フラットアーサーの方へ、計算間違ってませんか?

フラットアーサーの説明がデタラメな件の続きです。

こんなことウン十年ぶりにやるので、私の計算間違ってるかもしれませんが。。。どなたか検証してくださいね。

疑問に思ったのは、先の動画のこの部分で出している数字です。

後を読んでもらえばわかりますが、この人物の言ってることはデタラメです。

前提条件

地球の赤道半径を6,378kmとします。飛行機はこの上を通ることにします。

飛行機の巡航高度は10km程度なので、飛行経路の半径は6,388km、その円周は40,116kmです。

飛行機の巡航速度を毎時800kmとします。

飛行機が毎時降下しなければならない距離

では、この飛行機が毎時「降下しなければならない距離」としては?

この飛行機が、この円周上を一時間に移動する角度としては以下です。

800km / 40,116km * 360度 =  7.18度

すると、たぶんこれであってると思いますが、「毎時降下しなければならない距離」はこうです。

6388 – 6388 * cos(7.18)  = 6388 * (1 – cos(7.18)) = 6388 * (1 – 0.99215839042226) = 50.1km

たしかに、毎時50kmも降下しなければなりません。すると、50km / 60分 = 0.833で、たしかに毎分800メートル降下することになります。

ここまではこの動画の言うとおりです。あってますよ。

計算式の概念としてはこうです。

 

飛行機が毎分降下しなければならない距離

ところが、実はこちらの計算の方を先にやったのですが、つじつまが合わないのです。この飛行機が一分間に降下しなければならない距離を計算してみます。

毎分の移動距離は、800km/60 = 13.3kmです。

この飛行機が、この円周上で一分間に移動する角度としては、

13.3km / 40,116km * 360度 = 0.12度

では、この飛行機が毎分降下しなければならない距離は?

6,388 – 6388 * cos(0.12) = 6388 * (1 – 0.99999780675538) = 0.014010447km = 14m

たった14メートルです。800メートルではありません。計算合いませんね。どうしてでしょう?

六秒間では?

さらに時間を縮めて6秒間にしてみましょう。

移動距離は、800km/60/10 = 1.33kmです。

移動角度は、1.33km / 40053km * 360度 = 0.012度

では、この飛行機が6秒間に降下しなければならない距離は?

6388 – 6388 * cos(0.012) = 6388 * (1 – 0.99999997806755) = 0.000140104km = 0.14メートル = 14センチメートル

飛行機は6秒の間に手の平ぐらいの距離を降下する必要があります。

一分間の降下距離を10で割った、14m / 10 = 1.4メートルではありません。

そして、この数字を基準にすれば、一時間に降下しなければならない距離は以下です。

0.14メートル * 10 * 60 = 84メートル

おやおや、最初に出てきた50キロメートルとは、どえりゃー違いですね。

つまり。。。

動画の言うとおりの条件で一時間に降下しなければならない距離を計算すると、たしかに50キロメートルでした。

そして、この計算から動画は、一分間に降下しなければならない距離を800メートルとしています(50km / 60分)が、全くの間違いです。

1分間の必要降下距離は、実際には14メートルです。

さらに、6秒間に縮めてみると、14 / 10 = 1.4メートル = 140センチメートルかと思いきや、違いました。たった14センチメートルです。

この6秒間の降下距離を基準として、一時間の降下距離を計算すると、たった84メートルです。

これで計算あってますよね?

フラットアーサーの計算のどこが間違ってるかわかりましたか?

なぜこんなことが起こるのでしょう?

答えを見る前に考えよう!回答はずっと下!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図解:フラットアーサーの詐欺的計算術

なぜこんなことが起こるか、図解にしてみました。計測開始時を以下のような具合とします。飛行機が出発地点では地面と並行に飛行し、そのまま一時間のあいだ何のぶれもなく一直線に飛行すると仮定した場合、その間に降下しなければならない距離がわかります。

では、一時間のうちのわずかな時間を進めてみます。この場合、わずかな降下距離しか必要としません。しかし、元の一時間で必要とされた降下距離は大幅に減少してしまうのです。

これを繰り返していくわけです。わずかな降下と、今後降下すべき距離の大幅減少です。したがって、目的地に到着したときは、トータルで大して降下していません。

結局のところ、飛行機の向きをちょいと下げるだけで、遠方に見える「降下すべき距離」が大きく減少してしまうのです。

以上の事実を無視して、一時間の必要降下距離を算出してみせ、そこから一分間の降下距離を単純計算しているだけなのです。

これが詐欺でなくて何ですか?

結論

ほんとに、ウン十年もこの手の計算をしたことが無く、上記の計算には自信がないので、皆さんで確かめることをおすすめします。

しかし、もしこの計算が正しいとすれば、このEric Dubayという人物(聞き手もですが)は、本物の愚か者か、詐欺師のいずれかと結論せざるをえないでしょう。彼の主張は、全くのインチキです。再度、こうです。

時速800Kmで、一時間飛行機が飛んだ場合、もし地球が球体であれば、50km降下しなければならない。でないと、宇宙に飛び出してしまう。(したがって、地球は球体ではありえない)。

実際には、機首をほんの少し下向きにしておけば、必要な降下距離を満足させられ、遠方にある「降下しなければならない距離」もどんどんと減少していくのです。

しかし、こんなこと、わざわざ計算しなくても、普通に誰でも思いつくことですよね。常識に立ち戻っただけの話です。この常識がEric Dubayのデタラメによって撹乱されたのです。

Eric Dubayは動画中でこう言っています。

「自分自身の常識や経験で**がわかってるのに、それを”説明”で無効にしてる」
「彼らは人間が持つ常識を無効にしたいんだ」
「教育システムは自分の感覚を捨てることを教えてるんだ」
「自分の感覚と経験を捨てるなら、盲目になり、似非科学者の餌食に成り下がり、彼らを天文学の伝道者扱いにし、特別な知識があるエクスパートとして崇めるようになる」

それはお前だろと。その言葉とは裏腹に彼は、(計算式を明示してませんが)常識に反するおかしな計算を行って見せ、「ほら、球体じゃおかしいだろ。平面に違いないだろ」と言うわけです。完全に矛盾した言動です。

追加:では一秒では?

さらに時間を縮めて1秒間にしてみましょう。

移動距離は、800km/60/60 = 0.22km です。

移動角度は、0.22km / 40053km * 360度 = 0.002度

では、この飛行機が1秒間に降下しなければならない距離は?

6,388 – 6388 * cos(0.002) = 6388 * (1 – 0.99999999939077) = 0.000003892 = 0.0039メートル = 3.9ミリメートル

飛行機は1秒の間に、3.9ミリメートル降下する必要があります。

この数字を基準にすると、一時間に降下することになる距離は以下です。

3.9 * 60 * 60 = 14040ミリメートル = 14メートル

つまり、毎秒3.9ミリ降下すれば、地表との距離一定で飛行でき、一時間飛行しても、合計で14メートルしか降下しません。せいぜい4階建てビル程度です。とても50kmなどという数字ではありません。

再度フラットアーサーのツイートを見てみましょう。

さらに追加

いかにフラットアーサーの主張が無理筋かは、以下をみれば一発でわかるでしょう。

時間に対する降下率が一定とすると、飛行機は地面の中を通ることになります。

 

飛行機は降下などしないに続きます。

 

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