病気の本当の原因:BSE(牛海綿状脳症)

2020年8月20日

「What Really Makes You Ill?」のBSEの節です。紙の本の175ページから3ページ分です。


OIE(国際獣疫事務局)は以下のように定義する。

BSEは、牛における進行性で致命的な神経系の疾患である。

牛海綿状脳症は通常、BSEとして略されるが、「狂牛病」としても知られている。この状態の動物の適切な説明であると言われている。BSEは海綿状脳症の唯一の形態では無い。他の動物に影響を与える他のタイプがあり、伝達性海綿状脳症、あるいはTSEという一般用語で言及される。これらもまた、OIEのBSEに関する情報シートで説明されている。

他のTSEと同じようにBSEは、神経組織中のプリオンと呼ばれる異常感染性タンパク質の存在で特徴づけられる。

「伝搬性」と言われるが、TSEの一つの形態としては、羊とヤギにしか影響しない。この病気は、より一般的に「スクレイピー」として知られ、この状態の動物の行動の適切な説明でもある。彼らが、その毛皮を静止物体に対してこすることが多いからである。しかし、スクレイピーは致命的な変性疾患としても説明され、これは毛皮のこすりつけ以上のものである。

「感染性タンパク質」の特性として、OIEによって「異常」であり、TSEの原因と主張されている。これは「異常な折り畳み構造」という。そしてまた、タンパク質の誤った折り畳みが、他のタンパク質を誘導するとも言われている。このプロセスが病気を活性化すると主言われる。しかし、この主張にも関わらず、TSEの確立した情報が示すには、このタンパク質が誤って折り畳まれ、病気を引き起こすことによる実際のアクションメカニズムは、ほとんど解明されていない。

プリオンとして知られる、異常な折り畳み構造のタンパク質で起こると主張される病気に影響を受けるのは、動物だけではないと言われる。良く知られる例としては、CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)であり、これはBSEの人間バージョンであり、不治の致命的な神経変性状態と説明される。vCJD(バリアントクロイツフェルトヤコブ病)と呼ばれるCJDの1つの形式は動物から取得されたと言われ、これにより、BSEは人獣共通感染症として分類されることになった。

興味深いことに、多くの人間の神経変性疾患があるが、これもまた異常な折り畳み構造のタンパク質に関連すると言われる。これらの疾患には、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などがある。

BSEは「感染性病原体」によって起こされるとされるが、この「病原体」の原因は不明である。OIEの情報シートが示すように、

科学者達が信じるには、牛におけるこの病気の蔓延は、感染した牛または羊からレンダリングされた物質を、再度牛に給餌することによって引き起こされることだ。

この「科学者が信じるには」という声明は、この考えが決定的に証明されてはいないことを示す。そしてOIEはこう主張する。

乳牛の群れが、肉骨粉を含む凝集した食料を与えられていた

肉骨粉を含む製品がBSEの原因であるという考えは、マーク・パーディによって否定されている。「Animal Pharm」という彼の著書で説明しているのは、1980年代に最初に英国で起こったBSE発生のあいだの彼の研究と経験である。

家畜農家そしてTSE研究者として、BSE発生の際の直接的な経験をした。これは私の有機農場に買われてきた牛たちに発生したことだ。完全に有機農場において生まれ育った牛たちにおいて、BSEの症例が全くなかった事実に私は打たれた。これらの牛たちが、原因と見なされる肉骨粉(MBM)の成分を含む食事を許されてきたにも関わらずだ。当時の布告された有機標準においては、その20%の従来資料許容量の一部が認められていた。

マーク・パーディが、MBMはBSEの原因では無いことを示したが、注意して欲しいことは、牛は草食動物であり、雑食ではないことだ。牛の自然な食事は草である、これはセルロースが豊富である。牛の消化システムは、4つの胃区画から構成され、草を処理してそこから栄養を取得できるのである。牛に対する肉骨粉(MBM)の使用は明らかに不適切である。BSEの原因とされたMBMの種類は、それ以来禁止されたが、しかし、BSE症例は報告され続けた。これが示すことは、MBMが唯一の、あるいは主要な原因でさえありえなかったことである。

その研究を通じて、マーク・パーディが発見したことは、BSEの原因としてよりありそうなことはホスメットである。ウミバエを駆除するための「洗浄剤」として牛に使われる化学殺虫剤だ。これは、牛によく見られる害虫である。この殺虫剤はリンから作られた化合物を含むが、動物に直接、通常は首にかける。リンを基盤とする化学物質の神経毒性特性については、第六章で述べる。

しかし、英国の牛は極めて大きな程度の神経的影響を受けた。この殺虫剤を使用していた他の多くの国よりもである。この理由もマーク・パーディが説明している。

1982年に年二回の実施を強制する措置が可決された。独自に濃縮された容量(体重1Kgあたり20mg)の作用性有機有機ジチオリン酸系殺虫剤のだ。英国の牛のウシバエ幼虫駆除のためである。無数の毒物学的効果の中でも、全身型のジチオリン酸塩は銅をキレート化し、血液脳関門を開く。それによって脳内金属バランス全体を乱すのである。

殺虫剤「洗浄」をウシの首に塗布することにより、毒性化学物質がその頭に侵入し、脳に浸透することを可能にした。その効果は牛にとって明らかに非常に不快なものだった。これは、「狂牛病」と名づけられた行動で示されたのだ。その後の英国でのBSEの「発生」は、高濃度のホスメットのためであり、その結果としては数百万の牛の屠殺である。このような高濃度のホスメットを使用しなかった国でのBSE発生率は英国より低かった。マーク・パーディが説明する。

ウシバエキャンペーンを行った他のいくつかの欧州国(例えば、仏、スイス、アイルランド等)では、殺虫剤の低い容量を使用した。そして、当然ながら、それに比例して結果のBSE症例は少なかったのである。

そして当然だが、マーク・パーディの研究は広く公表されなかった。しかし、より大きな懸念としては、彼の研究の信頼を落とすために当局がとった行動である。これもまた彼が本で説明している。

様々な科学誌に掲載されているにも関わらず、当局とその主要アドバイザーは、これらの発見を無視し、そして、この線の研究を追求しようとする我々の最大限の無視を行った。

残念ながら、医学界はあいも変わらず、毒性化学物質と「病気」の発生の関連づけに失敗する。ただし、関連が明白過ぎて無視できないというマレな状況を除くが。

英国権威筋が毒性殺虫剤とBSEの関連づけに失敗した理由の一つと考えられることは、その結果の可能性だ。推奨される毒性殺虫剤の高濃度が問題を起こしたことの暴露、数百万の牛の不必要な屠殺につながったことは、深刻な影響があっただろう。マーク・パーディが説明する。

しかし、ホスメットがBSEの原因であると正式に確認されてしまうと、数十億の賠償請求が出されるだろう、英国政府だけではなく殺虫剤メーカーにもだ。

神経系の病気であるBSEと神経毒性化学物質のつながりは、はるかに説得力のある説明を提供する、感染性の疑いのある「異常な折り畳み構造」のタンパク質よりもだ。神経変性疾患に関連して異常な折り畳み構造のタンパク質が発見されてはいるものの、その事実は原因であることを「証明」しはしない。毒物、特に神経毒に曝露した結果として、タンパク質が異常な折り畳み構造になった方がはるかに可能性が高いのだ。

残念ながら、「細菌理論」が、病気に関する医学界のドグマの中にしっかりと組み込まれたままである。身体の中のタンパク質の実際の役割としては、適切に研究されず、良く理解されないままであろう。

ウシ結核やBSEに類似する他の牛の病気としては、これもまた「細菌理論」ドグマに基づいた口蹄疫(FMD)である。これはウイルス性で感染性が高く、時には致命的と見なされている。以前に引用した感染性保菌者に関する記事にはこうある。

口蹄疫ウイルス(FMDV)は、ワクチン未接種の牛群が保持している。

ドクターレイモンド・オボムサウィン博士はその本「Universal Immunization, Medical Miracle or Masterful Mirage」の中で当時オーストラリアのアボリジニヘルスクリニックの医師Archie Kalokerinos MDへのインタビューを行っている。

彼が話した経験というのは、再石灰化土壌で育った草を食べている牛についてだった。それらは文字通り、フェンスラインで鼻を突き合わせて食んでいた、他の口蹄疫に感染した群れとだ。ワクチンを含む特別な保護手段も無くだ。そして非感染の群れは完全な免疫を示した。

「実験室実験」では無いものの、この現実世界での観察というのは、FMDが感染性ではないことの経験的証拠を示している。さらに、非感染の群れもワクチンを受けていなかったという事実は、ワクチンが免疫を与えないという主張を裏付ける。これは、明らかにそうなのだが、健康を害する可能性があるのだ。

(終了)

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Posted by ysugimura