ステファン・ランカの裁判で提出された6つの論文とその問題点

The Final Pandemicより、ステファン・ランカの裁判に提出された6つの論文について

2017/1:反ワクチン派の生物学者ステファン・ランカ:はしかはウイルスではないと10万ドル以上を賭け、ドイツ連邦最高裁で勝利を参照 


裁判に提出された6つの論文を簡単に検証することで、彼らの最も有名なウイルスの1つが証明されていないことを明らかにできる。それらの論文は次のようなもので、「ウイルス」とコモンコールド・ユニットをめぐる我々の以前の説明を再確認する役割も果たしてくれる(訳注:これ以前にコモンコールド・ユニット研究における風邪ウイルスのでっちあげを説明している)。

EndersとPeeblesによる “Propagation in tissue cultures of cytopathogenic agents from patients with measles”, 1954[210]

(訳注:論文自体はこちら

この実験では、はしかウイルスとされるものを細胞培養に加え、そこで観察された細胞変性効果(CPE)をウイルスに起因するものとした。CPEは細胞の病気を示すもので、細胞が破壊される際の外観や形状の変化を含む。

問題点:対照実験が行なわれていないこと。そして、現在では、培養にウイルスとされるものを加えなくても、試験管内でこれらの効果が観察できると知られている。論文著者らは、「表面的には、はしかウイルスによる感染に類似した細胞変性効果が、未知の要因によって誘発される可能性があることを念頭に置かなければならない 」と警告している。

Bechによる “Studies on measles virus in monkey kidney tissue cultures”, 1958[211]

(訳注:論文自体はこちら

この論文もまた、ウイルスに起因するCPEを用いた実験室での細胞培養実験だった。

問題点:最初の論文と同じ。

NakaiとImagawaによる “Electron microscopy of measles virus replication”, 1969[212]

(訳注:論文自体はこちら

著者らは細胞内粒子の電子顕微鏡写真を得て、それが、はしかウイルスであると主張した。

問題点:粒子は他の方法では特徴づけられていない。実験のどの部分においても、粒子が感染性であるとか、病気を引き起こす能力があるとは断定されていない(訳注:要するに、適当な写真を撮って「はしかウイルスだ」と主張しただけ)。

Lundらによる“The molecular length of measles virus RNA and the structural organization of measles nucleocapsids.” 1984[213]

(訳注:論文自体はこちら

著者らは「精製されたビリオン(virion)」の画像が得られたと主張した(訳注:ビリオンとは、細胞外におけるウイルスの状態のこと。ウイルスは細胞内でしか増殖できず、自走する能力が欠如している。「精製された」というのは、細胞外に出てきたものだけを取得したという意味)。

問題点:撮影された粒子は生物学的役割不明の小胞としか言いようがなかった。ウイルス性であること、すなわち感染性で病気の原因であることは証明されていない(訳注:これもまた、何かしら適当なものを撮影しただけ)。

HorikamiとMoyerによる“Structure, Transcription, and Replication of Measles Virus” 1995[214]

(訳注:論文自体はこちら

このコンセンサス・レビューの中で、著者らは、はしかウイルスの「ゲノム」について述べている。

問題点:試験管の中の遺伝物質の断片から「ゲノム」が作られ、コンピューターソフトウェアを使って仮説的なモデルに組み立てられた。このゲノムが自然界に存在すること、あるいはその遺伝物質が「ウイルス」に由来することが立証されていない(訳注:現代のウイルス学者は常にこれを行う。「ウイルス」自体を得ることができず、他様々な物質(遺伝物質)の混ざったスープの状態で、それらすべてのゲノムの断片を取得し、それをコンピュータにかけて「ウイルス」のゲノムを取得したのだという)。

Daikokuらによる“Analysis of Morphology and Infectivity of Measles Virus Particles” 2007[215]

(訳注:論文自体はこちら

著者らは細胞培養の電子顕微鏡写真を作成し、細胞からはしかウイルス粒子が出芽しているところだと主張した。

問題点:粒子は無害な細胞外小胞(訳注:エクソソーム)との区別がされていない。(原注:著者らは、「ウイルス 」粒子の大きさは50~1000nmであったことを真面目に報告しており、自身を裏切っている。これは、成人した人間が身長5フィート(1.5メートル)から100フィート(30メートル)までの子供を持つのと同じことである!)

◇◇◇

この評決を批判する人たちの中には、単にランカ博士が要求した証明の意味論的な定式化の結果だと主張する人もいる。しかし、科学は正確で明確な言葉の使用と、仮説を支持する技術の適切さに関して最も特別な存在であることを認識しなければならない。(論文などの)公開物の良し悪しは、使われている言葉や手法の正確さによってすぐに見分けられる。したがって、これらの論文を合わせて病気を引き起こすウイルスの存在を証明できると結論づけるのは非科学的である。事実、裁判の席上、ロストックの大学病院の医療微生物学・ウイルス学・衛生学部長であるアンドレアス・ポドビエルスキ教授は、発表された6つの論文について、(論文の)著者の誰一人として、国際的に定義されたルールや科学的実践の原則に従った対照実験を行なっていないと述べた[216]。したがって、はしかウイルスが存在するという主張は、科学的文献としての根拠を欠いている。

 

コメント