クイックテストへの信頼は存在しない流行を作り出す、その2

クイックテストへの信頼は存在しない流行を作り出すの続きです。

細菌が増殖するかを確認するには数週間かかる場合がある。しかし、迅速な分子検査は間違いの可能性がある。パール博士は言う、「これはほとんど、二つの悪の中から、より悪くないものを選ぼうというようなものだ」。

ダートマスでの決定としては、ポリメラーゼ連鎖反応のためのPCRを使うことだった。これは分子検査であり、最近までは分子生物学研究室に限定されていたものである。

バンダービルト大学の感染症専門医であり小児科教授であるキャスリンエドワーズ博士は言う、「その種のことが起こっているのです」。「それが現実なのです。我々は研究員の範囲であった方法を使うために、それを理解しようとしているのです」。

ダートマスの百日咳の話は、何が起こりうるかを示している。

この話が破壊的だというのは、控えめな表現だったと、エリザベス・タルボット博士は言う。ニューハンプシャー州保険社会福祉省、副州疫学者である。

「想像できないでょう?」とタルボット博士は言う。「その当時こう感じました、これがインフルパンデミックの最中であればどうだったかという、ヒントを我々に与えたと」。

しかし、疫学者は言うのだ、疑似流行の最も厄介な側面の一つとしては、当時はこの決断すべてが非常に賢明と思われたことだと。

米疾病管理予防センターの医学疫学者であるカトリーナ・クレツィンガー博士は、同僚のマニシャパテル博士と共にこの件に取り組んだものの、ダートマスの医師に責任に帰着できなかった。

「この問題は、彼らが過剰反応したとか、不適切なことをしたということでは全くありませんでした」とクレツィンガー博士は言う。そうではなく、流行の進捗度合いを早期に決定する方法が無いことがよくあるのだ。

子供向け百日咳ワクチンの導入された1940年代以前は、百日咳が幼児の主な死因であった。ワクチンで病気の発生率を80%低下したが、完全に消滅することはなかった。これは、ワクチンの有効性が約10年で衰退し、現在、青少年と成人向けの新たなワクチンが存在するにもか関わらず、使用が始まったばかりだからだ。百日咳は未だに懸念対象だと、クレツィンガー博士は言う。

※訳注:訳者はこの意見には全面的に反対です。詳細はスザンヌ・ハンフリーズのワクチン講義その1(前半)を参照のこと。

この病気の名称(whooping cough)は、その最も顕著な特徴から来ている。患者は息が切れるまで咳をし、ゼーゼー(whoop)といった音を出すことがある。咳は非常に長く続くことがあり、百日咳の一般的な名前の一つは、100日間の咳だったとタルボット博士は言う。

しかし、長くて激しい咳も、ゼーゼー音でさえ、百日咳感染に特有なものではない。そして、百日咳の多くの人は、普通の風邪のような症状、鼻水や通常の咳をするのである。

「百日咳、特に百日咳の臨床症状に関するほとんどすべてが、それほど具体的ではないのです」とカークランド博士は言う。

それがダートマスの流行を決定するにあたっての最初の問題だった。

クイックテストへの信頼は存在しない流行を作り出す、その3

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