石油は化石燃料ではない

 

出版予定の「本当は何があなたを病気にするのか?」下巻第9章の一部です。石油は化石燃料ではありません。

 


多くは民間企業だが、最大企業500の中には国有企業もあり、例えば、最大の石油会社は中国所有である。実際のところ、2016年の10大企業のうち、4社が石油・ガス産業に属し、極めて収益性の高い強力な産業となっている。この産業の力は、主要なエネルギー源の事実上の独占により得られただけでなく、神話の永続にもよる。第6章(上巻)で少し触れたように、石油は「化石燃料」と一般に信じられているが、実際にはそうではない。この信念は「石油は、動植物の化石が何億年もかけて圧縮されてできた」との考えに基づく。化石の存在は有限という事実が、石油が有限という考えの根拠となっている。

石油は「化石燃料」であるという考えに関連する主な説の一つとしては、1970年代に提唱された「ピークオイル」と呼ばれるもので、石油を採掘し続けると、地球上の石油がすぐに「枯渇」するという。しかし、1970年代以降、石油産業は大量の石油採掘を継続しているだけでなく、新たな油田を発見し続けている。これが強く示唆することは、世界の石油の「枯渇」はなく、これまでの推定や認識よりはるかに豊富に存在することである。

しかし、膨大な、おそらくは無限の量の石油が存在するからといって、その採掘継続は正当化されないし、石油化学製品として知られる石油由来の化学物質の、日常の大半の製品製造への使用が正当化されるわけでもない。また、そのほとんどが毒性を持つ石油化学由来の化合物を、「薬」や「食品」の原料として使用することも正当化できない。

石油の起源について、興味深い「代替説」が登場したのは20世紀半ばのことだ。この説では、石油は「化石燃料」ではなく、そもそも「非生物」とする。つまり、生物物質が起源ではないと言うのである。ウィリアム・イングドールは、2007年9月に発表した記事『元ピークオイル信者の告白』[R9.17](日本語訳)で、1940年代後半にロシアの科学者たちが石油や「天然ガス」の性質について調査を始め、1956年に次の結論を出したと説明する。

□「原油や天然ガスは、地球表面付近で発生した生物物質とは本質的に関係がない」

この説は、少なくとも石油・ガス業界の多くの関係者の間では非常に物議を醸すものだが、これを裏付ける十分な証拠がある。これらの証拠のほとんどがロシアの科学雑誌にのみ掲載されており、石油が動物や植物の化石が可能なレベルよりもはるかに深い地中で発生することを示している。英語で書かれた数少ない科学記事の一つに『現代石油学とロシア・ウクライナの深部無生物石油起源説の入門書』[R9.18]がある。この記事は、ロシア科学アカデミーと『Joint Institute of the Physics of the Earth』の地球物理学者であるJ・F・ケニー(J F Kenney)博士が書いたもので、次を述べる。

□「現代のロシア・ウクライナの深層無生物石油起源説では、石油は地殻に噴出した深層起源の原初物質(訳注:地球に最初からあるもの)と認識されている」

これは単なる「理論」ではない。世界最大級の石油・ガス生産国であるロシア石油業界では、その原理を実践して成功を収めていることに留意すべきだ。

さらに、NASA(米国航空宇宙局)による最近の発見が追加の証拠を提供している。石油は圧縮された動物や植物の遺骸ではなく、鉱物の堆積物に由来するとのロシア科学者の主張を裏付けるものだ。2014年11月の記事『ロシアとNASAが「化石燃料」説を否定』[R9.19](日本語訳)では、太陽系の他の地域に炭化水素が存在するとのNASAの発見について詳しく述べている。この発見を科学的に解釈すれば、「石油」は鉱物性のものであり、したがって再生可能資源であり、有限ではないはずだ。

この発見の最も重要な結果は、石油が「希少資源」との主張に基づく高価格を正当化できなくなることだ。しかし、最も強力な「既得権益」には、何十年にもわたり石油産業に関わり、支配してきた一族のメンバーがいることに留意すべきである。この一族や関係者が石油業界や銀行業界を支配し、様々な場面で自らの利益のための石油価格操作が可能になっている。

ウィリアム・イングドールは、『ロックフェラーの完全支配 マネートラスト(金融・詐欺)編』[B33]の中で、1970年代初頭の石油価格の大幅上昇(訳注:いわゆるオイルショック)は、「自然」ではなく、米国の「既得権益」が自らの目的のために価格を操作した結果と説明する。主目的の一つは、米国経済の救済である。すべての石油が米ドルで取引されていたためだ。もう一つは、米国の「世界のリーダー」としての地位を維持することだった。米国の「既得権益」にとって、「金本位制」から脱却したドルが世界の基軸通貨としての地位を維持することも必要だった(訳注:1971年に金本位制廃止)。

原油価格の大幅な上昇は、米国の「既得権益」の利益になったが、人々にとっては、短期間でのエネルギーコスト400%上昇という悲惨なものだった。このエネルギーコストの上昇が、多くの国々、特に「発展途上国」と呼ばれる国々が経験した、その後の経済危機の大きな原因になった。しかし、これらの危機が、再び搾取的な目的のために利用された。なぜなら、IMFや世界銀行がSAPsと呼ばれるプログラムを課すことで、援助提供と称しながら、実際にはさらなる貧困化を招くような介入を行ったからである。

影響力の強い「既得権益」の存在は石油業界だけではない。しかし、極めて重要な科学的発見を隠蔽し、神話を存続させて一般大衆を欺くのに、いかなる影響力を行使できるかを示す好例と言えるだろう。


 

コメント

  1. 匿名希望 より:

    南関東ガス田ウィキペディアに国際金融資本家両建て太平洋戦争時にメタンガスから戦闘機のガソリンを作ったと書いてました
    メタンガスはイワシ等の魚群の死骸?等からできるなら?生物から石油できてるのではないですか?

    • ysugimura より:

      たしかにメタンガスは生物からも作れると「言われている」ようです。ここを否定する根拠は持ち合わせていません。

      https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202111080000142.html

      https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP666691_Z00C24A1000000/

      が、石油とメタンガスは別の物質ですよね?

      • チョメ・フミ より:

        診療放射線技師/第一種放射線取扱主任者で、医学物理士認定資格受験中の者です。

        2020年5月頃より時折拝見しております。
        概ね当初の直感に間違いは無く、また経時的,周囲の方との体感の刷り合わせと、
        環境省空気汚染監視システム『そらまめくん』 https://soramame.env.go.jp/nodomap の観測対象分布図と体感(口内のシャリシャリ(微粒子)感,呼吸苦感,僅かな発熱感)は北海道から沖縄に至るまで概ね相関しており(2020-2022年と全国20数ヶ所へ飛び実態調査して来ました。また羽田-那覇間の空路で当該微粒子影響は高度8,000ft.より高高度では辿り着かない気付きも得ました)、

        『情報,状況:伝染病ムード/実態:主に炭化水素(HC)系微粒子による公害的影響』

        で主に、呼吸苦を感じやすい,咽び'(むせび)やすい,異物対処のため白血球機能による軽度一過的発熱といった影響をもたらす ような状況が、日本では2020年GW頃から続いているものと考えます。

        やや複雑な構造のため長文となることをご容赦ください。

        先ずは私が医療技術者で、勤務先は当初ボストンコンサルティンググループ(BCG)メンターの放射線科医の元で10年ほど、秘書兼務として修行してきた経緯があります。
        2019年前はJ天大系医療機関に勤務、2019年秋頃に4名の戦略グローバルコンサルティングファームの外国人が突然健診に現れ(異様な状況)、よく分からないが「申し訳ない」旨を伝えて去った事に気付きの端を発します。
        2020年、伝染病ムードGlobal Studyが顕現し、程なくして私は転職を余儀なくされ、KO大系医療機関に拾われます。KO大医(信濃町→支那の町)は支那CCP出先機関であるS価学会,K明党の関連機関でかつ,元厚労省・現国交省大臣ポストが与えられていることに注意を払う必要があります。

        鈴木康裕元医務技監(WHO指定ポスト)はKO大医系の元厚労省副大臣相当。
        安倍さんがフロントエンド、彼はバックエンドで動き、GPMBの日本担当として当Global Studyを日本でもlaunchさせることに注力。2020年無事Runしたため、8月を以ってフロントの安倍さんと共に表舞台を卒業した。
        ちなみに2020年11月には人知れず『じん肺症に係る改正厚労省令』が施行されています。有事・緊急事態・甚大な疾病とされたものに全力を尽くしているはずなのに、ひっそりと、まるで当該影響の実態がバレてしまった時のために保険をかけるように。
        ちなみに鈴木氏は当Study卒業後国際医療福祉大の学長へスライドしていますが、当該大学は業界では有名な麻生と宏池会の息がかかり、支那も関与している福岡出自の医療技術大(医大ではない)です。

        おそらく私は渦中のグループに囲い込まれているものと推察しています。
        ちなみに私は過去に2年ほどCRO(臨床開発会社)に勤務した経験もあります。従っていわゆる臨床研究・臨床試験(治験)については深層まで概ね理解しているつもりですが、
        その見地からも地殻変動が起きています。世界のCRO各社では自動車運転の道交法の如く『GCP:Good Clinical Practice』なる業界内通則を修得させられていました。
        ところが2020年にこれが突如削除され、全く別の通則が流通することとなりました。
        つまり予防接種薬の薬機法承認について不都合だったため、試験・監査期間など幾つかの点を修正しリブランディングされた訳です。

        いずれにしろ従来薬機法に依拠した通則からみると明らかに拙速で不適切な内容であるため、2021年頃に医療機関向け予防接種薬が回ってきた時点で「私より本当に必要とされている方に回して欲しい」と申し出、回避に成功しました。
        当該予防接種薬の適用基準は、本来なら『以後、子をもうける意思,予定が無い者』が含まれているべきです。微粒子(粉体)曝露による健康影響に対する薬剤の場合は、女性の場合は卵母細胞の挙動不審、男性の場合は精子量減少・活性低下の懸念は払拭できないものと考えます。

        閑話休題、前置きが長くなりました、

        「ウィルスではない」あるいは「ウィルスは存在しない」というよりは「ウィルスというブランド自体が既にまやかし」であり、単に『自己増殖しない(有機系)微粒子』と捉えるべきです。
        そして前述していますが「HC:炭化水素」これが今回の実態と言えます。厳密には数種が混在して日替わりで放出されているようです。
        環境省では『NMHC:非メタン炭化水素』としてCH4:メタンと区別して観測されています。
        NMHCは特に日中、日照を受けると光化学反応しOx:光化学オキシダントへと変化します。光化学オキシダントは物質名ではなく日照を受け酸化したものの総称で、その成分は幾つか挙げると「①脂質微粒子:コレステロール」「②繊維質微粒子:セルロース」「アルデヒド」などです。
        殆どの場合は①ですが、東北以北の寒冷地の場合、①が重合して②が観測される場合があります。②は①より径が大きく非常に咽びやすいです。呼吸苦感も強い。
        私は親族の住む北国に帰省した際、家中大掃除しました。
        これらの他に「PM2.5」と呼ばれるものも存在します。しかしこれもウィルス同様(化学的)物質名ではなくその主成分は炭酸カルシウム(石灰質)やシリカなどのようです。実はPM2.5の成分分析はあまり詳細には行われていない模様。
        再開発が行われている地域ではPM2.5はやや高値で観測されています。解体現場でも同様に。解体といえばまた別の話題が。こちらの話題は法規制をおそらく遵守しておらず、しかし言語も通じないからなし崩し的になっているものと推察されます。

        石油は精製されナフサへ変換してから、さらに精製分離し、ガソリンや灯油,重油等になります。CH4:メタンはそれ自体は安定しているので自然には変化に乏しいですが、現在の技術を以ってすれば、例えば酸化させたり高温高圧下で重合させたりと、様々な物質へ変換可能です。
        例えば昨今のHC:炭化水素が空気から飽和している状態へと誘導したのは、石油製品のリサイクルやセルロース(植物)由来のC,H,Oにより合成されたエタノール、『バイオ(マス)エタノール』を混入した燃油です。
        環境的観点()から工場燃油やガソリン,ケロシン(航空燃料)に一定量混入し、不完全燃焼した結果が現在の空気から炭化水素(あるいは非メタン炭化水素)が飽和析出し口内がシャリシャリしたり、毎日掃除機をかけても吸える灰白色の砂ぼこりです。