フラットアーサーの愚かさ(45):自らの誤りを確認する実験

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この記事の三行要約

  • フラットアースは反証可能性を受け入れず、不都合な観測結果を無視するため、科学ではなく信仰に近い。
  • 静岡市とオーストラリア・アデレードで太陽の仰角を測定し、平面地球モデルで太陽高度を逆算すると、同じ太陽なのに都市ごと・季節ごとに高度が大きく異なるという矛盾が生じる。
  • この観測結果を認めた上で、あくまで平面説を主張するのであれば、AE地図(平面地図)や近距離太陽モデル、緯度距離の設定などを大幅に修正せねばならず、現在のフラットアースモデルは成立しえない。

※AEとは、Azimuthal Equidistant(方位等距離図法)のことです。フラットアース地図でよく使われる図法です。

フラットアーサーはこんな実験は決してやらない

もちろん、フラットアーサーは、こんな実験は決してやらないでしょう。これまで見てきたように、そもそも、不都合から徹底的に目をそらすのがフラットアースというものであり、「それこそがフラットアースという存在の定義である」と言ってもよいくらいと私は考えます。

科学哲学的に言えば、反証可能性を徹底して排除するのがフラットアースの本質です。「反証となるものを決して見ない」「たとえ見せられたとしても、思いつきの仮説で言い訳をする」のですから、反証というものが成立しません。したがって、フラットアースは無敵であり、つまりは科学ではなく、宗教にすぎないのです

科学であるならば、「何を見せられたらその説を撤回するのか?」をあらかじめ声明せねばなりません。

これは、私がウイルス学について説明してきたことと同じことです(たしか、講演会でしか言ってませんが)。ウイルス学においては反証可能性という概念がありません。ですから、ウイルス学もまた無敵であり、科学ではなく、信仰でしかないのです。フラットアースも全く同じです、と私は思います。

ともあれ、フラットアーサー自身が自らの目で、自らの誤りを簡単に確認できる実験を、ここでは紹介していきます。どうせやらないと思いますが。。。

実験の原理

原理としては簡単です。地球は球体であり、それが自転しているために太陽や星が動いているように見えます。星々は、無限の彼方と言っても良いくらいの遠方であり、その光は平行光線として地球に入射してきます。もちろん、基本的に月は例外なのですが、月であっても十分これらの実験は成立するかもしれません。しかし、予測としては、とても面倒なことになると思います。地球の自転に加えて、月の公転が入ってくるからです。。。というのが、球体説側の説明ですね。

しかし、現代では、球体説にしたがい、太陽や星の位置は非常に精密に予測できます。この実験は、球体説の予測する通りに太陽や星が動くことを確認するだけです。しかし、それが平面説ではありえない動きであることを見ることで、平面説の誤りをフラットアーサー自ら確認できるわけです。

というよりも、この記事の最後で考察するのは、

仮に地球が平面だとしても、その地図か近距離天体モデルは明らかな誤り!

ということです。フラットアーサーの方々のために、ここでは一応「平面説は真実である!」という前提で話していますよ。ですから、

あくまで平面を主張するのであれば、これらを修正しなければ全く筋が通らない!

ということです。こういった矛盾を放置しながら、都合のいい証拠だけを持ち出して「平面だ!」と主張するような馬鹿げたことは、やめていただきたいわけです。

ここで行うことは、いったんは平面を信じたとしても、「いやいや、こういう場合にはどうなるんだろう?」と自分の中で反証を考えてみることです。フラットアーサーは、そういう思考ができない人ばかりのようです。

さて、これを検証する実験としては様々なものが考えられると思うのですが、やはり最もお手軽なものは、太陽の仰角測定でしょう。北極星でもよいのですが、太陽の方がインパクトがあります。

国内で完結する実験をいろいろ考えてみたのですが、北半球において測定地の緯度差があまりないと、球体地図とAE地図(平面地図)で差がでにくいです。「誤差の範囲」とか言われちゃいそうです。日本の場合はむしろ経度差に目をつけた方が良さそうですが、うまい実験を思いつきませんでした。

そこで、最も簡単に実行でき、最もインパクトがありそうで、最も計算式が少なく計算しやすい実験を選んでみました。ただし、オーストラリアに行くか、やってもらえる知り合いが現地にいる必要がありますw

目的と具体的なやり方

この実験は、観測地と太陽直下との距離がわかっているものとし、観測地での太陽仰角を計測することにより、太陽の高度を計算するものです。

平面説では、地球平面上空を近距離で太陽という点光源が周回しているのですから、ごく単純な計算で太陽高度は求まるはずです。

しかし、それを行うと致命的な矛盾が起こってしまうのです。その矛盾を示すには、複数の観測地で同時に計測した方がより明らかになります。計測場所としては、静岡とオーストラリアのアデレードにしてみましょう。

それぞれおおよその緯度・経度は以下です。

都市 緯度 経度
静岡市 34.98°N 138.38°E
アデレード 34.93°S 138.60°E

ほぼ同じ経度上で、ほぼ南北対称位置になっています。実験は簡単です。

  • ほぼ同じ時刻に南中(太陽が真南に来る。豪州では北中)するので、その時の太陽仰角を計測する。つまり、地上から何度の位置に太陽が見えるかを測る。

たったこれだけです。ただし、これを夏至、春分・秋分、冬至など、複数回行うことが望ましいですね。誰かアデレードに知り合いがいませんかね?

結果の予測値とそこから得られる平面説の矛盾

(日本での)夏至の場合

太陽直下点から各都市までの距離は簡単に計算できます。緯度一度あたりは約111.2kmです。これは球体地図でもAE地図(平面地図)でも変わりません。夏至の日には、太陽は北回帰線上にあるので、各都市の太陽直下地点からの距離は以下です。

  • 静岡市:(北緯34.98 − 北回帰線23.43)×111.2=1284 km
  • アデレード:(北回帰線23.43 + 南緯34.93)×111.2=6490 km

AE地図でも緯度一度あたりは等間隔であり、それはおそらく球体地図と同じ111.2kmという想定でしょう。当然ですが、太陽はこの場合北回帰線(23.43°N)上を周り、同一経度の都市であれば、北極からの一直線に二つの都市が並びます。これらも異論はないところでしょうね。

南中(北中)時におけるそれぞれの都市の太陽の仰角は、予測値としては以下ですが、実測値もこんなものでしょう。測れば必ずこんなものになるはずなので、これも否定はできないでしょう。そもそも、これを測ってもらう実験ですから、異論があるなら測ればいいことです。

  • 静岡市:78.45度
  • アデレード:31.64度

では、この条件で二つの都市にとっての太陽高度を計算してみます。もちろん、AE地図(平面地図)の場合です。球体説では、こんな値から太陽までの距離など計算できません。

これは単純な三角関数です。中学生レベルです。平面説では、太陽は地球平面上空数千kmを周回しており、この場合は北回帰線上を通っているはずです。そして、とにかく平面であって、カーブがないのでとても単純な計算になります。

都市 平面説で逆算される太陽高度
静岡 1284 km×tan⁡(78.45∘) ≈ 6200 km
アデレード 6490km×tan⁡(31.64∘) ≈ 4000 km

となります。図で表すと、次のようにフラットアーサーにとって、かわいそすぎる結果です。同じ時刻に太陽を見ているのに、太陽高度が全く異なってしまいます。

※この式で太陽高度が簡単に求められる理由はわかりますよね?「忘れた!」という方は中学数学をおさらい。

このとき、球体説の言い分として、どの角度を測っているかと言えば次の図です。夏至では、ちょうど地軸の傾き分だけ北極が太陽側に傾いています。観測地静岡では一年で最も太陽が高くなります。アデレードは最も低くなりますね。

そもそもこの球体地球を前提とした観測値から太陽高度を求めようなどという試みが無茶なんですが(というのが球体論者側の意見でしょう)、しかし、この角度は観測事実のはずです(私は観測したことありませんが、観測すればこの理論値通りの結果になるでしょう)。

 

冬至の場合

では、冬至の場合はどうなるかと言うと、二つの都市は、ほぼ同じ経度で、ほぼ緯度位置が同じ(南北違いのみ)ですから、予測通り、鏡のように結果がひっくりかえります。詳しい計算式は不要でしょう。

都市 太陽直下点までの距離 予測仰角 平面説で逆算される太陽高度
静岡市  約6496 km 31.59° 約3995 km
アデレード  約1279 km 78.50° 約6210 km

今度は、アデレードにとっての太陽高度が6210km、静岡市にとってが3995kmとなっています。

春分・秋分の場合

ここで容易に想像できると思いますが、春分・秋分の場合は、両都市にとっての太陽高度はほぼ同じになります。約5440kmです。ここからわかるとおり、季節によって平面地球における太陽高度は異なってしまうけれども、春分・秋分ではちょうどうんまい具合に二都市における高度が等しくなり、「これが太陽の高度だ!」と主張するケースもありそうです。

それでも平面説が正しいと仮定してあげましょう

夏至・冬至における食い違いは凄まじいものがあります。ほんとにこうなるかは、実際に実験し、計算してみてほしいのですが、これでもまだ「地球は平面だ!」と言い張る人もいるかもしれません。

そういうのはもうやめにしてもらいたいのです。言われたことを何も考えずにそのまま言い張るのではなく、自分の頭でよく考え、時には計算することです。三角関数を忘れていても、今はAIが全部やってくれますからね。

さて、観測値が正しいとすれば、そもそもの想定が間違ってるはずです。これがいわずもがな論理的な結論というものです。

最初にこう説明しました。このAE地図は、次の想定がされています。

  • 緯度一度についての距離は等間隔。これは球体地球と同じ。
    • ここでは111.2kmと計算しましたが、この値を変えても想定される太陽高度の大きな違いはありえません。単にそれぞれの高度が大きくなるか小さくなるかの違いだけで、二つの高度の比率は変わりません。
  • 北回帰線、南回帰線は球体地球と同じ緯度にある。
    • これを変更するのは難しいでしょうね。その緯度にいる人たちが観測していることですから。

すると、平面地球のままで、この実験で起きた現象を説明するには、以下のいずれか、あるいはすべてを変更する必要があります。

  • AE地図それ自体
  • 緯度1°あたりの距離が等しくないこと
  • 近距離太陽モデル 

フラットアースを擁護するために、どう変更したら良いのかを考えてみたのですが、どうしても答えは見つかりませんでした。

しかし、私の感触としては、もはや根本的にモデルを変更しなければならない気がします、あくまで平面を主張するのであればです。

以前に南半球での星の見え方で提案したように、「日本と豪州で見える太陽がそもそも別物である」くらいの劇的な変更です。平面説が生き残る道はそこにしかない気がしますね。

AE地図と、近距離太陽点光源がその上空を周回するモデルでは、観測事実を全く説明できないことは明白だからです。

余談

もっと劇的に差の出る都市ペアはないものかとAIに聞いてみたのですが、大都市としては、なかなか見つからないと。静岡市・アデレードというペアは「偶然とは思えないほど条件がよい」とのことでした。たまたま「アデレードあたりかなぁ」と思い、「ペアになる都市は東京よりもっと西だな」と思ったのです。

この実験、誰かやってみませんか?

追加:太陽の仰角の測り方

以前に紹介した北極星の仰角測定では、少々面倒な仕組みが必要でしたが、太陽の場合は影の長さを測れば良いので簡単です。必要なものは、

  • ヒモ+重り、あるいは棒(どこかに吊るす)
  • 巻き尺

これだけです。仰角θを求める概念図としては以下です。ただし、後で説明するように、平面説太陽高度を求める場合は、仰角計算は不要です。

実は、θを求める必要はありません。太陽直下までの距離dはわかっているので、単純に上の図の比率から太陽高度が計算できます。「H = d × h ÷ s」です。上の図が実際の観測状態の模型のようになっているわけです(あくまで平面説の場合ですよ)。

  • H:求める太陽高度
  • d:観測地点から太陽直下までの距離
  • h:ヒモ、棒の高さ
  • s:影の長さ 

説明を書いていて思ったのですが、極めて簡単なことですよね?もしこの記事に示した論理が間違いで、実際には平面説が正しいのであれば、なぜフラットアーサーは、「簡単に求まる!太陽高度は**kmだ!いつどこで測定しても同じだ!」と宣伝しないのでしょう?彼らはそれが矛盾してしまうことを重々承知しているのでは?

その2はこちら

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