伊藤詩織:世界民主主義フォーラムでのインタビュー(後半)

伊藤詩織:世界民主主義フォーラムでのインタビュー(前半)の続きです。

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日本人ではない

反動についてお話しされましたが、他の女性からのものはありましたか?

ありました。本当にたくさんのメッセージがありました、女性からの。言われることは、辱められたと。私が性暴力について話したことにですね。

そして、一人の女性の言ったことは、たとえ真実でも、それでも男性の方が可哀想だと。名指しされたことがと。そして、彼らが思うには、私は日本人では無いのだそうです。なぜなら、もし本当の日本人女性なら、こんな恥の経験を話すことは無いと。

でも、それがショッキングでした、すべての反動や死の脅迫などよりも。正直言ってですね。私はメールを返したんです、本当に驚いたからです(?)。彼らに話したかったんです。なぜなら、私がこういった意見を女性に話したら、どうするだろうかと。でも、これらの女性達からは、返信はありませんでした。これが唯一の私の考え方なんです。

生きねばならない社会

思うに、彼らは社会に生きることを強制せねばならないのだと。我慢しなければならないのだと。そして、何も言わないことです、この男性支配社会について。確実だと思うんです、多くがセクハラを受けてることは。おそらくは攻撃もですね。

ですから、彼らも私の痛みはわかると思うんです。でも、それが彼らの生きねばならない社会なのだと。長い間ですね。ですから、私がなぜ今こんなことをするのか疑問に思うわけです。実際にそういったメッセージを受け取りました。なぜだと。こんな恥を行うなど。

後悔はない

でも、そうは思いません。沈黙を続けていれば、継続し、繰り返されるんです。私は、これが誰にも起こってほしくなかったんです。妹にも友人にも。もし私が何もせずに、誰かに起これば、私の周りのですね、一生後悔することはわかってました。それに耐えられないだろうと。

ですから、私に後悔はありません。やったこと、話したことに。もちろんですが、かなりの代償を払いましたが。人生を変え、住処を変え、やってることは変えませんが。転居せねばならず。でも、単に生き続けるだけです、人生を続け。。。

同盟者

少々この会話を。。。(?)明らかにあなたは代償を払ったわけです、英国風に言うならば、日本の汚れたシーツを大っぴらに洗ったわけですね。これは秘密であり、日本社会の一面なわけです。人々があまり大きな注意を払いたくない部分です。あなたはもはや、スポークスパーソンに転換したわけです。このジェンダー問題についての大きな理解のためのです。性暴力問題と、その日本社会での扱われ方ですね。

あなたには日本社会での同盟者がいますか?このキャンペーンを進めてくれるような方です。育ててくれるようなですね。より多くの人達が喜んで、この本当に重要な問題に取り組もうとするようなですね。

はい、半年後ですが、カミングアウトしてからですね。本を出版しましたが、それと同時に、MeToo運動が起こり、その時期に開始したんです、コミュニケートではないですが、日本女性からのサポートを受けられ始めたんです。ですから、その中には、秘密にではありますが、怖がっているからですね。

でも、何人かは、私と共に話してくれて、でも、日本ではMeToo運動は本当には起こってないんです。なぜなら、恐れているからですね。そして、朝日新聞が女性達に聞いたんですね、MeTooと言いたいですかと。6割以上がYESでした。でも、同時に、同じ数の女性が、その後に起こることが怖いと。ですから、WeTooと言うことにしたんです。

なぜなら、思うに、皆がこういったセクハラを目撃し、あるいは攻撃を目撃しながら、何もしなかったからです。高校生の時は、私が声を上げられるとは思いませんでした。しましたが、聞いてもらえず。思いました、そういうものだと。疑問にも思わず。ですから、それも自分のせいなんですが。ですから、私達は決めたんです、Me、私の問題ではなく、We、我々の問題だと。ですから、キャンペーンを始めたんです。WeTooです。

政治家にまかせてはおけない

プレゼンの中でお話しされましたね、性暴力の法律が変更されたことです。これは進歩ですね。司法の領域で、より進歩が必要と思われることはありますか?女性が正義にアクセスするためにです。

事件にでき、辱められず、沈黙しないことですが。社会的・政治的行動の必要性を感じるでしょうか?そうすれば、保護が与えられ、男性の攻撃が排除されるといった。この問題についての要求される行動のスケールとしてはどんなもんでしょう?

あまりに多くのことがあります。でも最初に知ることです。女性として、男性として生きることが何かをです、日本社会において。そして、良い性教育が必要です、学校で。習ってないんです、教えもしませんし、同意の意味をです。しかし、それでも同意可能年齢は13歳なんです。それと同時に、必要ですね、多くの政治家の関わりがです、この問題について。そして、議員が必要です、これを本当にやってくれる人が。

でも、これは110年のあいだ起こらなかったんです。ですから、彼らに任せてはおけません。これは全員のものなんです、そう考える人の。これは止めねばならないと。これは実際に我々の問題だと。娘にも起こりうる。恋人、妻にも、息子にも、誰にもと。

ですから、メディアですが、大きな役割があります。これについて話さねばならないんです。タブーを破らねばなりません。性と暴力について話すためにですね。そして、他のこととしては、これは110年かかったんです、刑法を変更するのにです。でも、いつも苦労するんです、英国やスウェーデンのシステムを語るときにです。進んだ刑法を持つ国についてですね。彼らの見方としては、自分達からは遠く離れている、です。進み過ぎてるんです。

他国のサポートシステム

でも、この秋に、台湾と韓国に行きましたが、彼らがどうしてるかを見るために。彼らにはより進んだサポートシステムがありました。そして、彼らは性暴力回避法を持つんです。彼らは別の法を適用しており、犠牲者をサポートできるんです。そういったものは日本に無いんです。例えば韓国では、未だに似たような刑法がありますが、それがゆえに、より強いサポートがあるんです。そのように始められんです、誰も害を及ぼさずに。でも、そうするためには、それについて話さねばなりません。知らしめないと、なぜそれが必要なのか。なぜなら、それこそが、話されてこなかったことだからです。これは見えない状態できたんです。ですから、メディアやジャーナリストの役割ですね。誰でもですが、つまり誰もが声を持つんです。ですから、誰もが話せることなんです。

役割

多くのやり方で、あなたは自らのジャーナリズムを進めてきたわけですが、今お話されているのは、推進者になったことですね、性暴力に対する戦いのです。日本だけではなく、どこでもですね。この役割に苦痛を感じませんか?ある種辞めたわけですよね、自身は。これは個人的な話、個人的な旅の一部で、単に続けようとするのか、あるいは、それは一部なのか、ジャーナリストに戻ることを望んだだけなのか、話を報道することのですね。

自身の話ではなく。そうです。でも、学ぶことは良いことなんです、インタビューされることがどんな感じであるかを。私はいつも、あなたの位置に座ってたんです。マイクを持って誰かを。今はわかります、どんな感じか。正直なところ、カミングアウトの後は、単に仕事に戻りたかったんです、これを扱いたくなかったんです。あまりにトラウマ的なものでしたから、考えたり話したりするのは。思い出すのもです。

しかし、そういった声を聞き始めたんですよ。そういうメッセージを受け取り始めたんです。同じように苦しんでいるとの。それを無視できなかったんです。そして思うに、これがジャーナリストの仕事だろうと。彼女らを聞けて、それを外に出すことがです。ですから、最終的には、望んではいませんでしたが、これを仕事の一部になどとは。

たとえ、別のプロジェクトで働きはじめても、最終的には、これを考えてしまうんです。この話しの一部を報じてしまうんです。完全に別の事柄を開始してもですね。そういうことが起こるんです。ですから、誰も私に強制したとは思いません。でも、単に起こるんです。そして、ゴールは無いと思います。ですから、続けるしか無いんです、これを。

忘れて、先に進めたらと思うんですが、でも正直なところ、忘れられないんです。毎日それと共に生きねばならないんです。毎日サバイブしないといけないんです。ですから、私の一部です。無視できないんです。直面すること、より知るために。そして、解決を見出そうとすることは、思うにこれも、治るプロセスかと思います。

アドバイス

他の女性にアドバイスはありますか?男性には?こういった状況になった人ですね。自身の経験から引き出せることはあるでしょうか?こういった状況にいる人達に提供できるものとして。あるいは同じような状況です。

一つだけ本当に言いたいことは、あなたの真実を信じて欲しいんです。わかってます、あまりに多くの人が疑問を持つことを。あなたに起こったことをです。

ありがちなんです、私にもたくさん起こりました。でも、あなたが一番良く知ってるんです。その苦しみを。そして、自然なことです。体がそれを無視しようとするのは、最初はですね。でも、それは起こって無いことにならないんです。ですから、もし準備ができていれば、誰かに話せるでしょう、信頼する人に。

そして、この話しを聞いた人であれば、どうか彼女らを信じてあげてください。あなたはいなかったのですから。聞いてるだけなんです。ですから、彼女らを信じてください。それこそが、われわれがサバイブするのに必要なことなんです。希望を持てるように。わかってるんです、難しいことは。正直なところ、正義にアクセスするのはですね。悲しいことに。でも、もし誰かが素早く動けば。警察が捜査すれば、真剣にですね。

それでも既にあなたが信頼されたことのサインなんです。もし病院に行くなら、彼らは良くしてくれます。それも既にサポートを得たことのサインです。ですから、誰もがサバイバーを元気づけてくれます、信じるように。最初に覚えておかねばならないのは、最初にサバイブすることです。あまりにすべきことが多ければ、まずサバイブすることです。後からでも続けられます。わかってるんです、とてもむずかしいことが。

誰にも声がある

この経験から何を学んだでしょうか?

それは、私には声がある、です。誰もが持ちます。以前には、あまりに多くの人が私を沈黙させようとしました。これがベストだと言おうとしました、先に進み、報告せず、何もしないと。安全のためにはそうしろと。

そうかもしれません。まだ東京に住んでいたかもしれません。でも、そういったことすべての後で、確実に言えるのは、あなたの声が重要なんです。我々一人ひとりが声を持ち、しばらくはかかるかもしれません。

でも、いったん声を出せば、どこかに届くんです。ですから、それが学んだことです。それを皆さんに教えたいんです。皆が声を持つのですから。

私にできること

本を書きましたね。映画を作った。世界民主主義フォーラムのような演壇に立ちました。テレビ番組でも見ますし、欧州の一部でですね。これは最終的にどこに行きつくでしょうか?その結果がどうなって欲しいでしょうか?可能なベストの結果としては何でしょうか?2015年に始まったひどい話の行きつく先としては?

私には周りに多くのMeTooのヒーローがいました。信じるために自身をもたせてくれた人です。その何人かは、本当にその地位を脅かされました、仕事上のですね。

私をサポートしようとしたからです。そして、力づけてくれたからですね。それが私を続けさせたんです。思うに、未だにそれを話すのは難しいと思います。

こういった公開の席で、昨日話しましたが、日本でです。でも、こういったイベントで声を持てることは、私にとっては非常に力づけられることなんです。あなたのツイートを見た私の友人も非常に力付けられていました。

私のことを誇りに思ってくれて。こう言いたいのです、望むことは、今日こういった暴力が停止すればと。そして、誰も苦しまないようにと。でも、私にはコントロールできません。でも、私にできることは人々を力づけることです。今苦しんでる人をです。

あるいは暴力から苦しんでる人をサポートしようとする人です。でも、私をここに持ち上げたのは自分ではないんです。MeToo運動からのすべての声なんです。MeTooがなければ今日もお話ししてないと思います。ですから、MeTooから学んだものは連帯と、我々全員が声を持ち、それぞれの声が誰かを力づけることです。

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