ピーター・デュースバーグ:薬害スモン病の失態、その7

ピーター・デュースバーグ:薬害スモン病の失態、その6の続きです。

(P27)

再度、スモンのパターンと同様に、状況によってはエイズは伝染性のように見えた。血友病患者等の輸血を受けた人、ホモセクシャルコミュティにおける相互セックスパートナーに見られる症状の流行として。言い換えれば、何かしらの未知のウイルスの伝搬ルートの可能性が特定されえた。しかし、他の証拠が実際に示すことは、両方の症候群がともに伝染性では無いことだ。スモンが他のグループよりも多く中年女性を襲ったのに対して、エイズが示すのは20代から40代の若い男へのバイアスである。そのほとんどはヘロイン中毒でホモセクシャルだった。

これまでにわかったように、スモンはスモンそのものの初期症状に対して処方薬を使用した結果であった。この事実が医師たちにはあまりに恐ろしく、その証拠が発生するたびに、その可能性が繰り返し捨てられたのだ。エイズもまた部分的には処方薬の結果かもしれない。エイズの治療薬として供給されたAZTはまさにそのものだ。再度だが、恐ろしい可能性は、科学者と医師によって捨てられたのだ。

(P28)

エイズもまた米国では国立衛生研究所が、この国でのほとんどの研究と予防を指示するという中央管理のものになった。著名科学者と政府当局者による特別委員会もまた作られた、これは1986年に始まり、統一的なエイズとの戦いすべてのリソースと努力がフォーカスされた。

そして、ゴットリーブが最初にそのエイズ症例を報告した文字通り最初の週から、ウイルスハンター達がエイズウイルスの捜索を開始した。そして、ちょうど日本の仲間がスモンで行ったように、研究努力を支配したのだ。ここでもまた、いくつかのウイルスが入れ替わり非難されることになった。ヘルペスタイプのサイトメガロ・ウイルスからレトロウイルスのHTLV-1まで、もうひとつのレトロウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)のコンセンサスが形成されるまでである。

スモンが最終的に終了した理由は、コウノ・レイサクと他の日本の科学者に、非ウイルス研究にいくばくかのリソースを割く指示をする叡智を持ち合わせていたからであり、これらの他の調査者が答えを見つけたときに聞く耳を持ち合わせていたからである。しかし、エイズとの戦いを推進する当局者と科学者達は、代替理論への寛容さはほぼなかった。スモンや他の病気からの教訓を無視し、今日の生物医学研究権威は、実質的にすべてをブロックした、感染性エイズというコンセンサスのある見方に同意しないすべての研究や疑問をだ。

スモンとの戦いが、狙いを誤った科学の些細なことだとすれば、エイズは動かぬ山になった。この違いは、それに関わる科学権威のそれぞれの大きさにもあった。エイズ研究への資金が、スモンのそれに比較してはるかに大きかったことだけではない。既存の構造である、科学者の数、部署の大きさ、公開データのボリューム。今や人類史上のすべての科学的探求をすべて合わせた規模をはるかに越えていたのだ。このように、間違いは必然的に拡大された、いかなる個人の制御をも越えてだ。そして、エイズ理論に対する修正というのは、変更がさらに難しくなった。

スモンとエイズは、より密接につながってさえいた。両者ともに一連の長い計算違いのエピソードがある。これは、単一継続で自己伝搬の科学的プログラム、つまり微生物狩りから発生していた。微生物学は確実に多くの著名な科学的発見を達成した。特に今世紀(20世紀)早期には。ポリオは、かつて産業世界を荒廃させた感染病流行の終わりを告げた。微生物研究はほとんど有用性を失った。ウイルスとバクテリアハンターはわずかな達成しかなかったが、しかしう未だにますます資金潤沢な科学権威を支配している。その結果として、彼らは三十年のあいだ医学的状態について科学と大衆をミスリードしてきたのだ。これは、子宮頸がんから白血病、アルツハイマーからC型肝炎、さらに多くである。これらのより小さなプログラムすべてが、その公衆健康ゴールを失敗しつつあり、その間も彼らは間違った治療や予防策を行い、そして大衆の中に不必要な恐れを作り出しているのである。

微生物ハンターが間違いにも、非感染性の病気についてウイルスや他の微生物を非難したのはスモンが初めてではない。コウノ・レイサクは思い出しながら強調する「ペラグラ(ナイアシン欠乏症)がクラシックな例です」。「かつては伝搬性の病気と信じられましたが、良く知られているようにゴールドバーガーが患者の糞便を飲み込み、このイメージを破壊したのです」。

ペラグラは、バクテリアハンターの時代を代表する典型的な人間の悲劇であったが、あまりにも広く忘れられてしまっている。第二章では、最初の微生物ハンティング権威のやりすぎと戦ったゴールドバーガー他の科学者についてお話しするとしよう。

(第一章終了)

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