めつけていますが、それはいいとして、日本政府が支援しているのは、反政府軍でも侵略者の米国でもなく、国際的に正当な政府として認められているアサド政権のようです。

これで謎が解けました。奴隷日報では、アサドは金正恩と並ぶ最悪の独裁者として報じていますからね。そんなところに我が国が援助しているという事実がわかってしまっては都合が悪いわけです。

さらに、西日本新聞のそれ以前の2015/12の記事では、こんなことが書いてあります。日本、アサド政権「支援」 シリア発電所整備に25億円 事業書ウェブから消える

関係者の証言によると、日本外務省やJICA内で、この事業は日本の関与が明るみに出ないよう、扱いは「ゼロ・ビジビリティ(透明度ゼロ)」。11月16日、本紙記者の取材に外務省は「電力インフラ整備への資金提供は一切ない」と否定した。

同じ日、UNDPのウェブサイトから、公開されていた事業計画書が突如、消えた。

補修・復旧事業は、日本の商社と発電施設メーカーがJICAに発電所整備を持ち掛け、JICAがUNDPに提案したと、関係者は証言する。

西日本新聞が、西側のプロパガンダを完全に信じ込んでいるのは問題ですが、それは置いといて、ここから想像できることは、要するに「日本の商社と発電施設メーカーが儲けるために、悪い独裁者のアサド政権に利するような施設を日本国民の金で作った」ということですね。それを指摘されると情報を隠してしまうってことです。

奴隷日報が、「我々は一体どこに支援をしているのか?」を曖昧にしておきたい理由というのはこれでしょう。脳味噌を持っている人が冒頭の図を見れば、誰でも疑問に思うはずなんですが、その疑問には答えようとしないわけです。

なぜなら、奴隷日報のやり口というのは、「悪いヤツだ、敵だ」と叫びつつも、(おそらくは)経団連企業の儲けのために、それを利用し、国民の血税を無駄使いし、敵を利することにも目をつぶるダブルスタンダードだからです。そして、(アサドは悪い奴と洗脳済の)国民からの批判が政府に向かないようにするためだからです。いや~、いろいろ気をつかって大変ですね、奴隷日報さん。

 

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