シャリル・アトキッソン:Wikipedia医療情報はウソだらけ

コレステロール低下薬コレストラ

現実の世界に似せた架空の例を考えてみます。ニュースを見て、新たな研究を知ることになりました。コレステロール低下薬のコレストラです。研究によれば、コレストラは非常に効果的で、医師は大人にも子供にも処方を考慮すべきだそうです。まだ高コレステロールになっていなくても。

真実なら、うますぎる話しですよね?あなたは賢いのですから、自分でリサーチすることにしました。ググったり、Facebook、Twitterで聞いてみたり、Wikipediaを見たり、WebMD(医療ニュース)や非営利ウェブサイト。そして、オリジナルの研究を読みます、査読済の医療ジャーナルです。すべてが、コレストラの効果を認めています。

ネガティブなコメントにも遭遇します、ガンにつながるといった。しかし、無視します。医療エクスパートが、ガンとのつながりを神話だと言っているからです。そして、それを指摘するものは、ホラ吹きであり、変人であり、馬鹿だと。最後に、かかりつけの医者が、最近医療セミナーに参加したことを知ります。彼の参加したレクチャーでも認めていました、コレストラがいかに効果的かを。ですから、彼はいくつかの無料サンプルと処方箋を送ってきました。あなたは、自主学習をちゃんとやりましたね。

あなたの意見を操作する

しかし、これらすべてがそうでないとしたら?あなたの見つけた現実が偽であったら?見えざる特別な利益によって注意深く構築されたお話だったら?あなたの意見を操作するためのものです。映画「トゥルーマン・ショー」のような、もうひとつの現実がまわりにあるのでしょうか?ニュースメディアは、信じがたいほどパワフルなプロパガンダと宣伝力を持っており、それに満足することで、ときには真実がほんの少しの場合があります。

その特別な利益は、無限の時間とお金を使い、我々を騙す方法を常に探しています。彼らの役割を隠しながら。秘密のアストロターフというやり方は、議会への伝統的なロビー活動よりも、より重要になっています。ワシントンのまわりに、この産業が築き上げられています。

アストロターフとは何でしょうか?草の根のこじつけです、実際は偽の草の根です。アストロターフとは、政治、企業、その他の特別な利益が、自身を見せかけることです。そして、ブログを発行したり、Facebook、Twitterアカウントを開始したり、広告を出したり、編集者に手紙を出したり、単純にオンラインでコメントを出します。独立した人、草の根の人がそう話していると思わせて騙すためです。アストロターフのポイントとしては、あるアジェンダに対して、幅広い支持、もしくは反対があるという印象を作り出すことです。実際にはそうでないのに。アストロターフは、あなたを操作しようとし、意見を変更しようとします。あなたに自身を「異常値」と思わせるようにしてです。実際にはそうでないのに。

アストロターファーの手口

一つの例がワシントン・レッドスキンズ(フットボールチーム)の名前です。(訳注:レッドスキン=侮蔑的な先住民の言い方)議論に加わわろうと思わなくとも、過去一年のニュースメディアの報道やソーシャルメディアを見れば、おそらくはこう結論するでしょう、ほとんどの米国人がその名前を攻撃的だと思い、変えるべきという意見だと。

しかし、71%の米国人が、名前を変えるべきでは無いと言ってるとしたら、どうでしょう?2/3以上ですよね。アストロターファーは、彼らに同意しない者を議論のターゲットにします。気に入らない記事を出すニュース組織を攻撃し、真実を言う内部告発者をもです。あえて手強い質問をする政治家をもです。それらすべてを報道する大胆さを持つジャーナリストもです。

アストロターファーはときに、意図的にゴリ押しすることがあります。大きな混乱と、矛盾する情報をミックスするんです。すると、あなたはお手上げ状態になり、すべてを無視します、真実を含めて。それが押し流してしまうんですね、医療と害をなす副作用の関係、例えば、ワクチンと自閉症の関係です。たくさんの競合する情報、買われた研究や調査、エクスパートの意見をミックスし、真実を混乱させ、認識させないようにします。

アストロターフの夢Wikipedia

そして、Wikipediaがありますね。アストロターフの夢が現実になりましたよ。無料の百科事典とされ、誰もが編集できます。しかし、現実にはそうではないんです。匿名のWikipedia編集者がコントロールしており、特別な利益に代わって、ページを選出しているんです。彼らのアジェンダに沿わないものは、禁止したり、編集を復元してしまいます。

彼らは、Wikipedia自身の免責条項のある確立済ポリシーを侵害するという見え透いた手口で、情報を捻じ曲げたり削除します。実際に誰もがWikipediaを編集できるのだと信じるような無知な人よりも常に優位にいるのです。そして、単純な事実の不正確さを修正することさえ、禁じられていることを発見するのです。これらの監視されているWikipediaのページに、ささやかな事実を加えようとすると。。。パッと消えます。ときには数秒でですよ、編集が逆転されてるんです。

フィリップ・ロス本人による編集

2012年のことです、名高い著者であるフィリップ・ロスが、彼の本のキャラクタの背景についての大きな事実を修正しようとしました。Wikipediaページにあるものをです。

しかし、彼がどんなにやっても、Wikipediaの編集者はそれを許してくれないのです。彼らは、常に誤った情報に戻してしまうのです。最終的にWikipediaの人間にコンタクトできましたが。。。たやすくはなかったのですが、何がおかしいのか見出そうとしました。彼らが言うには、彼が単純に信頼できるソースではないからだそうです。

数週間後に大きなスキャンダルが持ち上がりました。Wikipediaの職員がPRサービスを提供していたと告発されたのです。名前を売りたいクライアントに代わり、情報を捻じ曲げ編集していたのです。Wikipediaに想定されているポリシーとは真逆ですね。

Wikipediaの医療情報

この理由からおそらくは、Wikipediaページに記述された医療情報というのは、査読済研究論文に比較すると、Wikipediaは90%の確立で医療研究とは矛盾しているのです。Wikipediaで読むものは信頼に値しないということです。しませんよね?

さて、架空のコレストラの例に戻りましょう。あなたはすべての研究を行い、FacebookとTwitterのアカウントが非常にポジティブであることを見つけましたが、実際には、金をもらっているプロでした。薬を推進したい製薬企業に雇われたものです。Wikipediaページもアジェンダを持つ編集者にモニターされており、製薬企業に買収されています。製薬企業はまた、Googleの検索エンジン結果を最適化しています。これは偶然ではないんですよ、こういった非営利のポジティブなコメントに出くわすことは。

非営利というのは、もちろん、秘密裏に製薬企業に買収されているということです。製薬企業はまた、ポジティブな研究に金を出しています。そして、その編集権パワーを使って、ガンのような可能性のある副作用を省略させます。もう一度ですが、すべての医師は公にしつこく売り込みがされています、コレストラと、そしてガン関連性が神話であると。あるいは、批判を馬鹿にし、偏執的嫌がらせとかホラ吹きとか、あるいは、この薬を承認した政府の勧告委員会に資するのです(?)。

これらの医師というのは、実際には製薬企業に買われたコンサルでしかないんです。あなたの医師について言えば、彼の参加したレクチャーでは、こういったポジティブな評価ばかりですが、事実としては、多くの継続医療教育クラスと同じように製薬企業が金を出しているのです。そして、ポジティブな研究についてニュースを流すとき、そのことには言及されません。

ルネスタのマーケティング

私は、現実の生活における多くの例を指摘することができます。二年ほど前ですが、CBSニュースがこの話を見てくれと言ってきました。非営利の国立睡眠財団の研究です。このプレスリリースが言うところでは、この国は慢性的な睡眠不足であり、そのことを我々は知りもしないと。だから、医師に尋ねるべきだと。印象的な二つとしては、最初に、「医師に尋ねましょう(Ask your doctor)」というキャッチフレーズです、これは製薬企業は推進しているものです。彼らはわかってるんです、あなたを医師のところに行かせて病気について言及させれば、最近マーケティングされている薬を処方される確率が高いと。二つ目に、私は、この慢性的な睡眠不足の深刻さに疑問を持ちました。本当に、自分でわかっていないことがあるんだろうかと。

そうはかかりませんでしたよ、リサーチするのに。この非営利の国立睡眠財団と、その研究ですが。。。実際には調査であって研究じゃありませんが、金を受け取ってたんですよ、新たなルネスタという睡眠薬のマーケティングの一環としてです。

私はこの結果をCBCニュースに報告しました。もちろん、非営利団体への金の出所も公開しましたよ。ですから視聴者はこの情報にどの程度の重きを置くか決められるでしょう。他すべてのニュースメディアは、この調査についてプレスリリース通りに報道しました。見かけの下に何があるか掘り下げもせずにです。これは、後にコロンビアジャーナリズムレビュー誌の例になったんです。これは正確にレポートしていました。我々だけ、CBSニュースだけが、少々のリサーチをし、そして、この広く報道された調査の裏の利害を公開したのです。

事実とフィクションの分離方法

さて、こう思われるかもしれません。「私はどうしたら?」と。私は自分の調査をした。どうやったら、事実とフィクションを分離できるのか?特に、熟練のジャーナリストがそう簡単に騙されてしまうのに。私にいくつかの戦略があります。

プロパガンダの兆候とアストロターフを認識するためです。これを見いだし始めれば、そこらじゅうに転がっていることがわかりますよ。最初に、アストロターフの特徴としては、扇動的な言葉です。偏執的、ホラ吹き(インチキ)、気が狂った(イカれた)、ウソ、偏執病、似非(エセ)、陰謀、といった言葉です。アストロターファーが良くいうことは、「神話の誤りを暴く(debunk myths)」です、神話でも無いのに。熱のこもった言葉を使うことが、試験になります。

人々は何かを神話と聞くと、それを悪徳政治家に見出すかもしれません。そして、賢いから引っかからないと宣言するんです。しかし、もしこの神話という表現それ自体が神話であったら?そして、悪徳政治家もあなたもそれに引っかかっているとしたら?

利害関係による攻撃方法

利害関係者が攻撃することに注意してください。物議を醸したり、攻撃したりするんです、人々やパーソナリティ、組織をです、事実を表明するのでは無しに。アストロターフの可能性があります。そして、ほとんどの場合、アストロターフは、大衆的な懐疑を用意しておくんです。不正を働く者よりも、それを暴く者に対してです。

言い換えれば、権威に疑問を持つのではなく、疑問を持つ者を疑問に付すのです。もう少し明瞭に見えてくるかもしれません、これはメガネをはずしてキレイにしてから、かけ直すようなものです。そしてわかるんです、いかに最初から曇っていたかを。私はこれらの問題を解決できませんが、しかし、何らかの情報を提供できると思います。少なくとも、メガネを外して拭こうとする動機です。そして、情報の賢い消費者になることです、このますます、人工的で買われてしまった現実の中の。ありがとう。

 

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