クイックテストへの信頼は存在しない流行を作り出す、その3

クイックテストへの信頼は存在しない流行を作り出す、その2の続きです。

第二には、疾患を診断するための迅速な検査であるP.C.R.によるものであるとクレツィンガー博士は述べる。

彼女は言う、百日咳については「全国で使われているものには、おそらく100種類のプロトコルと方法が存在します」。そして、それらの正確性は不明確なのです。「PCR陽性であるにも関わらず、その病気が百日咳ではなかったと我々が信じるような多くの集団発生がありました」と彼女は付け加えた。

ダートマスで最初に百日咳を疑われる患者が出て、PCRが百日咳を示したとき、医師はそれを信じた。その結果は患者の症状と完全に一致しているようだった。

「それがすべての始まりでした」とカークランド博士は言う。その後、医師たちは激しい咳をしていない人達を検査することにした。

「百日咳と思われる症例があり、病院には脆弱な患者がいたため、しきい値を下げたのです」と彼女は言う。咳をした人は誰でもPCRにかけられた。乳幼児のようなハイリスク患者を対象とする誰もでもが、鼻水症状になった場合にはだ。

「このようにして、結局134の疑わしい件数になったんです」とカークランド博士は言う。さらに、1445名の医療従事者が抗生物質を服用し、病院の72%の4524人の医療従事者が数日ほうちに百日咳に対して予防接種を受けたのだ。

「もしそこで止まっていれば、百日咳発生があり、それを封じたと皆同意したと思います」とカークランド博士は言う。

しかし、ハンプシャー州とバーモント州の病院で働く疫学者達は、かれらの見ているものが本当に百日咳であるかを確認するため追加の措置をとることに決めた。

ダートマスの医師は、百日咳と考えられた27人の患者のサンプルを州保健局と疾病対策センターに送った。そこで科学者達はバクテリアを培養しようとしたが、これには数週間かかることもある。最終的に彼らは答えを出したが、どのサンプルにも百日咳などなかった。

「まぁ、そいつは変だと我々は思ったんです」と博士は言う。「たぶんこれは培養のタイミング問題かも、輸送問題かもしれない。血清学的検査をしてみませんかと。確実に百日咳感染の後、人間は細菌に対する抗体を作るのですから」。

彼らは39人の患者しか適切な血液サンプルを得ることができなかった。他は百日咳抗体を誘発するワクチンを接種したのだ。しかし、疾病対策センターが39のサンプルを検査してみると、百日咳を示す抗体レベル増加を示したのは一つだけだと報告した。

疾病センターは、百日咳菌の特徴を探す分子検査を含む、追加検査も行った。彼らはまた、追加のPCR検査を134人中116のサンプルで行った。一つだけPCR陽性だったが、他の検査では、百日咳菌感染は示されなかった。疾病センターはまた、患者への詳細インタビューを行い、症状がどうか、どう進展したかを確認した。

「これは数ヶ月続いたのです」と博士は言う、しかし結論は明らかだった、百日咳の流行はなかったのだ。

「我々全員が驚きました」と博士は言う、「そして、次の大流行が起こったとき、何をすべきかについて非常に苛立たしい状況に置かれた」と語る。

ユタ大学の感染症専門医であるキャシー・A・ベッティ博士は、この話には明確な教訓があると語る。

「大きなメッセージとしては、すべてのラボが誤検知に対して脆弱であることだ」という。「単一の検査結果は絶対的なものではなく、PCRに基づく検査では、さらにそれが重要になる」

しかし、ハードン博士は、もはや危機から逃れたことがわかっている。

私が伝染病を引き起こしたのかもしれないと思いました」と彼女は言う。

(終了)

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