字幕大王流翻訳原稿作成方法その5

字幕大王流翻訳原稿作成方法その4の続きである。ここでは、複数翻訳者の間で訳の同期をとるための仕組み、Gitの扱い方について説明する。

字幕大王流翻訳原稿作成方法その2で説明したように、一般的には、Dropboxのようなオンラインストレージを使って複数の人間でのファイル共有を行うものだが、こういったオンラインストレージでは、複数の人間が同じ一つのファイルを編集するには不都合があり、また、「誰がいつどこを編集したか」も一般には記録されない。

GitのようなVCSは、もともと「一言一句間違えてはならない」プログラマを対象とするため、かなり厳格な記録が残される。つまり、誰がどう編集しようが、そのことが記録され、しかも、「☓月☓日の時点に戻す」ことも簡単にできる。

Gitとは何か?

まず最初にGitの概念的なところをおさえてもらいたい。以下に簡単な解説がある。

超初心者向け解説Gitとは何か?

※ただし、この中の「ブランチ」の説明は、今回の目的には不要なので無視してよい。

ともあれ、ネット上に『共有リポジトリ」という「センター」があり、各個人の行った仕事がそこに集約されていく。

各個人は、ふだんは自分のパソコン内にある「個人リポジトリ」で作業していき、センターとの関わりを持たず、ある程度の作業が完了したら「コミット」を行って自身のデータベースに反映させる。この過程では、センターとは一切関わりを持たない。

ただし、センターに反映させたくなった場合(作業内容を他者に知らせたい場合)にはプッシュを行い、逆にセンターに存在する他者の行った仕事を取り込むにはプルを行う。

TortoiseGitのインストール

パソコンでGitを扱うことのできる「ソフト」にはいくつも種類がある。それぞれ使い方が異なるだけで、結局やっていることは同じだ。

ネットを閲覧するのに、FirefoxやChrome、Edge等の様々なブラウザがあるのと同じことで、それぞれのブラウザの操作方法は異なるが、httpプロトコル等で各ウェブサイトとやりとりする点はどれも全く同じである。

ここでは、Windows用のTortoiseGitを使って、Gitを扱うことにする。https://tortoisegit.org/からダウンロードしてインストールする。32ビット用と64ビット用があるので注意。

ダウンロードしたら、これを実行してインストールすることになるが、その途中で「Gitをインストールしろ」と言われるので、それも合わせてインストールが必要になる。

TortoiseGit自体は、単にWindows用のフロントエンドで、その中身の処理はGitプログラムが行っているのでそちらも必要だ。

共有リポジトリのクローン

TortoiseGitをインストールしたら、共有リポジトリをクローンするが、ここでは既に誰かが、共有リポジトリ(センター)を作成済であるものとする。自分が作業するには、まず最初に「その共有リポジトリの内容すべてを自分のパソコンにコピー」し、「個人リポジトリ」を作成しなければならない。これをクローンと呼ぶ。

共有リポジトリとしては、様々な無料サービスがあり、あるいは自分でネット上のサーバに作成することもできるのだが、ここでは、Gitlabというサービスを使う。

以下では、Gitlab内の共有リポジトリのURLが、「https://gitlab.com/somegroup/someproject」であるとする。

ここでは、デスクトップ上に個人リポジトリを作成してみる。デスクトップを右クリックして、「Git Clone」を選択する。

共有リポジトリのURLを入力し、デスクトップ上のパスを確認する。

初めてTortoiseGitを使う時には、認証情報(アカウントとパスワード)の入力が求められる。その後に、以下の表示がされる。

新たに作成したフォルダには、例えば以下のようにファイルが格納される。当然ながら、クローン元の「共有リポジトリ」の内容のコピーである。

この中の一番上の「.git」というフォルダは、実は隠しファイルで、見えない場合もある。見えるようにするには、エクスプローラの設定で「隠しファイルの表示」をONにする必要がある。

この「.git」というフォルダが、実は「個人リポジトリ」にあたる。つまり、すべての変更履歴を格納するデータベースなのだが、通常はこれを気にする必要は無いため、「隠し」てある。

それ以外のファイルは「Working Tree」つまり作業場所であって、ここで作業した結果をコミットすることにより、「.git」というデータベースに記録していくことになる。

ともあれ、これで、「共有リポジトリ」の内容全部をクローン(コピー)し、作業を行う準備ができた。

字幕大王流翻訳原稿作成方法その6

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Posted by ysugimura